*** 子育ち12章 ***
 

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「第 36-01 章」


『子育ちは 自分のことが できるよう』


【基礎力36-01:自分の事は自分でするようにしよう!】

 ■生きる12基礎力■
『生きる第1基礎力』
〜自分ですれば自分が見つかるから〜

 朝になって目が覚めたら,「起きよう」とかけ声を掛けて,布団から飛び出していますか。「早く起きなさい」とお母さんに言われて起きると,嫌だなと思ってしまいますよね。ついついグズグズしてもう少しと眠りたくなります。「なんべん言ったら分かるの」と叱られてしまいます。気持ちよく起きるためには,自分から起きるようにしたらいいですよ。朝になっても眠たいときには,少しだけ早く寝るようにしましょう。自分にできることです。

 次は,顔を洗ってさっぱりしよう。冷たい水で顔を刺激すると,すっきりとするでしょう。窓をあけて,お日様に「おはよう」とあいさつをすると,身体に力がわき上がってきます。お母さんが用意してくれた朝ご飯が待っています。よく噛んで,ゆっくり食べよう。眠っている間にお腹が空いているから,エネルギーを取り入れないと,身体が元気になれません。食べることは,誰にも代わってもらうことはできません。自分の身体は自分で面倒を見よう。

 着替えは自分でできますね。洋服は自分で着るようにできています。鏡の前に立って,きちんと身支度のできた自分を見てごらん。洋服は曲がっていないかな。鏡の中の自分に,尋ねてみよう。ハンカチは持ちましたか。ポケットを確かめよう。今日は何曜日だったかな。持っていくものがあったかな。寝る前に用意したことを思い出してみよう。「大丈夫」。時計を見なくては。そろそろ出かける時間かもしれない。「行って来ます」。自分でできたね。

 通学路の途中に横断歩道があります。青信号が点滅し始めました。友達は走っていきます。まだ時間はあるので,待つことにしましたね。自分できちんと決めることができました。友達がするからと引きずられなくてもいいのです。待っている間に,別の友達と一緒になります。ほら,話し込んでいると信号が変わるのに気がつきません。しっかりと信号の方に注意を向けておきましょう。今自分は信号が変わるのを待っているということを忘れないように。

 遊びの時間が終わるチャイムが聞こえてきます。準備をしなければ。そう思ったらさっと動きます。自分を動かすのは,もう一人の自分です。しっかりしなくては! 自分がしなければ誰もしてくれません。準備は何をすればいいのか,分かっていますね。分かっていてしないのは,怠けていることです。そんな情けない自分を見たくはないですよね。自分を励まそう。友達はまだ何もしていなくても,今しなければならない自分のことはしなくては。

 授業は聞くだけでは覚えられません。ノートに書きなさいと先生から言われます。えー,書くの,と面倒に思うかもしれません。学習は自分ですることです。何をすればいいのかというと,自分の手で書くことです。分かるためには,聞くことではなくて,書くことが一番です。面倒だなと思うことをするから分かるようになります。本当かなと思うでしょうが,本当です。聞くことは自分がしていることではなく,書くことが自分がすることだからです。

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※子どもは,はじめから自分の立場や自分のなすべきことを弁えてはいません。一つ一つの場面ごとに,自分がしなければならないことが何かを経験していかなければなりません。とてもまどろっこしい経過が必要です。自分がなすべきことを自覚していくことを通じて,もう一人の子どもが自分を見つけていきます。日記を書く習慣があれば,自分を振り返る日々の経験が積み重なり,もう一人の子どもはしっかりと成長するのですが。

※自分を大事にするということが,自尊心につながるかわがままで終わるかは,もう一人の子どもが育っているかどうかで分かれます。自分を見るもう一人の自分が育たなければ,本能に従う自己満足がのさばるだけです。欲しいから万引きする,それが自分を貶めることになると,もう一人の自分が自己抑制をできるからこそ,自分を大切する自尊心が育まれます。どんな自分でありたいと決断するか,それがもう一人の自分にしかできないことなのです。




 人は自分一人で生きていけるものではありません。お互いに助け合って生きています。子どもは自分のことは自分でできるように育っていく一方で,助けてもらう自分もいることに気付かなければなりません。生きる自分と生かされている自分,その二つの自分をもう一人の自分がしっかりと結びつけていくことが,社会性という育ちの基盤になります。育ちの経過は,先ずは生かされている自分,生きていく自分,他と共に生きる自分という自分ステップを歩むことです。

★落書き★

 子どもを息子や娘と呼びます。音で表記すれば,むすこ・むすめです。共通している「むす」とは苔むすとか草むすという言葉があるように,勢いよく茂るさまを表します。むすこは元気よく育つ子の意味になります。親の願いが込められた呼び方でしたが,古代語の「むす」が消えていくにつれて,ただ単に子どもを表す言葉になりました。むすめは女という字がめと呼ばれて,むす女となっています。後になって,息子,娘の字が使われるようになりました。


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