*** 子育ち12章 ***
 

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「第 23-11 章」


『子育ちは 壁を見極め 諦めて』


 ■徒然子育て想■
『負ける練習?』

 負けん気の強い子どもが何かをしくじったとき,ぐずって手を焼くことがあります。だれでもしくじったときは気分が悪くなります。その壁をクリアする気分転換を身につけていないと,駄々っ子のままでは困ったことになります。ところで,問題に対処するとき,3つのパターンがあります。(1)勝負して勝つ (2)勝負して負ける (3)問題を避ける。勝ったときはいいのですが,負けてしまったとき,その場から逃げたくても逃げられないときは,潔く負けてしまうことです。

 人生は自分の思うようにはなりません。負けるばかりで勝つのは稀です。ある人がこんなことを書いていました。「失敗を気にするな,負けるときはさらりと負けるが良い,口惜しいときはこんちくしょうと正直に叫ぶがいい,弁解なんか一切するな,泣きたいときには思いっきり泣くがよい」。要は,不快な気持ちを少しでも発散し,諦めることです。気持ちを断ち切ることで,出直しの体制にはいることができます。

 負ける練習は生き抜く力を与えてくれます。そのためには少しばかり時間が掛かります。大きな気持ちを持つのは急にはできません。それが嫌で手っ取り早い道を選ぶと,問題を避けるようになります。無かったことにするという手です。うまくできないとき,根こそぎ壊してしまうといった逃げ道です。何回かはそんなことがあってもいいのですが,いつまでも続くと癖になります。負けっぷりのよさを引き出してやりましょう。



【設問23-11:子どもって,どうして諦めることをしないんでしょう?】


 ○こんなこと・あんなこと!

 諦め。親や教師ができることは大したことではありません。力まないように心掛けた方がいいようです。大人の思い通りには育てられません。結局は「あきらめ」に至り,そこから「見守り」に移る余裕が出てきます。きちんとした教育・躾の中でしか育てられないというのは思いこみです。このままでは?と将来への不安に苛まれるものですが,信じて任せましょう。子どもは大人を否定する(反抗期)ことから育ち始めます。大人は諦めて負けてやることです。

 勉強ができる。親であれば,そうあって欲しいと願います。そこで,誤りがあるとすぐに咎めて正そうとします。でも,できる人はそんな育てを受けてはいません。誤らず迷わぬようにすることによってできる人が成就するものではありません。むしろ逆に,自分の誤りや迷いとじっくりとつきあうことによって,深い理解を獲得することができます。道を間違えてうろついたときに,見えていなかったことが発見できます。間違いを悔やまず諦めて大事にするとセンスがよくなります。

 あきらめる。言葉の意味は,望んでいたことができないことを認めて,それ以上考えることを止めることです。二つの選択があります。一般的には,望んでいたことを止めることですが,もう一つは望んでいたことは残し,やり方を止めることです。本来は,あきらめる=明らめる,つまりはっきりさせることです。望みを捨てるとか,断念することではありませんでした。望んでいたことについてより深く明らかにすれば,別のよりよい対処の方法が見えてきます。

 迷惑。他への迷惑が起こるかもしれないと注意する気配りは,社会生活の中では最も大切なものです。例えば,カンケリ遊びをしていて,怪我をさせます。「ボクじゃないよ」とみんなが逃げ散ります。迷惑を掛けたことから逃げるのではなく,したことは取り返しがつかないと諦めます。そこからどう後始末をするかが大事です。「ご免なさい」と,責任を取る姿勢です。ごめんで済まない場合は,「お父さん」と相談すれば,「大丈夫!」と引き受けてもらえます。それが親子です。


 ○ママへのメッセージ!

 自信がつけば,堂々と生きていくことができます。自信をつけるためには,成功体験が必要だと思われています。そこで,大人はお膳立てをしますが,過ぎてしまうのが難点です。失敗体験を奪うことの副作用が出てきます。失敗体験を持てば,予想ができるようになり,対策も可能となり,失敗の程度も分ってきます。失敗をしていないと,どんな失敗があるか見えない不安が発生し,怖くなり,どうしてよいかの手がかりも掴めません。「失敗する勇気があるか?」,それが自信の扉です。

 空想の諦め。子どもは高いところに登るのが好きです。見ていると無茶をします。何かをしようという塊ですから,諦めることを知りません。いきおい,大人は子どもを安全圏に閉じ込める管理をします。してはいけないことだらけになります。転けないように抑え込んでいると,上手に転けることができなくて大怪我をします。多少の失敗をさせてやれば,限界・境界が分ってきて,ここまでは大丈夫という確信が持てるようになります。それが空想と現実のギャップの理解につながります。

 自尊心。誰でも自分がかわいいものです。権威ある者である親や先生によって,自尊心を撫で擦って貰いたいと願っています。ところで,その評価をするに当たって,競争社会では他との比較によることが一般的です。例えば,勉強で落後するのではないかという恐怖心があります。普通は頑張りに転化しますが,安易に諦める道に入り込むと,評価の外にはみ出して,自尊感情が霧散してしまいます。その空白を埋めるために,けなす相手が必要になり,イジメや愚痴り合いが起こります。


 ○夕食。誰を中心に作っておられますか? 子ども中心であれば,カレー,焼きそば,ハンバーグとなります。子ども中心のおかずの共通点は,「箸を使わないで食べられる」ということです。手を縦横に使っていない日常生活は,脳にはマイナスです。人は直立生活を始めて以来,手を使うようになって,脳が刺激され重くなったという進化をしてきました。手を使うことは脳の育ちにとってとても重要な本質的なことです。手を器用に使えない脳は,美しい脳ではないことになります。

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