*** 子育ち12章 ***
 

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「第 25-11 章」


『子育ちは 過ち正す 体験で』


 ■子育て一言メモ■
『失敗は育ちの芽』

■失敗は育ちの源。育ちとは失敗を重ね,失敗しなくなるように進みます。立って転んで,立って転んで,転ばなくなるようになったとき,立っちができます。転ぶのを恐れて立とうとしなかったら,いつまでも立てるようにはなりません。

■挫折を知らない子どもは,ひ弱になるといわれてきました。小さな失敗に直面して,もう一人の自分が反省をすることができれば,ぐんとたくましく育ちます。めげない育ちはめげるような経験をすることでスイッチが入ります。かわいそうと思って庇い立てはし過ぎないように!

■過保護とは,小さな失敗も経験できないように直接的に庇うことです。保護とは,多少の失敗はさせながら,大きな失敗にならないように間接的に守ることです。ちゃんとできないから叱る,それはしつけではなくて,失敗させないという過保護的強制になります。

■子どもは粗相をして迷惑を掛けてしまうことがあります。一緒に淡々と後始末をしてやります。謝る必要があるときは「ごめんなさい」をしつけます。してはいけないことであれば,二度としないように注意します。しくじっただけであれば,大目に見ておけばいいのです。

■家庭生活のあらゆる面で失敗を乗り越えておけば,くらしの力が身につきます。遊びの世界でたくさんの失敗を経験しておけば,社会力が身につきます。勉強の場では間違いをすればするほど実力が備わります。失敗すれば失敗を避けることができるようになるからです。

■子どもは失敗ばかりします。はじめてのことをする前には練習がつきものです。練習中は失敗とはいいません。練習の期間は子どもそれぞれに違いますし,あることは長くても違うことは短くなったり,育ちのペースはさまざまです。



【指針25-11:失敗のある体験を積み重ねて育っていきます!】


 ○こんなことはありませんか?

★先日考え事をしていたら,車をスーパーに忘れてきました。重たいものを買うのでわざわざ車ででかけたのに。自宅目前で気づいた私は荷物を提げたままスーパーに戻りました。重ね重ねアホやん?!

 念のために。重い荷物は家に置いて身軽に車を取りに行けばよかったのですね。おそらく初めての失敗だったのでしょう。不都合なことに直面したとき,経験済みのことであれば難なく対処ができるはずです。お使いに行った子どもが自転車を忘れてくる,そんな経験をさせておきましょう。

★「決戦の火蓋を切る」というのは,「決戦の日,ブタを切る」だと思っていました。戦いの日にブタを切って勝利を願うという風習が,昔どこかにあったのだろうと勝手に納得してました…。

 火蓋。耳慣れない言葉は知っている言葉に誤解釈されます。自分なりに納得しようとするからですが,ブタを切るといった想定外のことは昔どこかのことと未知の世界に押し込めるしかなくなります。親子の会話の中で勘違いを知らせておかないと,知らないままでは大きくなって恥をかきます。

★最近,うちの娘(4歳)は学習机やピアノなど,かさばるものを欲しがるので,「うちは狭いから置くとこない」と却下してきた。しかし先日彼女はいいことを思いつき,お父さんに提案した。娘「そうだ!大きいおうち買ったらいいじゃん」。母「(いいぞ!いいぞ!)」。父「どんな家?」。娘「机持ってるSちゃんちとか、ピアノあるH君ちとか…」。それって,みんなうちと同じ間取りの社宅仲間だった。

 住居は使い方で広くも狭くも一変します。子どもの要求を拒否する理由として,部屋が狭いという物理的な条件を持ち出すのはよくあることです。仕方がないと思わせられる強い理由になるからです。親の決定責任に対する気持ちの負担も感じなくて済みます。でも,言い逃れは失敗の元ですね。

★私は小学校の教師です。以前国語のテストに漢字の書き取りで「腕力(わんりょく)」・「羽毛(うもう)」を出題したところ,一人の子が「犬力」・「羽牛」と答えていました。○も×もつけられず,大きな☆をあげました。

 子どもの失敗には,楽しい失敗がたくさんあります。思いもしない発想を突きつけられて,妙に感心させられるときもあります。犬力,羽牛と書きながらどんなイメージを描いていたのでしょうか? 大人の頭には☆が点滅します。まず☆印をあげて,その次に正解を教えておきましょう。

★まだ「す」と「し」がちゃんと発音できない2歳の娘。毎晩読み聞かせている童話を得意げにマネて,「むかしむかしあるところに,おじいさんとおばあさんがしんでいましたー。おーしまい」と言って明るく喜んでいるが,その後に「さ行」の猛特訓を受けている理由までは理解していない。

 おじいさんやおばあさんに面と向かって言われたら,ママは立場上困ります。慌てますよね。ちょっとした失敗を見つけて猛特訓。失敗したから見えてきました。失敗を見つけたら,咎めるのではなく,正してあげるようにします。子どもにはなぜそうするのか訳が分からなくても。

★息子が1歳半のころ。近所の人にキャンディをもらったので「こういう時は何て言うの?」と聞くと,彼は手を差し出し「もう1個!」。ママはそんなこと教えた覚えはありませんよ。

 子どもは正直です。正直すぎることもあり,お外では慌てさせられます。育ちが進むと,教えた覚えのないことを覚えていきます。子どもはあらゆる場で学んでいるからです。「こういう時」という経験を日頃から持てるように,人づきあいをたくさんしましょう。

 ●上記の★項のエピソードは「まぐまぐVOW」を参照しています。感謝!


 大人からしくじりを責められからかわれて育った子どもたちは,仲間内にまでしくじりは無能の証という錯覚を持ち込んでいきます。お互いに励ましあうべきなのに,それができないというのは,大人がし向けて経験させていないからです。人を責めることしか知らない,そういう育て方をすることで,子どもの社会性を封じ込めてしまっています。人を傷つけることが正しいつきあい方であるとしつけられた子どもが不幸です。

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