*** 子育ち12章 ***
 

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「第 25-13 章」


『子育ちは 皆と関わり 支えられ』


 ■子育て一言メモ■
『育ちは幸せを目指している』

■何をしても「自由」でしょ! その自由が時として,自分勝手という意味に曲解されていることがあります。その要因は,皆を幸せにするという前提を弁えていないことです。自分だけではなく皆を慈しむことができたとき,幸せに向かう自由の道は開かれていきます。

■皆を幸せにという願いは身の丈に抑え込んでおくことが大事です。情報化・国際化の中で遠くにいる人にまで広げすぎると,自分の身近にいる人をないがしろにしますし,なにより無力感を引き寄せることになります。

■今の子どもたちに欠けている人間環境は,かばいかばわれる関係です。少子化の中で年長・年少の関係が家庭から消えて,学校では同年齢の括りの中に閉じこめられているために,かばうという体験が皆無です。年少者の面倒を見る,そこから他を慈しむ温かい育ちが芽生えてくるはずです。

■公共という意識が廃れてきました。所構わずポイ捨てをするなど,公共を利用するだけで,公共を維持するためにできることを出し惜しみしています。人に迷惑を掛けないようにという気持ちはもちろん,人の役に立てばというささやかな優しさが,皆を幸せにする道標です。

■今年はいじめが大きな問題として大人に突きつけられました。いじめをしていることを何とも感じない,いじめと思わない無分別が蔓延っているようです。人の苦しみや悲しみに対する感受性が育っていません。甘やかされた結果です。甘やかしは周りの皆から搾取することをしつけるからです。

■ひとりぼっちの幸せはありません。幸せは寂しがり屋さんなのです。皆と一緒にあることが,幸せの器です。その器にそれぞれが小さな幸せを持ち寄ってくれば,より大きな素晴らしい幸せに向けた発酵が進みます。その基本形が家族なのです。



【指針25-13:自分を慈しみ皆を幸せにして育っていきます!】


 ○こんなことはありませんか?

★6歳のうちの息子に話しかけたら無視されたので、「ムシか?ムシか?」と言ったら「いいえ、動物です!」という返事が返ってきた。さらにひと言「そして、ねずみです!」と。ねずみだったのか…。

 ネズミになったつもり。手当たり次第に自分以外のものになりきる経験,つもりごっこがもう一人の子どもの育ちの証です。自分は男の子である,女の子である,お兄ちゃんである,お姉ちゃんである,パパ・ママの子である,そうやってもう一人の自分が自分を育てていきます。

★我が娘(2歳)は、教育テレビ『おかあさんといっしょ』のことをなぜか「おにいさんといっしょ」と言います。いくら訂正しても直りません。確かにいつも一人で見てるから「お母さんと一緒」じゃないよね・・・(涙)(家にお兄さんはいない)

 子どもにとって,誰かと一緒にいるということはとても大切なことです。ひとりぽっちではない,それが安心というものの根源であり,育ちに向けた意欲のスイッチをオンにするからです。寂しければ閉じこもり,育ちは止みます。皆と一緒,育ちの種が畑に蒔かれます。

★うちの6歳の次男は言葉の言い間違えがとても多い。先日も、台所で遊んでいた三男の様子をみて、「○○ちゃんが"ねっとり"してるよ」と、隣りの部屋にいた私を呼びにきた。ん、ねっとり?悪戯をして油でもかぶったのか!?とびっくりして見に行くと、そこには熱を出して"ぐったり"とした三男がいた。

 熱を出してぐったり=ねっとり? 言い得て妙です。弟が普通でない,それを異変と感じママに知らせる,気配りがちゃんとできるいい子です。自分が見て感じたことをそれなりに言葉で表現して伝えることができています。お兄ちゃんとしての自分を育てました。

★まだ授業では漢字を習っていない娘、小学1年生。ある日私の読んでいた雑誌を横から見て叫んだ。「うち、この漢字読めるよ。これって「こころ」って書いてあるんだよね。うちねぇ、こころって大好き。だってあったかい感じがするもんねぇ…」と、うっとりした様子。確かに「こころ」ならあったかいかもしれないけど指差したそこには「心霊特集」の文字が…(かあやん)

 心。心臓の形にかたどる象形文字です。心臓に精神があると考えられて「こころ」になりました。直感的に温もりを昔の人と共感しています。温もりという抽象的な価値観を文字に託して知覚できました。心という文字を見る度に,自分の中の温もりを再確認できます。価値観をきちんと育てています。

★先日、妹の授業参観があった。私の学校は完全5日制なので、暇つぶしと母校の先生への挨拶もかねて行ってみた。妹のクラスへ向かう途中、廊下に国語の時間に作ったらしい俳句が張り出されていた。みんな好きなことを書いていて、どれも個性的だったが、そのなかのひとつ。「夏休み 何もしないで 終わるんだ」…しっかりしろ、小学生!

 休みはあれやこれや楽しいことをして過ごします。何かを成し遂げる働きの時ではありません。何かをしたという結果が見えなくても,いろんな経験という形で土台を積み上げています。基礎づくりの段階で,何も見えてくるはずもありません。明日を楽しみに待てばいいのです。

★先日、中一の娘と学校の三者懇談に行った。二学期の成績がかなり落ちていたので、先生から「どうしたの?」と聞かれた娘は「部活をがんばりすぎました」と理由を言っていた。懇談の最後に先生から「では、ここで三学期に向けてがんばりたいことを宣言してください」といわれた娘は、「部活をがんばります!」と力いっぱい宣言していた。(先生もずっこけていた)

 話の流れ,前後の脈絡がすっかり途切れています。このようなぶつ切りの話し方は,若い人の特徴です。この傾向は逆に,話の流れについていけないことにもなり,授業での先生の話を聞き取りもできないことになります。弱点が見えたので反省して,読書をがんばりましょう。

 ●上記の★項のエピソードは「まぐまぐVOW」を参照しています。感謝!


 戌年最後のマガジンです。同時に,子育て羅針盤第25版も終わります。酉年の第26版は定期の月曜日であるお正月1日のお届けになります。特別にお目出度い号ではなく,ごく普通の内容のままですが,モデルチェンジをします。松の内を過ぎてからゆっくりとお読み下さい。

 12月19日のめろんぱんレター(vol.378)において3誌限定「今週のオススメメルマガ」の欄で「子育て羅針盤」が推薦されました。小さなメルマガですが,認めてくださることは何よりも励みになります。来年もがんばって書き続けてまいります。

 冬休みは子どもたちにはウキウキする楽しい日々ですが,家庭の仕事は何かと忙しないものです。しっかりとお手伝いをさせてください。そして,「ありがとう」を忘れないように。
 お正月は仏様としての年忌法要を過ぎて神様になったご先祖様をお迎えする日です。命の連鎖をじっくりと確かめてください。

みなさま,どうぞよいお年をお迎えください。

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