*** 子育ち12章 ***
 

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「第 33-03 章」


『子育ちは 人との縁を つなぎつつ』


【心象33-03:自分と他者のつながりの中で安心する子ども】

 ■子育ち12心象■
『子育ち第3心象』
〜母と離れて人のぬくもり見つけ〜

※2才8ヶ月の娘に色々質問してみた。パパの名前は? 「やまだまさあき!」と即答。じゃぁ,お母さんの名前知ってる? しばらく考えた後に出てきた答えは…。「やまだおかあ!」。"さん"が敬称だということは分かっているようです。(おかん)

 人にはそれぞれ名前があるということを理解できるようになれば,もう一人の子どもが誕生しています。自分のことを名前で呼ぶことができます。パパは自分とは違う人として認識するので,名前が自然に覚えられます。ところが,ママは自分と一心同体であるという母子一体感がまだ残っていて,違う人という思いがありません。おかあさんと呼びますが,別人格とは感じていないので,名前はいらないのです。母子分離の過程の途上です。

※末の息子が3歳の頃,「ボクママと結婚する』と嬉しいことをいってくれた。残念ながら「嬉しいけど,実はママはもうパパと結婚してるからキミとは結婚 できないんだ」と答えたら,「え?そうだったの?!」とびっくりしていた。(hal-3)

 子どもにとっての結婚の意味は一体感です。そろそろママと自分は同じではないと感づいてきて,分離不安が訪れます。その不安を解消するために,結婚という新しい一体感を確保しようとします。ところが,大好きなママはパパと結婚していると言われて,不安解消ができなくなりました。一人で放り出されたような思いになります。子どもが通らなければならない育ちへの試練です。居場所がママの懐から家族という世界に大きく変わるのです。

※2週間遅れて帰省した主人にベッタリの4歳の息子。「なんでそんなにおとうさんにくっついてくれるの? 久しぶりに会えて嬉しい?」と上機嫌の主人,「だって,おかあさんは用事してて,ばぁばはトイレで,じぃじはパソコンで,ねぇねはしんどくて寝てるから…」。(ヒマなのはおとうさんだけ)

 子どもにとって,パパの順位はこの程度? 仲良し関係は,それでいいのです。男の子にとって,父親とのつながりが濃くなるのは,もうちょっと後になります。いざというときに頼ることのできる父親,そういう存在であることが父親の役割です。そのためには,ママが父親を頼りにしているということをそれとなく知らせてやるようにします。父親は家庭でのんびりする姿だけではなく,頼られる姿を見せるようにしたほうがいいでしょう。

※先日,6歳の長女からこんな手紙をもらいました。『ごめんなさい おかあさん。もう あんまり ちゅういしないで。まあちゃんは おかあさんが だいすきです。でも ほんとうは うそです』………「どこが嘘なの?」と聞くと,「ん?『だいすきです』のとこ」。ちょっと泣きました……。(めめ)

 100点満点の好きではないということでしょう。好きだけど,ちょっと好きでないところがある,90点の好きもあります。ちゅういされることは,しかたがないと理解はできても,嫌なものです。好きではないけど,注意してくれることが自分への愛情であると感じるまでには,もう少し育ちが必要です。人とのつながりを好き嫌いの物差しだけで見ることから卒業しようとしています。子どもの言葉は説明不足ですが,心理的な居場所を模索しているのです。

※娘が1歳のとき,託児所から帰って抱っこしていると,胸に顔を埋めてきました。わが子ながら可愛いなぁと思っていると,いきなりティッシュを手に取り,丸めてブラの中に詰め始め…。何枚か詰めた後に,手で確かめ満足そうにうなずいた後,また胸に顔をうずめていました。託児所の先生って,巨乳なのね…。(ぷ〜)

 ママの胸に抱かれること,子どもにとって最も安心する居場所です。ママから離れて,なんとなく不安であった気持ちを癒そうとして,身を預けて安心を取り戻しています。そのママの胸ですが,やはり肌触りの良さが気になるのでしょう。ふっくらした感触を覚えてしまったということが,正直に現れています。それにしても,ティッシュを詰めるという所作を,どうして知っているのでしょう? さすがに女の子?




 子どもの人的世界を豊かにすることが大切です。身体の健康には栄養バランスが大事であり,食物の多様性が求められます。食育です。心の健康には感性のバランスが必要であり,そのためには人との多様なつながりが不可欠です。親兄弟,同級生と先生,それだけの世界では心の偏食になります。狭い世界に住むから,窮屈になり,無理をして疲れるのです。隣人や大人との付き合いがあれば,そこに大きな居場所を見つけることができます。

 ジャイアントパンダ=大熊猫。レッサーパンダ=小熊猫。ちなみに,パンダとはネパール語で「竹を食べるもの」という意味です。ところで,最初はパンダといえばレッサーパンダのことでした。先に見つかったからです。後から見つかったジャイアントパンダも竹を食べるのでパンダと呼ばれるようになり,有名になりました。区別するために先輩パンダをレッサー(より小さい),後輩パンダをジャイアントと呼んでいます。元祖パンダはレッサーパンダです。


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