*** 子育ち12章 ***
 

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「第 25-10 章」


『子育ちは 人の付き合い あってこそ』


 ■子育て一言メモ■
『つながりの中にこそ幸せあり』

■幸せ観は多様ですが,共に幸せであるというタイプの幸せ観が人間社会を構築する基盤になっています。自分勝手な幸せには欠陥が潜んでいます。

■協調,連携,我慢,思いやり,その他さまざまな社会的価値は,人が幸せに生きていくための道標です。育ちに対しても希望に向かう道案内になります。

■生きている意味や価値を見つけたいなら,自分が居なくなったとき悲しんでくれる人を探すことです。子どもにとってそれは親です。親がいる,そのことが子どもにとって幸せの源です。

■遊ぶ金が欲しかったという理由で,人から奪おうとする不心得者が現れます。皆から奪うことでは幸せは得られないという社会的原則を幼いうちにしつけることが大切です。

■若者たちに携帯電話を離せないという風潮があるようです。ケイタイが命であるとまで言います。人とのつながりがそれでしか結べないという寂しい状況なのです。幸せに辿り着く道がとてもか細くなっています。子どもの周りには豊かな人間関係が必要です。

■「あなたは外で遊んでなさい」,「あなたは勉強だけしていればいいの」,「余計なことはしないで」。共同作業から追い出されることは,あなたは要らないという意味のメッセージになり,いじめと同じに疎外感を与えるだけです。幸せの扉を封じます。



【指針25-10:皆と生きていく幸せに向かい育っていきます!】


 ○こんなことはありませんか?

★同居しているお義母さんが,私の娘(4歳)のためにパンツのゴムをかえてくれました。裁縫の苦手な私はとても感謝しています。でも,このパンツ,私のです…。ゴムがゆるんでたんじゃないんです。私サイズだっただけです。きつくて入りません…。(かわいいうさパン)

 共同生活はお互いのためにと手間暇を持ち寄ることで成り立ちます。働くとは傍を楽(ハタラク)にすることと言われたりします。ときには行き違いも起こりますが,笑い話として流していけば,和やかさに変えていくことができます。

★先日家族旅行へ行った。単身赴任中の主人はとっても嬉しそうだった。「おとーさんの長年の夢がかなったなー」とにっこり。そこへすかさず,ちょっと反抗期気味の中1の娘が「長年って,5年くらいでしょう? 5年って長年かなー?」。上の娘が「鋭いねー!」。男親ってかわいそうだなと思った母です。

 子どもは無神経に残酷な言葉をぶつけてきます。お父さんなら大して傷つくことはないだろうと高をくくっているのでしょう。期待通りにドンと受け止めておけばいいのですが,一方でお母さんがお父さんの気持ちを伝えておく必要があります。この三角関係が皆で生きる幸せの基本形です。

★我が家で大ブームのテレビゲーム「太鼓の達人」。新作も手に入れ,親子で叩きまくっている。隠し曲として「君にロマンティック」なる情熱的な歌詞の曲があるのだが,小4の息子は,「あの曲すごく怖いんだよ。だって君を奪いたいとか,君を燃え上がらせたいだって。ね,すっごく怖いでしょ!」。子どもにとっては,情熱的でも何でもなく,それは誘拐や放火だったようだ。

 子どもは現実的ですから,言葉による抽象的なイメージは苦手です。特に恋という経験をしていないから,分かりようがありません。どうしてこんな怖いことをいう歌があるのか不思議でしょう。異なった世代の中で暮らす意味の一つは,今の自分には分からない幸せがあるということを知ることにあります。

★ぼくだけでなく近所の友達もですが,まだ小さかった頃は,生前良いことをした人は「天国」,悪いことをした人は「地獄」,普通の人は「中国」へ行くと思ってました。小学校低学年のときに中国は国名だと知りました。

 子どもは事ある毎によい子かわるい子と大人から言われています。それはとてもきついことです。普通であれば十分ですが,それはたくさんの子ども中でしか現れません。一人なら良いか悪いかとしか見えません。普通の人はどうなるのか,大人は考えたこともないでしょう。行くところがないようですが?

★娘(4歳)が公園で砂遊びをしてお団子とか食べ物を作って遊んでいました。お友達に「これなあに?」って聞くと,それぞれ「カレーライス」,「ハンバーグ」と答えてくれるのに,うちの子は「砂っ!」…そうなんだけど。

 子どもはごっこ遊びをして生活のあれこれを覚えていきます。ところが,そのごっこに冷めていると友だち関係が円滑にいかなくなるかもしれない。そんな心配がかすかに感じられます。でも,ママだから「砂っ!」と答えたのかもしれません。幼く見られたくなくて? 皆の中で自分を意識することがあります。

★わたしの弟は小さい頃,両親の結婚式の集合写真を見て「僕がおれへん!」と言っていました。おれへんよな…。

 子どもは今しか知らないので,今いる人はずっ〜といるものと思っています。アルバムに関しては,子どもがよく言うことです。ご近所で赤ちゃんが誕生するようなことに出会えば,途中から人が登場する幸せを知ることができます。皆の中で育つ,それは地域社会の中で育つということでもあるのです。

 ●上記の★項のエピソードは「まぐまぐVOW」を参照しています。感謝!


 メールによるいじめもあるそうです。メールは話と違って消えないというしつこさがあります。取り消しができませんし,簡単に広まってしまいます。さらに,メールアドレスは個人に結びついているので,受信したメールは直に心に届くような感じがあるのでしょう。親しさのホットラインになると同時に,逆用されると深い傷を受けることになります。ケイタイの使用に対する留意は,アダルト情報や詐欺などへの防衛策以外にもあるようです。

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