*** 子育ち12章 ***
 

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「第 25-04 章」


『子育ちは 周りの人と つながって』


 ■子育て一言メモ■
『触れ合いの場が育ちの場』

■社会性とは,もう一人の自分が他人と自分の共通点をみつけることです。そのためには,いろんな人との付き合いを経験することが大切です。

■パパはこわいけど優しい。子どもの目は大人をちゃんと見ています。大人はどうでしょうか? この子はこんな子と決めつけてはいないでしょうか?

■年下の子どものわがままに直面したとき,もう一人の子どもが自分のわがままに気がつきます。異年齢のつきあいがもう一人の子どもを育ててくれます。

■子どもは大人の真似をします。大人になったつもりで振る舞うことを経験して,大人という他者をもう一人の自分が学び取っていくのです。

■「○○ちゃん,えらいね」。その言葉をもう一人の子どもが自分に向かって言えるようにし向けてください。「私はダメな子」ともう一人の自分が思うようになるのは,そう言われてばかりいるからです。

■親らしさを発揮するコツは,もう一人の子どもと寄り添って,二人して子どもを見守り育てようとすることです。



【指針25-04:皆とのつながりに支えられて育っていきます!】


 ○こんなことはありませんか?

★私の妻は小学校の教師をしています。毎日漢字テストを作っていますが,先日パソコンに残っていたのをふと見たら
 ・けっこんとは、「しゅうせい かわらぬ あい」をちかうことです。
 ・ときどきそのことばをしゅうせいしたくなるときがあります。
 ・それがにんげんのしゅうせいというものなのでしょうか?
六年生にわかるかなぁって言うか,この時から妙に妻に優しくなった自分がいます。

 自分に向けられていないと分かってはいても,小さな言葉がもう一人の自分の中でなんとなく感じていたことと共鳴をすることがあります。慣れという人の習性によって薄められていた愛情が,言葉によって思い出された状況と反応して,軌道を修正することができます。思いがけない小さな触れ合いが導いてくれます。

★私は専門学校でパソコンの授業を担当しています。この前テストで電子メールの利点を問題に出しました。「(  )のように相手を束縛しない」で,答えは(電話)なのですが,(恋人)と書いた学生がいました。

 自分のことを中心にしか考えられないという見本です。答案を書くには,何を聞かれているのかという,相手の意図に沿って考えなければなりません。自分が答えるのではなくて,もう一人の自分が出題者の立場になることから正解が見えてきます。今自分はどこにいるのか,その理解が授業に没入することなのです。

★私は今年36歳になる年男です。その話を妻としていたら,娘が話に入ってきました。「お父さん,イヌなん?」,「そうやで」。「へぇ〜めずらしいなぁ」,「そうかぁ?」。「うちの周り,みんなネズミやで」。いやいや,あんたは小学校3年生。同級生は子か丑しかおらんやろ…。

 子どもの世界が同年齢に限られている現実に留意しなければなりません。子どもは同年齢の特殊な環境が当たり前と思っています。違った人がいっぱいいるのが社会という実感を持てないことが,社会性の弱さの原因です。異年齢の関係をたくさん与えるために,先ず親から異世代とのつきあいをしてください。

★病気で入院した友だちに子どもがお見舞いの手紙を書いていた。「お元気ですか? ぼくも元気です」。・・・だから,病気なんだってば。

 手紙やメールでも,言葉を送るときは先ず相手のことを思いやるところから始まります。社会における人づきあいのルールです。「お元気ですか?」と相手を気遣う常套句を学んで知っていても,相手のことを想像しながら言葉を紡ぐという肝心なことが忘れられています。思いやりは常に触れ合いの出発点なのです。

★6歳になる娘は大のシルバニアファン。うさぎさん一家のお父さんだけを持っていなかったため,しかたなくリスをお父さんにしていました。この度うさぎのお父さんをゲットすることになり,「リスはどうするの?」と聞くと,「リスとは別れさす」と,頑固親父のような台詞を真剣な目で答えてくれた。

 幼児にリスの哀しさを思いやることは無理でしょうか? リスの気持ちを代弁してやれば,もう一人の子どもはきっと分かるでしょう。一時しのぎで仕方なく仮のお父さんにした上にあっさりと離別させる身勝手さ,リスの目からはそのように見える自分に気付くことはとても大切な経験です。

★「気分をリラックスさせ,いらいらを解消する」サプリメントを愛用している私。6歳の娘がそれを見て,「ママ,それ何の薬?」と聞いて来た。「え〜とね,怒らなくなる薬よ」,「ふ〜ん・・・。あんまり効かないね」・・・誰のせいだ。

 幼い子どもにとって親は無条件に甘えるべき存在です。自分をむき出しにぶつかっていっても大丈夫! そう信じています。ママが自分のせいでイライラしているとは思いもよりません。親の心子知らず。それでいいのです。親の心が分かるのは,自分が親になったときです。子どもに対してイライラしているときは,自分がかつて親に同じ思いをさせていたと考えて,順送りと諦めてください。

 ●上記の★項のエピソードは「まぐまぐVOW」を参照しています。感謝!


 先日,とある市の青少年育成市民大会に講師としてお招きを受けました。県の講師名簿に登録されているのでお声が掛かりました。子どもたちの育成に対して親や地域の大人がどう向き合えばよいのかという課題があります。問題行動は誰しも見えていますが,その原因を特定し,効果的に対処する具体的な行動が分からないという状況が続いているようです。子育て羅針盤13章の要約を講演時間90分に詰め込んでみました。一つでも伝えることができたらいいのですが?

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