《保護してる 積もりが どこで過ぎるのか》

 お母さんにも声変わりがあるそうです。赤ちゃんには優しく語りかけますが,子どもの成長につれて声がとがりキーがはね上がっていくことです。連れ合いも二人の男の子を相手に声変わりしていました。
 人間の子どもは本来早産だそうで,生まれてすぐ歩けないのもそのためです。ですから子育ては全くの保護行動として始まります。成長とともに保護から育成に転換しなければならないのですが,そのタイミングを見過ごすと保護行動から抜け出せなくて,知らずに過保護になります。また育成に焦ると過干渉も起こり,母親の声変わりを招きます。過ぎてはいけないことは分かっていますが,どこから過ぎるのか誰も教えてはくれません。
 普段の生活でしてはいけないことが法律で決められています。しかし,六法全書など見たことはないでしょう。それでも法に触れないのはなぜでしょうか。それは「迷惑をかけないように」という注意信号を守っているからです。
 子どもに失敗をさせないようにすることが過保護です。失敗しても小さな傷ですむように守るのが保護です。歩き始めの時に転んでもよいように危険物を片づけるのが保護,転ばないようにつかまえるのが過保護です。子どもに指示して従わせようとすることが過干渉,従うかどうかは子どもに任せるのが指導的干渉です。押し売りが嫌われるのは,買うかどうかを自分が決められない点にあります。子育てのポイントは,「小さな失敗をさせる」という勇気信号です。

(No.8:リビング北九州:96年11月16日:1182号掲載)