*** 子育ち12章 ***
 

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「第 34-07 章」


『子育ちは 持てる力を 惜しまずに』


【設問34-07:自分を生かすための能力とは何でしょう?】

 ■子育ち12設問■
『子育ち第7設問』
〜できる能力〜

 はつらつと行動できる子ども。そんな子どもに育って欲しいですね。遊ぶときは元気がいいのに,手伝いや勉強になるとグズグズすることがあります。能力の使い方が片寄っています。好きこそものの上手なれ。子どもが好きなことは思うようにさせておけば,力は伸びていきます。ところが,力というのは使わないと伸びませんし,かえって退化していくという性質を持っています。好きなことだけに偏向することは,基本的能力の育ちにはよくないでしょう。

 何かをするというとき,「したい,したくない」,「した方がいい,しない方がいい」,「しなければならない,してはいけない」という3つの選択肢があります。さらにもう一つの大事な前提要素,「しうる=できる,しえない=できない」という区別があります。能力とはよくできる力ですから,できるかできないかは能力の有無ということになります。育ちは,できる能力を増やしていくことです。

 仕事とは,仕=する+事であり,できることです。履歴書は何をしてきたかという記録ですが,同時に何ができるかという能力の表明でもあります。こんな仕事がしたいという前に,それができる能力を身につけることが先です。昔は仕事場に能力を育てる暇と余力がありましたが,効率という価値評価によってそぎ落とされてしまっています。能力は個人が予め備えておくものという世の中になっています。社会の教育力はなくなっています。

 生きていくことは,好きなことをしていれば済むことではありません。しなければならないことができなければなりません。それはほとんどが面白くないことです。子どもにとっては,勉強がよい例です。強いてさせなければ,能力は備わりません。できる能力が少なければ,生きる力は割引されていきます。必要な能力を身につけさせるためには,せざるを得ないような環境設定が必要になります。もちろん,追い詰めるようなことは厳禁です。

 やってみると思いの外面白いとか楽しくなるということがあります。してみないと分からないということが普通です。食わず嫌いということがありますが,せず嫌いもあります。しなければならないと我慢してやっていると,少しずつできるようになり,楽しいことが見つかるようになります。そうなると好きになるので,どんどん上達していきます。はじめから楽しく面白いことは大した能力ではありません。苦労や我慢の先にある能力が本物です。

 お手伝いをしなければならないからと嫌々していては,「すればいい」と投げやりになります。「どうせするならちゃんとする」という覚悟が,とても大事な気持ちです。仕事でも「いい仕事」をすることが大人の生き方です。いい加減ではなく,気持ちを込めてやり遂げるという習慣は,早くから身につけておくべきことです。できるのにしないという出し渋りではなく,できるだけのことをする,それが誇りであると思うように育てたいですね。

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※子どもはつまらないことに興味を持ちます。「そんなもののどこが面白いの?」と渋い顔して聞いていませんか? 何をするかという評価は後回しにして,どのようにしているかという仕方を見てやりましょう。観察したり,考えてみたり,調べたり,整理をしたり,いろんな能力を使う体験が育ちになります。できるだけ一緒にしてみせるといいでしょう。「考えなさい」というのではなく,どうしてかな? 何だろうね?と具体的な問を見つけてあげましょう。

※気の済むまでやらせるということも大切です。忙しいママは早く早くと急かしますので,途中で打ち切ってしまうことがあります。テレビなども,これからというときにコマーシャルが入って興ざめになります。盛り上がった気分をはぐらかされ続けていると,中途半端になり,しらけてきます。無関心や無感動というしつけが知らないうちになされています。ルーズにならない範囲で,なるべく最後までやり通すというゆったりとした時間を与えてやりましょう。




 自分の力を自分のためにしか使おうとしない甘えが見られます。どうして私がしなければならないの,という意識が強くなっています。皆に関わることは,それなりの役割を持つ人に押しつけようとします。自分のことしかしない人は,社会では好意的には受け入れてもらえないでしょう。それでは自分を生かすことができなくなります。人とのつながりを豊かにする中でこそ,自分を生かすことができます。「We can do, We will do」です。

 日本の地名の漢字は,ほとんど2文字です。昔,地名は2字にするように統一されたためです。8世紀初め,朝廷が延喜式により郡・郷などの名は好き字(よきじ)2字を用いるように命じました。東京は牟邪志(むざし)国の3文字が「武蔵」国に,大阪の泉国が和泉国に2字化されました。漢字1字ではたくさんの地名には間に合いませんが,2字なら何とか区別ができるということでしょう。姓や名も2字が多いようです。


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