*** 子育ち12章 ***
 

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「第 23-03 章」


『子育ちは 不安を越える 安心で』


 ■徒然子育て想■
『拒否症?』

 学校に行きたくない,会社に行きたくない,家に帰りたくないとか,身近な場所を拒否せざるを得なくなると,つらいことでしょう。居場所がないというのは,気持ちが落ち着かないので,緊張が持続し,ストレスが鬱積していきます。とんでもない方向に噴出するようになり,どうしてそんなことをしたのか分からないという結末に向かいかねません。表面的には普通に出かけて,普通に帰ってくるパターンが見られても,気持ちの居心地がよくないままだと,あるときに挫折します。

 どこにいても嫌なことの一つや二つはあるものです。嫌なことから逃げようとすると,どこにも居場所はなくなります。大事なことは,嫌なことに勝るほどの好きなことを真っ直ぐに見つめることです。パパは怖いときもあるけど,遊んでくれる。ママはうるさいけど,しっかりと抱きしめてくれる。子どもの目は親をそんな優しさで捉えています。だから,元気よく家に帰ってきます。居心地のよさは,嫌なことをなくすことではなく,よいことやうれしいことを大きくすることです。

 じっと落ち着かないのは,居心地が悪いからです。したいことがすべて封じ込められているとか,不安なままに置き去りにされているとか,邪魔にされているとか,監視の目で見られているとか,嫌われているような感じを受けているとか,いろんな要因が絡んでいます。それぞれがちょっとであればいいのですが,「いつも」ということが問題です。叱ると子どもは泣きます。黙って抱きしめてやるというフォローが必要です。いいことをたくさん用意しておいて下さい。



【設問23-03:子どもって,どうしてじっと落ち着かないんでしょう?】


 ○こんなこと・あんなこと!

 人間。不思議な言葉です。人の間と書いて,人を表しています。人間というのは,今風にいえば社会人という意のようです。つまり複数だと考えるべきでしょう。人と間をおいてつながっている人というイメージです。間は,引離す役割と結び付ける役割を持っている空間です。世間,仲間という言葉は,結び付ける間です。一方で,間が悪い,間違いというときは,間の取り方に問題があります。子どもはこの間の取り方が未熟なために,居心地が悪く,落ち着かない状況にはまります。

 緊張。教室で落ち着かないという問題があります。「普通である」ことに緊張が潜んでいるからです。勉強では「時間内に」,給食は「食べ残してはいけない」,学校は子どもにとっては緊張の空間です。いろんな子どもがいるのに,皆が出来るはずと強いられる画一的教育の場です。子どもが居心地が悪いと感じることもあるはずです。しかし,学校は画一的でなければ成り立たない場所です。個人教育の場ではないのです。とりあえず,45分だけ集中できるようなリズムを身につけましょう。

 癒し。人は癒しを求めます。癒すという言葉は病気や苦痛などをなおすことですが,癒しと言えばストレスの解消といったイメージでしょうか。自己啓発の場に通う人は,人間関係の悩みがあるそうです。これも一つの癒しです。「私は私でいい」という思いが持てないで,癒しのネットワークを求めています。自分自身が不在になっている寂しさが自分を閉じ込めるというジレンマから逃れたいのです。少しでも親しさの感じられる関係にすがろうとする不安定さが,子どもにも現れています。

 つながり。ある特定の人と日常的につながっている,それが人間関係の核になります。親子や家族を持とうとする深層心理です。今の世情に見られる万遍なく多くの人とつながりを持つ,それは実のところつながっていないのと同じで,落ち着きません。ちょっとしたことで簡単に別離が訪れます。つながりを維持するために,いつも面白,おかしくしていなければならないので疲れます。何もなくともつながっていられる関係,親子,夫婦という関係をもっと固く密にする努力が肝要です。


 ○ママへのメッセージ!

 拒食症。どういうわけか父親に疎まれた娘さんがいました。落ち着かない状態が続き,拒食症状が現れました。病院で診察を受けましたが,特に悪い所は無いということで,念のためにと薬をもらいました。でも,改善は見られずに,別の病院に行きました。「どうしたの?」と促されるままに,医師に一部始終を話しました。「つらかったね」という医師の言葉に,「その一言が欲しかった」と娘さんは涙を流しました。ありのままを受け止めてくれる人がいれば,人は救われます。

 母の目。叱る母親は,子どもの目には角が見えているようです。そういう絵を画く子どもがいます。子どもはママがどういう目で見ているか,とても気にしています。歩き始めのころは,ママが見ている前では伝い歩きの手を離しますが,見ていないと離しません。ママの見ている前で泣きますが,居ないと泣きやみますね。母親が側にいる安心感,情緒不安のない子どもは余ったエネルギーを成長に向けることができます。安心感は,肉体へのCa,ビタミンのようなものです。

 母親のジレンマ。わが子は出来や器量が良くなかろうと,唯一無二の存在のはずです。ところが,園や学校に行き出すと,序列化され,○番だ,出来ない,怠けるといった比較にさらされます。できるようにならないと爪弾きされて生きていけないのでは,という不安がママを襲います。そこで,塾,先生の管理下に置き,心ならずも尻を叩くことになります。他人からの評価と唯一無二の存在というママのアンビバレンスは子どもに伝染し,落ち着かない状況になっていきます。


 ○幼児が少しもじっとしないで動き回るのは,好きにさせておいてください。育ちの過程で仕方のないことだからです。活発に動き回ることで,血液の流れを助けているのです。心臓の働きが十分ではないので,身体全体で補助しています。運動する必要があるということです。子どもの行動には,それなりの理由があるので,大目に見てやることも大切です。早くから小さくまとめようとすると,心身に無理が及びます。ゆったりと・・・。

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