《宝くじ 当たれば運の 総終い?》

 金は天下の回りものとはいえ,天下から取り残されているのでしょうか,連れ合いは季節毎のジャンボ宝くじ券に夢を見ているようです。今発売されているサマージャンボ宝くじは,一等二億円に前後賞五千万円を合わせて最高賞金が三億円にアップされています。連れ合いは当選本数が減っていることに異議を唱えています。最高額は下げても当選本数を増やした方がいいそうです。ジャンボという名前がついている以上夢の賞金額は大きくなるのでしょう。
 ところで券の買い方ですが,バラで買うか連番で買うかの選択を迫られます。バラは一本釣りで連番は網すくいに相当しますが,カモにネギを背負わせようとすると連番になります。いずれもタヌキの皮算用で,タカラクジからタぬきをすればカラクジです。夢とはかなえばいいなという実現可能性を越えたものです。
 親は子どもに期待をかけます。しかしその期待を裏切るように育ちます。自分が親の期待をはぐからしてきたことを思えば,子どもに求めるのは無理な注文です。期待に沿わないとき絶望しては,子どもがかわいそうです。だからといって妙に悟りきって子どもの人生は子どものものと放り出すことも無責任です。たまに良いことがあるような普通の子に育ってくれれば,それだけで親はすねの痛みを忘れます。もちろん子育ての当選はジャンボ的ではなくたくさんの当たりがあります。発表日は子どもが巣立つ日ですから,気長に待つことにしましょう。
 当たったらいいねと楽しみにしながら夢を見ているときがいいですね。空くじであっても当たらないことの方が普通なのですから,がっかりする必要はありません。宝くじは地域振興が目的です。子育ては明日に生きる人材を残します。

(No.77:リビング北九州:99年7月17日:1313号掲載)