*** 子育ち12章 ***
 

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「第 36-02 章」


『子育ちは できないことを 助けられ』


【基礎力36-02:してもらったらありがとうを言おう!】

 ■生きる12基礎力■
『生きる第2基礎力』
〜お礼を言えば人の心が分かるから〜

 お腹が空いた頃になると,食事時です。お皿やお箸を食卓に並べます。自分の分だけではなく,家族全員の分を用意しましょう。ちょっとだけ皆のこともできますね。お母さんがありがとうと声を掛けたのが聞こえます。お母さんがごはんをよそって渡してくれます。「ありがとう」が言えたかな? 自分のためにしてもらったら,ありがとうを言おうね。お母さんは自分のことではなく,あなたのためにごはんをよそってくれたのだから。

 ボール遊びをしていて,取り損ねたボールが道まで転げていきます。通り合わせた大人の人がボールを見ても,さっさと通り過ぎていきます。拾って投げ返してくれたらいいのにと思っていても,見向きもしてもらえません。後から来た人がボールを見つけて,立ち止まりかがんでボールを拾ってくれます。見回してあなたを見つけて投げてくれます。「ありがとうございました」。ちゃんと言えますね。あなたのために,わざわざ立ち止まってくれたのだから。

 狭い通りで友達と遊んでいると,ピッという警笛が聞こえます。折角遊んでいるのに,うるさいな! 振り返ると車が止まっています。よけて通ればいいのに! 車は止まったままです。あなたの自転車が道の真ん中に寝転んでいて,通せんぼをしています。運転をしているおじさんが,手を振って「どけて」といっています。あなたの自転車が車の通行の邪魔になっています。分かりますか? 自転車を道路脇によけましょう。「済みませんでした」。謝ることができるかな。

 登下校の道筋で,安全に通れるように交通整理をしてくれるおじさんやおばさんがいます。通り過ぎるときは,おはようございます,こんにちは,とあいさつをしていますね。立ち止まって待っているときは,時々でいいから「ありがとうございます」と言いましょう。あなたのために,長い時間を掛けて安全を見守ってくれていると思えば,自然にありがとうという言葉が出てくるような子どもになって欲しいからです。

 新聞屋さんや郵便屋さんが,玄関まで届けてくれます。夏休みでお家にいるときには,出会うことがあるでしょう。「郵便です」と手渡しされるとき,「ありがとうございます」と言えますね。私に来た郵便物ではないのに,どうして? お父さんやお母さんに届けられた郵便物でも,あなたのお父さんやお母さんだから,お父さんやお母さんの代わりにお礼を言うのが,あなたにして欲しいことです。あなたのお家に届けてもらった郵便物と思ってね。

 弟を連れて近くのお店に買い物に行きます。買い物を済ませて帰ろうとすると,お店のおばさんが「お手伝いをしてえらいね」と弟の手にお菓子を一つ握らせてくれました。お使いをしたのは私なのに,どうして弟に? おばさんにありがとうと言えますか。弟が言えばいいのに。でも,弟はまだ言えません。だから,あなたが言いましょう。お姉さんだから。弟の手を引いて歩き始めると,おばさんが「お姉ちゃんの分は袋に入っているからね」。「ありがとう!」。

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※子どもは赤ちゃん時代からずっとしてもらうことに慣れきっています。何やかやと面倒をみてもらうことが当たり前と思い込んでいます。やがて,もう一人の自分という自我が誕生してくると,自分意識が芽生えてきます。そのとき同時に,他者意識もついてきます。例えば,母親とは一心同体として生を受けて,母親と自分の区別が曖昧なままで育っていき,やがてその母親が自分以外の人,お父さんとつながっていることを知るようになり,母親離れと他者意識が出てきます。

※母親を自分から奪う嫌なやつ,でも大好きな母親が仲良くする人だから,そうして父親を受け入れていきます。親との生活の中で,周りにいる人が自分にとって必要な人という信頼が生まれます。生かされている自分に気付いていきます。大げさに言えば,社会の中の自分という意識です。人は環境に適合して生きていくものであると考えると,この社会意識をしっかりと植え込んでおくことが大事になります。ありがとうの言葉によって,子どもは社会とつながっていきます。




 お母さん笑って。子どもからそんな言葉を言われたことはありませんか? 子どもは笑顔のお母さんが大好きです。お母さんの笑顔は子どもにとっては太陽のようなものです。真っ直ぐに育っておいでと誘われているような優しさがあります。別の言い方をすれば,笑顔が身近にあると,子どもは安心します。自分を素直に出していいと感じるからです。育ちは外に向けて自分を出していくことです。閉じこもると育てない,逆を考えれば納得していただけるでしょう。

★落書き★

 夏休みの朝はラジオ体操。皆さんの所では如何ですか? 早朝の起床はきつい,ラジオの音がうるさい,そんなとってつけた理由から,ラジオ体操を取りやめるということがあるようです。それはともかく,ラジオ体操はアメリカで生命保険会社の提供で始まりました。人が健康で長生きしてもらうことが保険会社の利益になるというビジネスライクな願いからです。日本では昭和3年から放送されたそうです。地域で実施されていなかったら,家庭でどうぞ?


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