*** 子育ち12章 ***
 

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「第 36-09 章」


『子育ちは 我慢するから 壁を越え』


【基礎力36-09:苦しいとき少しだけ我慢してみよう!】

 ■生きる12基礎力■
『生きる第9基礎力』
〜我慢が活力をため込むから〜

 生きていると身近な別れがあります。親しみに比例して,別れる苦しみがわき上がります。休みに里帰りしたときの優しい祖父母との別れ,飼っていた小動物との別れ,転校していく仲良しとの別れ,大切なものを失ってしまう別れ,馴染んでいた周りとの決別に出会うと,その急変に対応しきれない気持ちの混乱が苦しみとなります。「気の済むまで泣きなさい」。涙は癒しのビタミン剤です。しょっぱさを味わう我慢をしたとき,少し育っていきます。

 なんとなく苦手な人,そのような人が誰にでもいます。「お使いに行って来て」,「どこに?」,「安達さんの家まで」,「なにをするの?」,「この書類を届けてくれたらいいの」,「郵便で出せばいいのに」,「もったいないでしょ」。以前,お使いに行ったときに,安達さんちのお姉さんにからかわれて嫌な思いをしたことが蘇ってきます。会いたくない人と会わなければならない苦しみがあります。我慢する方法,それは礼儀に従って行動することです。

 何人かの友達が持っているものを持っていないとき,自分だけが取り残されているような思いになります。「お母さんに言っても,駄目と言われるに決まっているし」。諦めきれないまま過ぎていくと,自分にそんな思いをさせている不遇さに腹が立ってきます。求めても得られない苦しみというものがあります。「我慢してみようか」,「どうするの?」,「楽しみに変えることを考えてみたら?」,「・・・」,「お母さんにプレゼントの予約をするとか,いろいろと?」。

 「もう1年生になったんでしょ」。「中学生になったんだから」。子ども自身には成長している実感はありません。それなのに,ある日からランクアップを迫られます。「だからどうしろというの?」と反発したくなります。成長に伴って直面させられる苦しみとでもいえるでしょうか? 自分でたどり着いたのなら,それなりの準備もできていますが,突然に押し上げられたらうろたえます。「深呼吸して,少し我慢しよう」。「それで」,「そのうちにらしくなれるから」

 子どもにも分岐点に立たされる場合があります。どちらか自分で選べれば,結果に対して悔いはありません。所が,自分で道を選べない苦しみがあります。「あなたはこうするの!」と,選ばれてしまうと嫌になります。自尊心が傷つく痛みを感じます。「自分で選びたいのに」,「ちょっと待って自分で考えるから,って言えばいいのに」,「叱られちゃう」,「少しぐらい叱られても,我慢しようよ」。一緒に考えるという扉が開けるから。

 「約束していたのに!」,「用意していたのに!」,「手伝ったのに!」,「探してあげたのに!」,「味方だと思っていたのに!」,「冗談だと思っていたのに」,「あいさつしたのに!」。信じることのできなくなる苦しみがあります。裏切られたという怒りは相手に向かい,裏切られたという悲しみは自分に向かいます。どちらも苦しみの壁になります。「信じられない!」,「結論を出す前に,少し我慢しよう」。理由をはっきりとさせるために・・・。

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※試験! 嫌なものであり,苦になります。問題に答えることができない自分と直面させられるからです。もう一人の自分が自分の至らなさを無理矢理実感することになります。できれば見ないでいたいのに,駄目な自分を公に知られてしまうという苦しみもあります。先生は自分の駄目さ加減を評価し,親もだめ出しで痛い所を突っ込んできます。「自分に正直に」。それは自分の弱さを認める我慢です。その我慢から,残りの育ちが始まっていきます。

※がんばるとは? 「もうだめ」。そう思う限界があります。そこで終えたら,育ちは足踏みします。最初に訪れる苦しさは安全圏です。「もうちょっとだけ続けてみようよ」。「もうちょっとだけだよ」,「それでいいから」。その我慢ががんばることであり,育ちの一歩になります。我慢しなければ,いつまでも同じ所に止まることになります。「もうひとがんばりしよう」。その我慢ができるように,見守ってやりましょう。ひとがんばりだけです。それ以上は無理ですから。




 人は嫌なことは過大に感じ,好きなことは過小に感じます。嫌なことは少しでも嫌,好きなことは多ければ多いほどいいと,物差しが違っているからです。ということは,嫌なことと思えることは実際には大したことではなく,好きなことと思えることは大したことなのです。明日は雨で嫌だなと思っていても,朝になって雨の中に入っていくと大したこととは思わなくなります。雨降りの道にある水たまり,子どもはそこに小さな楽しみを見つける力を持っています。

★落書き★

 タコを食べますか? タコはオスよりメスの方が美味しいそうです。でも,どうやって見分ければいいのでしょう。タコの吸盤を見ます。順序よく大きいものから小さいものに並んでいるのがメスで,吸盤の大小がめちゃくちゃで不揃いになっているのがオスということです。なんとなく分かるような気がします。買うときによく見てください。ところで,夏休みも今日でおしまいです。寂しくなりますか,それともホッとされていますか?


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