*** 子育ち12章 ***
 

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「第 35-13 章」


『子育ちは 多様な学びを 取り入れて』


【基礎力35-13:バランスのよい力の発揮をするためには?】

 ■子育ち12基礎力■
『子育ち第13基礎力』
〜好き嫌いを控えて〜

 バランスについては,いろんな言葉が言われています。例えば,知・徳・体があります。知識を蓄え,徳に基づいて行動し,健やかな身体を維持するといったことです。子どもについては,健康で,よく学び,人と仲良く暮らすことができれば,よい子どもになります。具体的にはどうすればいいのでしょうか? 健康であるためには,規則的な生活リズムと偏食のない食事でしょう。学びは何事にも真面目に取り組み,人の嫌がることはしないことなどが思いつかれるでしょう。

 バランスを表す言葉には,他に心・技・体があります。強く優しい心を持ち,優れた技を身につけ,耐え抜く体力を備えるといったことでしょう。これらの言葉は,上昇志向という方向を示しています。例えば,病気がちで体力に優れないときは,バランスは壊れるのでしょうか? 美しい絵を描く技を持っている人がいます。心と技からあふれる力を発揮できる体力があるのですから,バランスはちゃんと取れています。一人ひとりのバランスのあり方は違っているのです。

 バランスを狭く考えることがあります。例えば,勉学について,教科のバランスです。小学時代の国語・算数・理科・社会がまんべんなくできることが望ましいといったバランスです。これらの科目は知力に関わります。一方で,感性につながる図工や音楽はどうでもいいと切り捨てられることがあります。学校では授業時数は少ないのですが,それは家庭や地域での学びで補われることが期待されているからです。感性の育ちは心の育ちにつながる大事なものです。

 子どもはあらゆる可能性を持って生まれてくるといわれます。しかしながら,あらゆる能力を伸ばすことはできません。環境などの影響により限られた選択がなされます。その結果が,人には得手不得手があるということになります。社会という場でのバランスを取るために,専門家による分業が行われています。家庭が社会の基本ですが,家族による助け合いという協働行為によって,バランスが保たれています。協力しようとする徳や心が社会生活上の必須となります。

 バランスを欠くのは,好き嫌いに引きずられるからです。食の好き嫌いが健康のアンバランスにつながるように,学びの好き嫌いや価値の好き嫌いが,知力や道徳観のアンバランスにつながります。人としてバランスを保つためには,好き嫌いを少なくすることです。無くすことは無理なことですから,少なくする努力をすればいいのです。無関心という形の好き嫌いを無くすことから始めて,とりあえず関わってみることです。

 子どもは人的環境の中で育ちます。例えば,よくいわれる家庭・学校・地域という環境で育ちます。それぞれに得意な教育力があります。学校だけの育ちでは,アンバランスになります。地域とつながっていないと,社会性が育ちません。社会性とは,様々な年代の人とちゃんと付き合うことができることであり,多様な年代の人から学ぶことによって,育ちのバランスが維持されます。環境の豊かさが保障されていなければ,育ちは片寄っていきます。枯れることも?

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※功成り名を遂げた人が,ささいな不始末をして,没落していきます。社会人としての基本的な覚悟が未成熟であったためです。子どもでも分かる不始末をしでかす弱さは,バランスを欠いていたという他はありません。完全無欠な人はいませんが,弱点にもそれなりのレベルアップがバランスを保つためには求められています。特に,社会的に大事な資質の土台は,子ども時代に培われます。土台が弱いと,大人の知性ももろく転けてしまいます。

※食べ物の好き嫌いを無くす方法は,空腹にして飢餓感を与えることです。お腹が空けば,大抵のものは美味しくなります。味の濃いスナック菓子におぼれていると,大事な食がまずくなります。同じように,暮らしのあちこちに満たされない状況があれば,いろんなことに関心を持つようになります。ゲームにうつつを抜かして満足しているようでは,成長の偏食が進むだけです。人の育ちは,現状をよくしようという前向きな活動であることを忘れてはいけません。




 子育て羅針盤の第35版,「子育ち12基礎力」は今号で完結します。第35版は,少しばかり大人になるための基礎力という説明になっていて,子どもの現実から遠くなっていたかもしれません。子育てをする上ではちょっと先のことを見越しておくことも必要なので,あえてこの版では中途半端な視点を採用しておきました。次号からは,子どもの「生きる12基礎力」というテーマで,子どもに具体的にして欲しいことを考えていきます。お楽しみに・・・。

 田んぼに水が入ったその日から,蛙が鳴き始めます。やがて,夏になれば蝉が鳴き,藪には蚊が舞います。いろんな虫が活動する季節がやってきます。蛙という字のつくりの圭はケイと読み,ゲーゲー鳴くから蛙,蝉のつくりの単は震える意味で身体を震わせて鳴くから蝉,蚊のつくりの文はぶんと読みブンブン飛ぶから蚊,となったそうです。嘘みたいですが,手元の漢字の本にそのように解説してありました。楽しくなりますね!


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