*** 子育ち12章 ***
 

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「第 25-09 章」


『子育ちは 明日の楽しみ 追い掛けて』


 ■子育て一言メモ■
『明日があればこその育ち』

■明日がないと思えば生きる力を失ってしまうのが普通です。育ちも同じです。明日に向かっていくプロセスが育ちです。また明日!

■今日の苦しみを耐えるためには,明日の楽しみが必要です。気持ちのバランスを保つことができたら,苦しみを過大に感じてつぶされることはなくなります。

■明日の楽しみはどんなことでもいいのです。小さな楽しみを見つけることが上手なら,育ちは順調に進んでいきます。

■ポジティブシンキング,前向きに考える癖は,生きていく上で大事な資質です。でも,何も考えない極楽とんぼとは違うのでご用心!

■叱られてばかりいると,子どもはまた何かで叱られるのではとビクビクするようになります。明日が苦になり楽しみを見失います。

■今のままがいいという子どもは,明日の楽しみを見つける術を教えられていない子どもです。育とうという意欲は湧いてはきません。



【指針25-09:明日に楽しみを見つけながら育っていきます!】


 ○こんなことはありませんか?

★部屋の観葉植物がしおれかかっていたので,旦那に水をやってくれと頼んだら水をかけて30秒ぐらい,つっ立ってじーっと見ていた。そして「元気にならないよ?」・・・。そんなすぐになるか!あんたいくつだ!(29才)

 生きものは機械とは違います。反応はすごくゆっくりと進みます。変化が現れるまでは待たなければなりません。その待ち時間に楽しみという思いが膨らんでくるはずです。我慢できないせっかちさは,楽しむことが下手であることにつながります。おっとりしている方が育ちにふさわしいペースです。

★祖母にクリスマスプレゼントをねだろうとして,「ねえ、クリスマスプレゼントなんだけど…」と話しかけたら,「いやいや。気持ちだけでたくさん。」とにっこり微笑まれたので,それ以上何も言えなかった。

 子どものうちは「もらう」ことが楽しみです。それは欲望の充足です。いつまでもそのままでは困ります。「あげる」ことが楽しみになってこそ大人への育ちになります。社会は皆がなにがしかを持ち寄ることでできあがっているからです。大人社会もむしり取ろうというさもしさからはやく卒業すべきです。

★息子(3歳)との会話です。「大きくなったら何になりたい?」,「しんかんせん!」。「新幹線じゃなくて新幹線の運転手でしょ」,「ちがう!しんかんせんになるの!」。「そんなこと言ったって新幹線にはなれないの。だいたい,新幹線みたいに早く走れないでしょ」,「じゃゆっくりはしる」。「ハハハ!それじゃ新幹線じゃないでしょ」,「とまってても、しんかんせんだよ」

 話の流れがすっかり子どものペースに移ってしまって,やりこめられています。子どもの発想が奇異なので正そうとしているのですが,その前に新幹線になりたい内容を聞いてやることです。きっと素敵な楽しみを見つけているはずです。なりたいという気持ちは明日を見つけるベースなのです。

★4歳の娘に「大きくなったら何になりたい?」と尋ねたら,「ネコちゃん!」と嬉しそうに答えた。ちょっと頭がクラクラしたが気を取り直して,2歳の息子に「あんたは?」と聞いてみたら,「ボクはねぇ大人にはならないの。ずっと子どものままでいて,お母さんにお小遣いをもらって,一生遊んで暮らすの」。やっとしゃべれるようになったばかりで,そんな人生設計するか。

 幼い子どもは自分の体験の中でしか考えることができません。新しい体験をすればより良い状況や楽しい価値観が見えてきます。子どもは今を生きている,明日にはまた新しい今を迎えている,そう思って見守っていればいいでしょう。育っているのですから,今のままというのはあり得ないのです。

★親からコーヒーは子どもが飲むと死ぬときかされていて,10歳くらいのとき世をはかなんで冷蔵庫をあけアイスコーヒーを一気に飲んだがおいしかった。

 大人と子どもは食べるものが違うこともある,その具体的な区別を意識することは育ちの上で必要なことです。育ちには通過儀礼という節目を一つ一つクリアして,その先に大人になったらという具体的な楽しみを意識していることが大切です。大人っていいなあ,その憧れが育ちの意欲になるからです。

★先日、小1の娘とおじいちゃんの墓参りに行ったときのこと。娘が一生懸命お参りしているので「えらいなー,なんてお参りしてたん?」と聞いてみたら「生き返りますよーに」…大変なことになると思った。(黄泉がえり)

 また明日。子どもたちの世界は明日があります。別れてもまた会えます。おじいちゃんとの別れも,帰ってくると思うのが自然でしょう。でも,戻れない場所がお墓です。死という永久の別れがあることを,おじいちゃんは教えてくれています。明日の楽しみ,究極は天国に行くことでしょう。

 ●上記の★項のエピソードは「まぐまぐVOW」を参照しています。感謝!


 子どもたちの楽しみが商業ペースに乗って持ち込まれている現状では,楽しみがお金で買えるものになっています。自分の身の回りにあるさまざまな形の楽しみを教えるしつけが望まれます。今夜はママと絵本読み,明日の給食は大好きな献立,次の日曜日にはパパとお出かけ,いくつ寝るとお正月,・・・。でも,実際は,歯磨きしないと虫歯になるから,勉強しないと合格しないから,といった脅迫をしていませんか? 明日を怖がらせるのは子どもを萎縮させるだけです。

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