*** 子育ち12章 ***
 

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「第 18-13 章」


『子育ては 家族の絆 あればこそ』


 ■徒然子育て想■
『今日があるから?』

 普段から心掛けていれば,いざというときに適切な行動ができます。不意をつかれると,茫然自失となり,できるはずのこともできなくなります。準備ができていないと,物事は始まりません。生きるという営みは,昨日の上に今日が積み重なっていきます。取って付けたような行動は,チグハグになって実を結びません。暮らしは連続しています。生活習慣病という症状があります。パターン化した毎日の生活が偏ったものであるとき,先々で異常な状態を現出します。

 とりとめもなく述べてきましたが,今日のことが明日のことを選んでいるということです。宿題を今日済ませれば,明日は明日の課題に取り組めます。もしも,し残したら,明日は昨日の宿題をしなくてはなりません。今日のありようが明日の有り様を決めています。今日の借金は明日に返済という負債を持ち込むことになります。暮らしに追われている大人は,毎日が同じと思っていますが,昨日何を食べたかが今日の献立を左右していることを思い起こしておくべきです。

 子育て中の親は,子どもの明日のために今日の過ごし方を考えているはずです。明日困らないように,今日のしつけをしています。先に生まれた者は,子どもの明日が既に経験済みなので見えています。「ああしておけばよかった」という自分の反省を込めて,子どもの今日と明日を見ているのが普通です。だからこそ指導者は先生と呼ばれるようになりました。自分の失敗を知っているから,正しい道が見えていると信じることができます。

 継続は力なりといわれます。一つのことを諦めることなく続けていけば,何事かをなすことができます。それが今日の上に明日を積み上げることです。人が一日でできることはほんのわずかです。だからこそ,日数を掛ける必要があります。今日やれることをきちっと済ませていく,それができる人の明日は少しずつ明るいものになります。このような大人の経験知を子どもの育ちに注入するためにしつけが行われます。ただし,度を超しては虻蜂取らずになります。

 玄関の履き物が出船の形に揃えられている家庭は,明日の準備が定着している家庭です。もしも脱ぎっぱなしで乱れていれば,明日も出たとこ勝負という八方破れの家庭です。しつけの行き届いた子どもは先読みができます。ということは,今自分が何をどうすればいいかという指標を明確に意識することができるからです。つまり,今日のあらゆることが明日の準備につながっているという連続性を意識できています。もちろん,明日に埋もれているチャンスも見えてつかむこともできます。



【質問18-13:お子さんから,微笑みを渡されたことがありませんか?】


 ○微笑み返し!

 子どもが微笑むとき。喜んでいる子どもの笑顔,それが見たくていろいろと世話をするのが親の喜びです。そんなことを言われても今は追いまくられて実感はないというのが現実かもしれません。子どもはそんな夢のような天使ではなくて,すぐにご機嫌を損じる気ままな小悪魔です。振り回されないように程々に構った方がいいでしょう。つまり,子どもを喜ばせようとことさら意識して策を弄しないことです。子どもがニコニコとできるゆとりのある環境づくりこそが大切です。

 微笑みを忘れた子どもは,育ちが足踏みをするようになります。育ちそのものが楽しいものだからです。しかめっ面ばかりでは,固い育ちになって脆くなります。たとえば,マナーばかり気を遣って食事をしても美味しくありませんし,微妙な吸収機能が萎縮して栄養にもならないでしょう。明るい団らんの中でこそ楽しく食事ができるのと同じで,明るい家庭が子どもの育ちには何よりです。そのためには,先ずママが楽しい気持ちを引き出しましょう。

 小泉総理がメールの中で,次のように書いていました。

「たのしみは まれに魚(いを)烹(に)て
     児等皆(こらみな)が うましうましと いひて食ふ時」

 江戸時代の歌人,橘曙覧(たちばなのあけみ)の歌です。たまに奮発して魚を煮る,それをおいしそうに食べる子どもたち,その姿に幸せを感じ,目を細めて見つめる親,そんな状況が目に浮かびます。
-------------------小泉内閣メールマガジン 第179号 (2005/03/10)

 育とうとしている子どもは,楽しいから微笑みに溢れています。ママにも微笑みを持って接してくるはずです。でも,ママが忙しくてそれどころではないという難しい顔で受け止めていると,子どもの微笑みはサッと消滅します。子どもの心に灯っている温もりは冷やされてしまいます。冷まされた気持ちは育ちの機能をぎごちないものにします。同じことをしていても,気持ちの持ちようで,育ちへの効果は半減します。楽しい育ちといやいや育ち,どっちが得か明らかです。

 子どものいる家庭で,例えばキャンプなどで子どもが留守になることがあります。静かですが,なんだか火が消えたような雰囲気になります。子どもは家庭を明るくしてくれています。子どもの屈託のない笑顔は,大人には羨ましいものです。いろんな雑念にまとわりつかれていつしかすっかり忘れていたものを,子どもは思い出させてくれているのかもしれません。いろいろあると思いますが,家庭では子どもの微笑みに応えてみませんか。

・・・微笑みの交わされている家庭では,子どもは真っ直ぐに育ちます。・・・


 ○微笑みのしつけ?

 誰彼構わずに微笑みかけるものではありません。寂しい人が多くなった現代社会では,微笑みの温もりは身勝手な期待を抱かせてしまうといった事情があります。だからといって,微笑みを封じてしまったら,生きていく元気も萎えていきます。なぜなら,微笑みは人のつながりを生み出す大切なパスワードならぬパスメッセージだからです。さらに,人のつながりは生きる元気の元なのです。微笑みのある暮らしをしたいですよね。

 赤ちゃんの微笑みは,はじめはただの筋肉の動きにしか過ぎません。しかし,周りの人が喜ぶという反応を見せるから,微笑みというほっぺたの動きを覚えていきます。自然に微笑んでいるわけではありません。育ちの中でしつけられていくものです。しつけといえば,強制的に仕込むことのように思われていますが,意図しない行動に意味を与えてやるのも大事なしつけの方法です。こうすればいいんだと子どもに気付かせるということです。

 テレビに育てられている子どもの表情が貧しくなるのは,テレビが反応してくれないからです。どうすればどんな反応が返ってくるのか,その試行錯誤がなければ表情の意味を教えてもらえません。いい顔,こわい顔,悲しい顔,それらは周りの人の反応を鏡として身に付いていくものなのです。表情に意味があるということを気付かせるのは,ママが直接応えてやることでしかできない大事な子育てです。その顔が大好き,その受容メッセージをたっぷりと与えてください。

 微笑みには,作り笑いとかお愛想笑いとかがあります。付き合いの中で,人は意図して微笑みを作ることができます。円滑な人間関係を保つ上での方便です。下心のある微笑みはいただけませんが,気持ちを和ませようという思いやりの微笑みもあります。連れ合いと何気なく目を合わせたときに,微笑みが返ってくるとホッとします。親子の間でも同じです。可笑しいから笑うという笑いではなくて,気持ちを通い合わせようとする微笑みが少なくなっていませんか?

 悲しいから泣くのではない,泣くから悲しくなると言われることがあります。もらい泣きは,人が泣いているからです。楽しいから微笑みますが,微笑むから楽しくなるということもあるはずです。泣いている子どもをあやすとき,楽しい微笑みを与えようとします。微笑むことで気持ちを前向きに方向転換することができます。微笑みの力を信じて,微笑みを意識的に作る訓練が行われている国もあります。もっと微笑みを大切にしましょう。

・・・微笑みがあれば,人との関係は温かいものになります。・・・



《子育てには,人の温もりを分かち合える大事なしつけがあります。》

 ○子育ては母親役だけでできるものではありません。何より父親役の人が必要です。それだけではありません。子どもの友達,親の友だち,近くの多世代の人,いろんな人との関わりから,大切なものを吸収します。食事が毎日同じ内容の偏食であれば,健康は保てません。嫌いなニンジンやピーマンも少しですが必要です。同じように,親だけが子育てをしていると,育ちの偏食になります。いろんな人の持ち味,渋みや苦みもありますが,子どもに万遍なく食べさせましょう。

 家庭と学校にある付き合いはかなり片寄っています。家庭は子ども中心の甘い関係,学校は同じ学年中心の同質の関係しかありません。異質なものとの出会いがほとんどない中で育っているようです。子育て環境としては,とても貧しい内容です。それが世の流れとはいえ,とても気がかりです。親同士のネットワークができているところもありますが,親だけに閉じ籠もっているままでは大して効果は得られません。人の温もりを広げることが最大の課題です。

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