*** 子育ち12章 ***
 

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「第 36-03 章」


『子育ちは 笑顔の花を いっぱいに』


【基礎力36-03:笑顔を交わし合える人を見つけよう!】

 ■生きる12基礎力■
『生きる第3基礎力』
〜笑顔は心の窓を開くから〜

 熱を出して眠っています。ふと目を覚ますと,お母さんの笑顔がすぐそばにあります。「熱は下がったようね。大丈夫よ」。身体はまだ少しだるい感じがありますが,気持ちはすっと軽やかになります。安心できますね。「お母さん」,「なあに」。にっこりと笑顔のお母さんが大好き,そう言いたくなりますが,黙っています。うなずいてくれるお母さんは,きっと分かってくれたことでしょう。ゆっくりとお休み。

 お父さんが帰ってきます。「お帰りなさい」と玄関で出迎えます。「ただいま」と言いながら,お父さんは靴を揃えると,私を残したまま,さっさとリビングに入っていきます。どうしたのかな? お父さんは私を見なかった。今朝お父さんが出かけるときに,「いってらっしゃい」と見送らなかったから,怒っているのかな? 「ごめんなさい」。椅子に座っているお父さんに,「あのね」と朝のことを謝りました。「違うんだ」とお父さんが笑顔で抱きしめてくれました。

 学校に行く朝です。いつものように犬を散歩しているおばさんに会いました。犬がしっぽを振りながら近づいてきます。座って頭を撫でてやると,うれしそうに身体をよじらせます。「またね」と手を振って別れると,「いってらっしゃい」とおばさんが笑顔で見送ってくれます。「行って来ます」。歩きながら考えます。あの犬のおばちゃんは名前は何というのかな? 犬の名前はチャッピーというのは知っているけど・・。今度聞いてみよう。

 廊下を歩いていると,たくさんの子どもたちとすれ違います。地域のキャンプで班のリーダーをしてくれたお姉さんが,にっこりしながら歩いてきます。思わず笑顔を返します。「おはようございます」,「おはようございます」。楽しかったキャンプのことが思い出されます。初めてのキャンプで分からないことばかりだったけど,お姉さんが優しく教えてくれて,終わる頃にはすっかり仲良くなりました。「またね」。お姉さんが笑顔をくれながら,歩いて行きます。

 歩道の端の縁石の上を歩いています。名前を呼ばれたような気がしたので,ふっと横を向いたら,踏み外して転けてしまいます。そばにいた人たちが笑っているので,痛いのを忘れて慌てて起き上がります。「そんなに笑わないでもいいのに」と思います。恥ずかしさを通り越して,傷ついてしまいます。一方的に笑われると,楽しくありません。自分の失敗を自分で笑うこともできますが,人に笑われるのはいやです。「大丈夫?」と,友達の声が聞こえてきました。

 出がけにお母さんと言い合います。気持ちがいらいらしたままです。道に落ちている小石を思いっきり蹴飛ばすと,ガードレールに当たって大きな音がします。信号待ちをしていた運転者が,びっくりした顔でこちらを見ます。知らない振りをして通り過ぎます。どきどきします。そのまま教室に入ると,友達が笑顔であいさつをしてきますが,口だけであいさつを返します。「どうかしたの?」という顔をしています。「ごめん」,あなたのせいじゃないから・・・。

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※子どもの笑顔を見ると,疲れや外での嫌なことも忘れます。慰められます。それは,子どもが心を開いて受け入れてくれるからです。こんなお父さんやお母さんであって欲しいと条件付ではなくて,そのままでいいというメッセージを伝えてくれるからです。子どもは親を慰めるつもりなどありません。ただ,素直にお父さんやお母さんと心をつないでいたいと願っています。それが子どもの安心という居場所になるからです。子どもの安心は親の安心にもなります。

※家庭教育という言葉がよく聞かれます。家庭の教育力ともいわれます。その言葉に振り回されないで下さい。家庭は,いわゆる教育の場ではありません。教育すると思うから,家庭が家庭ではなくなっていきます。家族としての生活,笑顔のあふれた生活,それが教育的な効果を備えているというだけのことです。ことさら教育行動をしようとするから,親子の関係がぎくしゃくしてしまいます。家族というものをまず大事にして下さい。




 こうでなければと気負っていると,優しくなれません。優しさは包容力や余裕といったこととつながっています。人はいろんなことを選択して生きています。洋服でも好き嫌いという選択をします。なぜそうなのかという理由はほとんどありません。どっちでもいいのです。自分のこだわりがあるなら,他人にもこだわりもあります。お互いのこだわりを認めようとする,そこに優しさが現れます。優しいかどうか,それはどっちでもいいというわけにはいかないようです。

★落書き★

 子どもが喜ぶお弁当のおかずに,ウィンナソーセージがあります。切り込みを入れて,楽しい形にする工夫もできます。昔は赤い皮をしていましたが,赤い色が嫌われて,今は肉の色のままです。実は,初期のものは今と同じ色のものでしたが,嫌われて売れませんでした。そこで,それまで親しまれていた魚肉ソーセージの色にしたらと,赤い色にしたところ,売れるようになりました。消費者の感じ方一つで商品も変わっていくようです。朝食をしっかり食べさせましょう。


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