*** 子育ち12章 ***
 

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「第 35-12 章」


『子育ちは 今日の課題を やり終える』


【基礎力35-12:課題解決の方針を考え出す力(計画性)?】

 ■子育ち12基礎力■
『子育ち第12基礎力』
〜できることを積み上げる〜

 育ちは未知の領域へ踏み込むことの連続です。例えば,道に迷ってしまうことがあります。案内地図を眺めます。そのとき,真っ先にしなければならないことがあります。自分が今現在いる場所の確認です。設置されている案内板には,現在地というマークが記してあります。現在地を起点にして,目標に向かう動線を見つけることができます。道に限らず,あらゆる迷いに対して,今現在の自分の位置や立場をきちんと押さえておくことから,解決の方策が始まります。

 課題解決の道筋は,当初からゴールまですべてを見通すことは不可能です。例えば,試験問題を解きあぐねている場合です。できるかどうか分からないけれど,とりあえずできるところまでやってみよう,その踏み出しが始まりです。ある程度先に進んでいくと,新しい展望が開けてきます。次の一手が見えてきます。ケータイの電波が弱いとき少し場所を移してみるということと同じです。自分を動かすと,先が見えるようになります。

 子どもにとっては,あらゆることが育ちの課題です。あまりに多すぎて結構大変です。例えば,子どもはやり始めても中途半端になることがあります。大人は何をさせてもしおおせないといらつきを覚えるかもしれません。途中までしかできないことを咎めてはやる気を消すだけです。今すぐにはできなくても,やがて続きをする時期がやってきて,できるようになります。しないよりましだと認めておけばいいのです。続きに期待しましょう。

 したことがないことはできないのが当たり前です。そこで,例えば,子どもにはいろんな経験をさせようということになります。似たようなことをしたことがあると思えば,手がかりになります。大事なことは連想を働かせて,経験を課題に重ねて応用する力です。その際に,いくつかの経験を組み合わせてみるということも大事です。計画とは可能なことを可能な形で方向付けて構成することです。その材料となるのが,生きてきた中でのすべての経験の豊かさです。

 課題の解決は挑戦という面を持っています。困っている課題なら,何とかしなければという気持ちが背中を押し続ける励ましになります。ところが,した方がいいといった課題に対しては,背水の陣という強い思いはありません。挑戦の達成が可能かどうかを考えることから始めると,大抵の場合にできない理由を探す方に集中して,「できないからしない」と結論を出そうとします。先にすると決めて,どうすればできるかを考えることに集中する姿勢が大切です。

 自分の身に降りかかってくる問題があります。例えば,いじめや病といった,自分ではどうにもならない大きな課題があります。そのような深刻な課題の他に,子どもの手に余ることがたくさんあります。そんな場合は,何の躊躇もせずに親や大人に助けを求めていいという筋道を与えておかなければなりません。どんなことでも安心して相談できる人がいる,その後ろ盾があれば,子どもは自分の力を課題に向ける意欲を持ち続けることができます。

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※齋藤孝氏の本を読んでいたら,励ましの仕方について述べてありました。「Can you?」と尋ねるよりも,「You can do it!」と声を掛けるとやる気が出てくるというのです。できるかと問われると,自信もぐらつきます。できるよと言われると,自信が増幅されます。ただし,気をつけることは,そのように励まされても,できないこともあります。そのときのフォローが大事です。子どもの力を見て,次の機会にするか,もう少し続けさせるか,柔軟に対応しましょう。

※授業と並行して,学生に課題を出しています。その提出状況にばらつきがあります。その都度,課題プリントを提出する学生と,プリントを貯めてしまう学生とに分かれます。貯めると辛くなります。今日できることをきちんと済ませていく癖をつけていないと,やがて手に負えなくなります。計画的な対処の基本は,今日一日の課題を成し遂げることです。明日には明日の課題があります。今日を明日に先送りすると,計画は成り立ちません。誰もが経験しますが・・・。




 最近は個性を押し出す風潮が強く出ています。そのこと自体は望ましいことなのでしょうが,個性ということの意味合いが曖昧になっています。個人として名前があって区別されていることも個性の一つです。昔から十人十色と言われているように,ことさら個性を意識する必要はなかったのですが,現代では流行に染まるために個性が失われていると感じられるのでしょう。それはそれとして,人としての育ちには,基本的なバランスが壊されないように留意すべきです。

 ものの購入を伝えることを,注文すると言います。注文とは,希望する品物,数量などを記した書状を表していました。やがて,口頭で伝えるような場合にも使用されるようになりました。今では,購入に限らず,頼み事についても,注文するというように広がっています。子どもに親があれこれ注文をすることもあるようです。注文を急かせる親にはならないようにお願いします。オーダーメイドは手間暇が掛かりますので,ゆっくりと待ちましょう。


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