*** 子育ち12章 ***
 

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「第 25-03 章」


『子育ちは 親の懐 温もりで』


 ■子育て一言メモ■
『安心の場が育ちの場』

■花の種は畑に蒔かれて発芽し生長します。子どもが育つ場所は安心して育ちなさいという確かなメッセージのある環境です。

■子ども部屋は寝室です。安心できる場はお互いの声が聞こえる親の傍です。子ども部屋に左遷されたら,不安や寂しさに襲われ育ちを停止します。

■親が気遣ってくれている,その安心が居場所です。目を離すとママが居なくなる,そう感じると不安が先立ち,育ちを拒否します。

■叱られるというのは,突き放されることです。誉められるというのは,受け入れられることです。安心できるのはどちらか明らかです。

■子どもはママの笑顔が大好きです。笑顔は受容のサインだからです。子どもは親の表情をじっと見つめています。

■泣いているときは,黙って抱きしめてやればいいのです。安心を充電したら,飛び立っていきます。



【指針25-03:安心できる居場所に包まれて育っていきます!】


 ○こんなことはありませんか?

★養子である友人が,ある日うれしそうに「こないだ会社から帰ったら,女房と子どもと養母さんがおいしそうに親子丼を食べていたんだ。おれはお父さんだからって牛肉で作ってくれたんだぞ!」って言いました。ぼくは「それは他人丼だよ」って教えるのはやめました。

 自分のことを気遣ってくれていると信じられれば,人は心が落ち着きます。そこからがんばろうという気持ちが湧いてきます。端から見れば勘違いをしているお人好しに見えるかもしれません。しかし,連れ合いを信じることから自分の居場所を得ることができるのです。

★高校生の時のことです。母があんまり飼っている猫ばかり可愛がるので,「私もせめて猫並みに扱って欲しい」と文句を言ったら,翌日の弁当には「そんなにこれがうらやましかったの?」というメモと一緒にキャットフードが詰められていました。

 そんなことじゃないというすれ違いです。モノを与えることが親子関係であるという錯覚です。食べさせておけばいいとか,昼の食事代としてお金を渡しておけばいいということではなく,どれだけ労を向けてくれたかという気持ちの寄せ方が親子関係です。

★小2の娘は,普段,祖母か主人とお風呂に入ります。たまたまどちらも不在で,約2年ぶりに娘とお風呂に入りました。洗面所で化粧を落としていたら,突然かなきり声で「おまえは誰だ!」と娘が叫びました。スッピンの顔を見せた事なかったので,私の衝撃的な素顔にとても驚いたらしいのです。

 わが子にスッピンの顔を見せたことがないというママが多いのか少ないのか分かりませんが,普段のお風呂上がりもスッピンではなかったのでしょうか? 家族が裸のつきあいをするとき,子どもは弱さをさらけ出すことのできる安心感を得ます。たまにはずっこけた姿を見せてやってください。

★うちの3歳の息子とデパートに行ったときのことです。時節柄,雛人形がたくさん並べてありました。数が数えられるようになった息子は,自慢げに人形の数を数えだし,女性の人形が4人(お雛様と、三人官女)いるのを確認して,「この人,4人かのじょっていうんだよ」と言いました。ちょっと,お内裏様がうらやましくなった父でした。

 こんなことが分かるんだよ。子どもは自分の力を親に見てもらおうとします。親に認めてもらうことによって,もう一人の自分が自分の育ちを確認できるからです。親を鏡として自分を映し出しているのです。ママが鏡の前でお澄ましして「どう?」と自慢するようなものです。

★私の姪はまだ3歳だが気にいらないことがあると部屋の隅に身体を投げ出し,この世の終わりとばかり泣き崩れます。が,その瞳には一滴の涙も浮かんでないことを私は知ってしまいました。私にこの演技力があれば!!!

 気に入らないことに直面すると,大人でもイライラします。八つ当たりをすることもあります。気持ちの筋が炎症を起こし,その痛みを打ち消そうとする抗体作用が必要になります。泣くことは身体を激しく刺激することであり,そのエネルギー放出によって炎症を沈静化しているのです。泣くことが気持ちの健康法になります。

★隣家の子どもが幼稚園の時です。お弁当はいつも菓子パンでした。ある日,それを見かねた保育士さんが,「おかあさん、お忙しいでしょうがひと手間かけてやって下さい」と,一言。翌日・・・『あんぱん』が二つに切ってありました。

 ひと手間=一つの手間? 文字通りですが,それにしても言葉を知らなかったのでしょうか? それとも勘ぐりすぎですが,差し出がましいことを言われて,当てつけのつもりだったのでしょうか? 子どものために手間を惜しまない,その積み重ねが親らしさであり,子どもに安心を伝える最善の道なのですが・・・。

 ●上記の★項のエピソードは「まぐまぐVOW」を参照しています。感謝!


 男の子が父親や母親に刃向かっていく事件の報道を度々耳にするのはつらいことです。親はあくまでも子どもの味方であるはずですが,傷つけても構わない敵方と思われているようです。今の子どもたちの忍耐のレベルは低くなっているという専門家によるコメントもあります。そんなコメントを聞かされても,どうすればいいのかという思いは解消されません。忍耐強く育てるための第一歩は,「あなたは独りではない」という親の強いメッセージです。草花が育つ畑は,草花に指図はしません。

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