*** 子育ち12章 ***
 

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「第 27-02 章」


『子育ちは 自分と同じ 仲間いて』


 ■子育てショートメモ■
『子育ちの第2方位』

 子育ちの第2方位は,誰と育っているかという指標です。
  動物は親と一緒でなければ育たないという事例があります。
   人は人と一緒でなければ人として育つのは難しいでしょう。

 世間には,良くも悪くも,この親にしてこの子ありということがあります。
  親を見習うという育ちは,もう一人の子どもが親の目を持つことです。
   親はどうしているかを見て,自分を同じように振る舞わせます。

 公園で遊ぶよその子どもをじっと見ている,もう一人の子どもがいます。
  犬が吠えている姿と声を覚えて,自分に真似させてみようとします。
   ヒーローを真似て,ヒーローになる自分を誇らしく育てていきます。

 ママのお腹に赤ちゃんがいると,ボクはお兄ちゃんと思うようになります。
  パパに対して,ママと私は女性なのと自分を自覚していきます。
   人には名前があることを知り,同じだけど違うことを感じ取ります。

 よその家に遊びに行って,行儀よくしなければと我慢を覚えます。
  ブランコ遊びでは順番を待って友だちと仲良くしなければなりません。
   信号に従わないと危ないといった暮らしのルールを守ろうとします。

 もう一人の自分が他者を意識して,自分は何者かを理解します。
  自分の思い通りに振る舞ってはいけないことがあると教えてください。
   皆の中の自分という意識を持たせることが社会性のしつけです。



【指針27-02:自他の関係を意識化できる機会を与えてください!】


 ○比較から類別へ

 人見知りは相手の思いが分からないために,間合いの取り方が見えないので不安になるからです。ママ以外の人に出会い,ママとは違って必ずしも優しくないことを経験します。優しい人とそうでない人がいる,ではそれをどう見分ければいいのかが問題です。しばらく様子を見ることにします。その待ちの間に相手から近づかれると,緊張が高まって泣き出すことになります。この人はママと同じに安心してよい人かそうでないか,比較から類別に至る時間が必要です。

 流行を追い掛けるのは,今を生きていることが感じられるからでしょう。新しい物がよくて,古い物は遅れているという割引がなされます。人に見られる自分を飾ることで,もう一人の自分のおしゃれ感覚を表現しようとしています。時流に乗ることによって,仲間として認められ,仲間以外の人と一線を画すことができます。人と同じでありたく,同じでありたくないという二重性があります。皆の中での自分を意識するからです。

 思いやりは,もう一人の自分が相手の立場になって,相手の目で自分がどう見えるか,相手は自分に何をして欲しいかを思いめぐらすことです。自分の言葉が相手にはどう受け取られるか,自分ともう一人の自分が対話をするようにすれば,言葉の行き違いも少なくなります。他者への共感ができるとき,自他のつながりはしっかりしたものになっていきます。親が友だちや人の気持ちを代弁してやることで,もう一人の子どもは人づきあいの形を覚えていきます。

 空や海や山といった自然の大きさに向かうと,自分の小ささを実感します。このちっぽけな自分,人間の小さいことを思えば,大層にあれやこれや思い悩んでいることが些細なことに見えてきます。大きなものとの比較から,小さなもの同士という類別に進みます。人はいろんな面から自他を比較して,何か同じ点を見つけると親近感が湧いてきて仲間として類別します。大切なことは,大きな比較対象物を心の中に持っておくことです。それが心の広さにつながります。

 もう一人の自分は,自分を素直に分かっていなければ,自分を生かすことができません。自分を知るということは,他者と関わりを持っている自分を認めることです。自分は特別な存在と思うのは思い上がりであり,自分はダメな人間と思うのも誤解です。他者の良いところを見つけることで,それができる自分の良さを自覚させてください。努力している他者と自分,頼りない自分と他者,みんなそれぞれに一所懸命,人間っていいな,そう思わせるように自分に向き合わせてください。



 携帯を離せない人がいるようです。携帯で人とつながっています。携帯でつながっているから,場所でつながる必要がないと思い始めています。プチ家出に解き放たれていく子どもがいます。親は子どもが家にいなくても携帯を持たせているからいつでも連絡がつくという風に,自分を安心させています。家が落ち着く場所ではなくなっているのは育ちには良いことではありません。彷徨わないようにしっかりと居場所を与えておくことが,親の務めです。居場所について考えます。

 悲しいときは思いっきり泣くがいい。うれしいときは大粒の涙で輝やこう。泣く子は育つ。涙を流すことで,心が潤うのかもしれません。育っているのは,もう一人の子どもです。子どもたちは今泣くことを忘れているようです。泣ける場所が無くなっています。子どもが泣いていい場所を持てば,どんなにか安心できるでしょう。逃げ場所,引き込んでよいところ,それが子どもの育つ畑になります。抱きしめてあげませんか?


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