*** 子育ち12章 ***
 

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「第 34-10 章」


『子育ちは 今日の育ちの 積み重ね』


【設問34-10:自分の可能性を信じるのはなぜでしょう?】

 ■子育ち12設問■
『子育ち第10設問』
〜機能快の気付き〜

 夢を見つけて歩んでいくことのできる子ども。そんな子どもに育って欲しいですね。子どもは時折とんでもないことをしようとします。大人が見るとハラハラします。例えば,高いところに登るのが好きですし,猪突猛進といった走りもします。脇道から一気に飛び出していきます。時所を選ばず,したい放題です。大人はその無謀ぶりが危ないと思うから,押さえ込もうとします。でも,何かに夢中になるという子どもの本能は消さないようにしましょう。

 人は想像するという能力を持っています。もう一人の自分は想像の世界では万能です。アニメの世界に飛び込んでいくことさえできます。そんなもう一人の子どもが子どもを動かしています。虚実の区別が未熟なために,現実の世界では無茶をすることになります。現実の壁にぶつかって,痛い目に遭うこともあります。もう一人の子どもが自分の限界を知る経験となります。いったん限界を弁えた上で,それでもしたいことがある,それが夢を追う創造力を導きます。

 物事は平坦な道を行くようにすんなりとは進みません。段差があり分岐があります。仕事には段取りがつきものというのと同じです。早く移動したいから走ります。それでも足りなければ自転車に乗ります。自転車に乗る練習が必要です。車とぶつかりそうになります。そこで交通ルールを学ぶことになります。早くというだけではなく,安全に早くという選択をします。成長すれば車の運転免許が欲しくなります。その先はパイロット?

 高いところに手が届かない。そこで椅子を引っ張ってきて足場にします。足し算の知恵です。暑いから窓をあけて風を入れます。引き算の知恵です。重いものを動かしたいときには友達に助けてもらいます。掛け算の知恵です。家族の団らんの楽しさは分け合って食べることです。割り算の知恵です。人が授かっている知恵の力を使えば,できなかったことができるようになります。その知恵は,何とかできないかと考え続ける意欲によって生み出されてきます。

 「できた!」。そのときの達成感は至福の喜びです。山の頂上に立ったときのわき上がる感動です。歩けるようになった,話せるようになった,字が書けるようになった,計算が分かるようになった,小さな段差を一つ一つクリアしていく度に,自分を喜ばすことができます。他人に喜ばせてもらうのではなく,もう一人の自分が自分を喜ばせようとする,それが夢を追い続ける原動力です。自分を知恵の助けで生かす喜び,それを機能快といいます。

 感動を手に入れようという目的に向かって,できそうな段差を目標として選ぶ能力が必要です。夢は遙かな彼方にある目的であり,今とりあえず目指すべき目標を設定することで,実現の過程を進めることが可能になります。夢を夢に終わらせてしまうのは,目標という段取りができないからです。いくつもの目標をこなしていくことが修行という苦労として感じられるせいで,つい逃げてしまいます。苦労の先に喜びがあることを信じる,それが可能性を信じることです。

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※日々幸せに生きていきたいですね。幸せを感じるためには,就寝するときに明日に楽しみを見つけることをお勧めします。寝るだけが楽しみと思っていては,明日が苦になるので幸せは消えてしまいます。日曜日の夜は,明日からのしなければならないことが気持ちいっぱいに広がって,つい気分が滅入りがちです。どんな些細なことでもよいので,楽しいことを見つけて下さい。その楽しみがあれば,気持ちは明るくなります。

※視点の転換をしてみませんか? 晴れの日は日差しを楽しみ,雨の日は水たまりの形を楽しみ,道端に咲く花を楽しみ,動物とのふれあいを楽しむといった自然のリズムと調和してみるのです。生きる実感は自然のリズムに運ばれる音楽です。人工的なモノやコトにとらわれると生きていることが見えなくなります。都市型暮らしで失われた最も大きなものは,時間の流れです。今日も明日も同じ,その思い込みが生きている喜びを打ち消しています。明日は違います。




 物語の進行は起承転結というパターンで運ばれます。事象は因縁果報(種という因が畑という縁を得て,実という果と蜜という報がもたらされます)とつながって展開していきます。成長の進行もまた基本的なパターンがあります。失敗によって現状を認知し,反省によって可能性を検証し,学習によって知恵を取り込み,挑戦によって成就を目指すというパターンです。その繰り返しが成長のサイクルプロセスとなります。

 昔,大阪の商家では,甘いお菓子の頂き物があると,丁稚や小僧に食べさせていたそうです。夕食前に甘いものを食べると食欲が減退するので,ご飯が少なくて済むというわけです。夕食前にお腹がすいたという子どもに甘いものを食べさせると,ご飯を食べないしつけになっているかもしれません。また,食事をして消化による糖分がゆっくりと出てくると,その情報が能に伝わり,満腹感が現れます。早食いをしていると,満腹を感じる前に食べ過ぎます。ご用心を!


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