*** 子育ち12章 ***
 

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「第 34-08 章」


『子育ちは 喜び分かつ うれしさを』


【設問34-08:自分を生かすための支えとは何でしょう?】

 ■子育ち12設問■
『子育ち第8設問』
〜分別と共感〜

 しっかりとした信念を持っている子ども。そんな子どもに育って欲しいですね。子どもは無邪気で,なんでもありです。自分だけの世界にいてもいい幼い時期はそれでもいいのですが,他者との関係が深まってくると,してもいいこととしてはいけないことの選択が必要になります。もちろん,自分を危険から守るという意味でも,してはいけないことがあります。するかしないかを決めているもう一人の子どもは,判断の物差しを持たなければなりません。

 子どもはしたいことをして,したくないことはしようとしません。その判断は時として自分勝手になります。してもいいことか,しない方がいいことかという第2の選択が必要です。女性のバッグをひったくって逃げるとか,盗撮とか,やたらと増えてきた○○詐欺,ネットの中傷書き込み,いずれも第2の選択が外れています。第2の選択を確かなものにするしつけが不可欠です。歯止めを失うと,その後の進む道は裏返っていく公算が大きくなるからです。

 社会生活では,行動に対する責任が伴います。それが第3の選択,しなければならないことと,してはいけないことです。する・しないの責任を果たすためには,具体的にいくつかの行動例を身につけることが必須となります。正直でなければならない,嘘をついてはいけない,優しくしなければならない,殴ってはいけない,約束は守らなければならない,人を裏切ってはいけない等,身近な社会的原則をしつけておけば,他の原則も類推することができます。

 したいことをする,したくないことはしない。その選択はかなり強力です。しつけの最も深い奥義は,よいことをしたいと思い,悪いことはしたくないと思うように気持ちの植え付けをすることです。よいことをしたら褒められて,よい気持ちになります。悪いことをしたら叱られて,嫌な気持ちになります。その区別がはっきりとしているしつけを受けると,子どもはしたいことをすることで,道を踏みはずことが少なくなります。

 困っている人がいたら,助けなければと考えるのではなく,助けてあげたいと思うようになることです。助けなければと教えることはできます。その先の助けたいという気持ちは育てなければならないことです。教育とは,教えの後に育てが控えていることを知っておいて下さい。育てが伴わないから,例えば,バスの中で席を譲ることを考えるところで足踏みします。恥ずかしいという気持ちが邪魔をします。どうすればいいのでしょう?

 人に喜んでもらうことがうれしいという気持ちを持たせるのです。アリガトウと言ってもらったときのうれしさを,しっかりと気持ちの底に届くまで与えてやりましょう。喜ばせてもらおうと思っているのはわがままであり,共感という関係は生まれません。喜んでもらおうとすれば,よい関係が作れます。人と仲良くなる秘訣は,ドウゾと相手のことを大切に思う気持ちから出る言葉と行動です。その気持ちの表出が自分を生かすことになります。

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※慈しみを十分に受けた子どもは,慈しみがどういうものであるかを体感しています。もう一人の子どもは慈しみを発揮する準備が整います。愛された経験がなければ,愛することができないのです。ただ,その立場の反転はそう簡単ではありません。練習が必要です。小動物をかわいがるとか,幼い子どもをかまってやるとか,花やペットの世話をするといった具体的な行動による実体験を積ませましょう。

※ほめるときの言葉について,留意することがあります。「よくできたね,上手ね,えらいね・・・」という言葉は,評価であり,教えの言葉です。一方で,「きれいね,うれしい,ありがとう・・・」という言葉は,受容であり,育ての言葉です。自分のしたことがどう受け入れられたかを確認できて,もう一人の自分が相手の立場を分かる手がかりになります。アイメッセージ(私表現)が育ての言葉であることを意識しておきましょう。




 夢を描くことは簡単にできます。ああしたい・こうしたいと頭の中で想像することは容易です。それが実現するかというと,ほとんどが不可能です。理想と現実という対比で語られることですが,その間にあるのは,細々としたプロセスです。幸せな家庭生活という夢は,地道な作業の積み重ねを抜きにしては実現しません。もちろん,環境的な制約や能力的限界もあります。100%の実現は遠い先にあるようです。プロセスに真面目に向き合うことが実現の方策です。

 食欲を彩るのが味です。基本味は,塩味,酸味,苦味,甘味,旨味の5つです。舌の表面には味蕾という味覚を司る器官があります。形は花の蕾に似ています。味の刺激を味蕾に受けると,味覚神経によって脳に伝えられて,味覚が生じます。ところで,唐辛子などによる辛味という味もあります。この辛味は別系統になっていて,触覚や痛覚,温度感覚を伝達する三叉神経が脳に伝えています。身体機能としては,辛味は味ではないのだそうです。辛いものを食べると汗が出るのは感覚器が勘違いしているせいのようです。


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