*** 子育ち12章 ***
 

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「第 28-12 章」


『子育ちは 生きる学びに まっしぐら』


 ■子育ち基礎力概要■
『子育ちの第12基礎力』

 この号で取り上げる社会人12基礎力は「計画力」です。その内容は,「課題の解決に向けたプロセスを明らかにし準備する力」で,「例えば,課題の解決に向けた複数のプロセスを明確にし、その中で最善のものは何かを検討し、それに向けた準備をする」と表されています。社会生活上の課題を解決するには,段取り,工程があります。順序よく事を運ぶためには,流れ,プロセスを把握しておかなければなりません。計画とは時間の流れの上に組み上げるべきものです。

 子育て羅針盤では,子育ちの第12基礎力を「学習を実践し挑戦する力」と考えています。失敗の原因が見えると,なすべき課題も明らかになりますが,だからといってその解決への対処がすんなりと進むとは限りません。課題は見えても,どうすればいいのかが分からないことが普通です。失敗を乗り越えてきた先輩諸氏から受け継ぐ学習の実践が「十分な要件」となり,育ちの課題ごとの仕上げになります。具体的には,挑戦する力,実践的な計画力という指標が想定できます。

 失敗をすることで自らの実力の限界が明らかになります。ここまでしかできないという至らなさを自覚することができます。できるようになるためには,どうすればいいのかを考えて,クリアすべき目標を設定しなければなりません。今自分は何をすべきかという課題に取り組むことになります。先ずはここからという手がかりを見つけて,その方策を周りの人から学び,真似ることです。真似て挑戦することで,実力は少しずつ伸びていきます。

 習うより慣れろ。一にも二にも練習あるのみ。その内容は,自分でやってみなければどこができないか分からない,できないところが見つかれば見よう見まねでよいからとにかくあれこれやってみる,そのうちにコツがつかめるようになる,という経験則です。いささか乱暴ですが,基本を身につけるにはそのようなやり方もあるということです。自転車に乗れるようになるためには,何回か転けても乗ってみることの繰り返しでクリアしていきます。

 とりあえずできるようになるには,我流でもなれます。しかし,ちゃんとできる,上手にできるためには,学びが不可欠です。お絵かきでも,学べばそれらしくなります。いろんな学びの機会や場に飛び込んでいくことで,育ちはより良い方向に伸びていきます。どんなことにもちょっとしたコツが必要です。多くのコツは考えて分かるようなものではありません。経験者の貴重な知恵を学ぶしかないのです。そこから新しい挑戦が始まります。



【指針28-12:育ちには,学習を実践し挑戦する力が十分な要件です!】


 ■子育ち支援メモ■
『賢い学び』

 すればいいでしょという投げやりな気持ちでいい加減な仕方をしていると,きちんとすることができないままに成人していきます。お里が知れるという影の声がありますが,しつけが中途半端で,所作がぎごちない,不作法に見えるからです。一連の動作にゆとりが感じられないのは,間をつなぐ気遣いが無駄なものとして省かれているせいです。例えば,マナーにはちょっとした余計な手間が随所に込められています。流れるような動作,ママの美しい所作を仕込んでください。

 学校を教えるところ,教わるところと勘違いすることがあります。そこでは,先生の教え方が上手か否かを問題視します。しかしながら,考えるべきことはそれだけでは済みません。学校とは学ぶところです。学ぼうとする児童生徒がいて,学校は成立します。例えば,教科書を読んで大半を理解できるが,「ここが今ひとつ納得できない?」と疑問をもつことが学ぶ姿勢です。先生の教えに「そうか!」と気づきが生まれ,学ぶ感動が味わえます。教えを待っていては,学びはできないのです。

 学びはとても大事なものですが,一つ困ったことがあります。それは初味が苦いということです。好んで味わおうという気にはなれません。そこで無理矢理学ばせる強攻策が採用されます。それが勉強です。しなければならない学びになりました。試験という形で問題を突きつけられます。何とか答えなければという状況に追い込まれると,頭を振り絞って考えます。その悪戦苦闘の時間が学びになります。慣れてくると,苦みが薄れ,学習の味が分かるようになります。

 野球をしたいときに,いきなり松井やイチローのようにはなれません。なろうとしてもとても無理で,無力さを思い知らされるだけです。身近にいる先輩を見ればいいのです。あれだったらできるかもしれない。その見切りができれば,挑戦することができます。練習も学びも,もうちょっとというところですることが大事です。先を急がずに手に届くところを目指していく,それが上手な挑戦なのです。60点なら65点を,一気に100点は挑戦ではなく無謀です。

 物事が順調に運ぶということはありません。時間が足りなくなったり,別の要件が飛び込んできたり,必要なものがなかったり,壊れたり,いろんな不測の出来事もあります。そんなとき,どうすればいいかを考えます。考えるという行為は何とかしようという意図に付随するものです。その考えるという能力は学びによって培われるものです。考えるのが面倒,それは逃げていることになります。後ろ向きでは,生きている意味を見つけることはできないでしょう。自棄になるだけですから。



 最近の世情を眺めていると,人が生きづらくなっているのではと感じます。世間で言われている格差のような経済的な面ではありません。人と人との関係が壊れているようなのです。自分のことは自分で,有名人以外の周りの人のことには興味がないから,見聞きしたくないし,ましてや構わないでという姿が気になります。人と関わることが怖いようです。関わると余計なことに巻き込まれるということでしょうか? 人のぬくもりは関わる勇気を持たないと分からないものです。

 小さい子どもたちのお母さん。あまり時間はありません。すぐに親離れするようになります。今のうちに,たくさんの思いやりを注いでやってください。すぐには効果は現れませんが,人としての根っこがきちんと張られるます。真っ直ぐ育つか,途中で曲がりくねってしまうか,後で取り返しはつきません。大きなお子さんには大きなお子さんに向けた支えも待っています。今できることは後ではできないことです。逆に明日にすべきことを今日に持ち込むのも適時性を損ないます。


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