*** 子育ち12章 ***
 

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「第 28-13 章」


『子育ちは 人に揉まれて 丸くなり』


 ■子育ち基礎力概要■
『子育ちの第0基礎力』

 この版で取り上げてきた社会人12基礎力は,3つの領域に分けられています。「前に踏み出す力」(アクション)」〜一歩前に踏み出し,失敗しても粘り強く取り組む力〜,「考え抜く力」(シンキング)」〜疑問を持ち、考え抜く力〜,「チームで働く力」(チームワーク)〜多様な人とともに,目標に向けて協力する力〜となっています。特にチームで働く力については,「職場や地域社会等では、仕事の専門化や細分化が進展しており,個人として,また組織としての付加価値を創り出すためには,多様な人との協働が求められる。自分の意見を的確に伝え,意見や立場の異なるメンバーも尊重した上で,目標に向けともに協力することが必要である」として,6つの基礎力が挙げられています。

 子育て羅針盤で述べてきた子育ちの第12基礎力は,異なった基準で定義しているので,社会人基礎力とは並び順が違います。ただし,これまでに対応を見てきたように,個々の力については本質的な違いがあるわけではありません。特に子育ての場面では,子育ち12基礎力の育成を視野に入れておけば大丈夫です。ところで,社会人基礎力ではチームで働く力が最も多くの力を挙げていましたが,子育ち12基礎力では人の中で育ちがあると考えて偶数番号の力を挙げておきました。

 最近の世情を見ると,不登校やいじめの子どもたち,ニートやフリーターという若者,訳もなく人を襲う変な人,後を絶たない飲酒運転者,傍若無人な○○詐欺や悪徳商法,数え上げればいくらでも出てくる人間関係の不適応があります。サラリーマン社会でも,会社での人間関係への不適応が離職の大きな原因になっているようです。渡る世間は鬼ばかりかもしれませんが,もっとうまく立ち回る力を備えることが必要なのでしょう。

 子どもはいろんな人と出会い,いろんな人がいることを知り,いろんなつきあい方があることを学びます。優しい人もいればこわい人もいる,よい人もいればわるい人もいる,賢い人もいれば愚かな人もいる,その狭間に立ち会うことで,自分がどんな人か,どんな人になりたいのかを見つけることができます。でも今の子どもたちは,親と先生と同級生としかつきあいがありません。早く言えば,温室育ちです。自分を見つけられない状態にあるので,人間関係は上手にはなれません。

 幅広い人とのつきあいから何が学べるのか? それは生きていく上で必要なすべてです。学校の教科のように「○○ができる」という形に整理することはできません。また,整理しても意味がありません。きりがないからです。人に揉まれて人らしくなっていく,人と交わることが人生の学校とだけ思っていればいいでしょう。中途半端に賢いと,それをしたらどんな効能があるかと問いたくなります。簡単に効能が見えるほどの劇的効果に頼らない方が育ちには無難なのです。



【指針28-13:育ちには,他者と関係し成長する力が大事な要件です!】


 ■子育ち支援メモ■
『つきあいあれこれ』

 人付き合いをしていると,ちょっとしたこじれが起こることがあります。そんなとき「あんな人とは思わなかった」という嘆きが聞こえてくるかもしれません。相手を責めたくなりますが,思わなかった自分のうかつさもあります。人間関係はフィフティ・フィフティと覚悟していた方が無難のようです。自分は悪くない,相手が悪いと思う方が楽ですが,それではまた同じような目に遭うことになります。次に備えるための学習は自分を振り返ることから始まります。

 がんばっている人は,敬して遠ざけられます。どうしてでしょうか? がんばっている人は,がんばっていない人を見下すからです。その実,人がそれなりにがんばっていることを見ようとしていません。自分だけががんばっていると思わなければならないからです。周りにいる人は口には出しませんが,ドウゾ勝手にがんばっていなさいと突き放したいと思っています。人にがんばりを押しつけてはいけません。がんばるとは自分のことだからです。優しくなければ,誰もついてきません。

 やたら甘えてくる人がいます。甘い顔を見せたら,つけ込まれます。いい加減にして欲しいと手控えると,恨まれてしまいます。筋違いなのですが,人の思いはやっかいなものです。落ち度はなくても,何とも後味の悪いものです。そんな目に合うのが嫌だから,人付き合いは控えた方がいいということになります。そうして自分を閉ざすのは賢明ではありません。甘えたつきあいを封じ込めるだけでいいのですから。楽しい人付き合いをするためには,自立したもの同士にすることです。

 人の思惑を気にする人がいます。自分がどう思われているか気になってしまうのです。何か目立ったことをしなくてはならないとき,人から何を言われるか分からないと恐れます。自分の立ち振る舞いをチェックするためには人の目を持つことが必要です。でもそれ以外に,人の思惑は考えても仕方がないことです。人が何を考えようと自由であり,頭の中までとやかく言えるものではありません。自分を信じていくしかありません。分かってくれる人が必ずいます。

 子育てとは関係なさそうな話をしてきましたが,大人の姿を見て子どもは学びます。してみせる,それは大事な子育てになります。ところで,人付き合いの輪をいくつか持っておくことが,生きることを楽にします。勤め先しか交友がない人は,そこがうまくいかないと万事休すです。子どもも同じで,クラスメート以外の友達関係をいくつか持っておけば,追い詰められることはなくなります。ここしかないという背水の陣は無理をすることになりやすいのです。



 この号で第28版を終わります。社会人基礎力にならって,子育ち12基礎力についてまとめてきましたが,いかがでしたか? 我田引水ですが,この羅針盤の12指標が的を射ているという傍証になっていました。さて,次号からは,当然のことですが,第29版に入ります。12基礎力の育ちを促す子育て上の留意点について整理をしておくつもりです。もちろん,従来の12指標から外れるものではありません。お楽しみに・・・。

 人の不幸を笑ったり,困っている人をあざけったり,病気の人を敬遠したり,お年寄りを疎んじたり,そんな冷たい人は近くにいて欲しくはありません。でも,見ず知らずの人に対しては,無意識にそう思ってしまう世情もあります。中学生が大人は汚いと言います。マスコミで報じられる不祥事を見ていると,大人は皆同じようにずるくていい加減だと思わせられていきます。身近にいる本物の大人を知らないのです。素晴らしい隣人を知り合いにすることを忘れていないでしょうか?


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