*** 子育ち12章 ***
 

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「第 36-10 章」


『子育ちは 楽しい明日を 追いかけて』


【基礎力36-10:明日に小さな楽しみを見つけ出そう!】

 ■生きる12基礎力■
『生きる第10基礎力』
〜明日に向かって歩き出せるから〜

 「面白いことないかな」。「どうしたの?」,「何かつまんないから」。「したいことはないの?」,「別に」。「そうか,それでは目をつぶってごらん」,「・・・」。「まだ〜?」,「まだ」。「今,何をしたい?」,「目を開けたい」。「どうして?」,「何も見えないから」。「見ても面白いものはないよ」,「でも・・・」。「もう開けてもいいよ」。目を開けて見回しています。「今見えているものをじ〜っと見てごらん」,「あれっ!」

 「行きたくないな〜」,「どこに?」,「学校」。「どうして?」,「だって,宿題をしてないんだもの」。「お母さんに『宿題は?』って言われていたでしょ」。「そうだけど」,「今から済ませよう」,「えっ,今から」,「そうだよ」。渋々ですが取りかかり,やり始めたら集中していきます。「終わった」。「できたじゃないか」,「うん」。「もっと時間が掛かると思ったけど、早くできちゃった」,「一生懸命にしたからだよ」。「学校は?」,「行くよ」。

 リビングのテーブルでノートに向かっています。「何してる?」,気まぐれにお父さんがのぞき込みます。「予習!」,「何の?」,「算数!」。「分かるのか?」,「教科書を読むから」。子どもの邪魔になりそうなので、お父さんはテレビに向かい黙ります。「よし」,ノ−トを片付けています。「学校は楽しいか?」,お父さんが急に尋ねます。「うん」,「楽しいことがあるのか?」,「予習したことが確かめられるから」。

 「明日から,仕事か!」。お父さんがふっとつぶやいています。「嫌なの,お仕事?」。子どもに聞き取られて,お父さんはちょっと慌ててしまいます。「勉強は楽しいか?」。お父さんは態勢を整えるために,逆に尋ねました。「嫌だけど,楽しいときもあるよ」。「どんなときだ?」,「そうかと分かったとき」。「そうか。お父さんも仕事はきついけど,終わるときにはやったと思って,気持ちが良くなるな」。子どもに教えられたお父さんです。

 「お母さん,つぼみがいっぱいあったよ」,「そう」。忙しいお母さんは,返事はしていますが,気もそぞろです。花のつぼみは,明日になれば花になります。どんな花が咲くのかなと思えば,楽しみになります。道端に咲いている花を見つけてきれいだなと思うよりも,つぼみを見つけて花を待つことの方が素敵です。結果だけしか見えないのではなく,過程に目を向けるようにすれば,明日の楽しみとなる今日のつぼみを見つけることができます。

 「今朝はどうしたの,いつもより早いじゃない」,「ごはん,まだ?」。「できてるわよ」,「もうたべるの」。元気よく出かけていきました。どうしたのだろうと,お母さんは気になります。図書室に一番乗りで入っていきます。本棚を探していましたが,「あった」と言いながら,一冊の本を取り出します。うれしそうに貸し出し手続きを済ませます。司書の先生がニコニコしています。朝の読書の本を借り出したのです。

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※学力テストの成績について,親の所得格差が反映する傾向があると報じられています。そういうことは改めて言われるまでもなく,容易に推察できることです。学習環境の違いがあれば,成績も違うでしょう。しかし,そういうこともあるというだけで,必ずそうなるというものでもありません。大事なことは,環境と成績の間に,本人のやる気といった要素が必ず絡んでいます。やる気は環境だけで決まるものでもありません。学習を楽しむ気持ち,その育ちが肝要です。

※嫌なことが待っていると思えば,行きたくなくなります。苦労をしている大人を見ると,子どもは大人になりたくないと思います。苦労している親は,我が子にこんな苦労はさせたくないと,別の楽そうに見える道を勧めがちです。楽そうに見えるだけで,どの道もそれなりの苦労はあります。苦労を嫌がっては,どの道も歩き通すことは覚束ないでしょう。苦労を楽しむとまでは思えなくても,苦労の先に楽しみを見つけるようにすれば,気持ちが明るくなるでしょう。




 人は学ぶことで成長していきます。学びという行為には,大切な要件があります。学ぶことを目的にしては,成就できません。何のために学ぶかという形で,学びをプロセスと意識すると,成果が上がります。パソコンの使い方を習っても,使えるようにはなりません。パソコンを使ってすることがあれば,自然に使えるようになります。学びがプロセスであると考えると,できないことが出発点で,失敗を切り返しながら前に進んでいくものと,自分を励ますことができます。

★落書き★

 昔の大阪の商家では,到来物の甘いお菓子を頂くと,丁稚や小僧に食べさせていました。ケチといわれている大阪商人は優しかったのでしょうか? お菓子が出されたのは,夕食前です。甘いものを食べると食欲がなくなり,ごはんをあまり食べなくなります。味噌汁も,辛口の赤味噌ではなく,甘い白味噌で薄味にしていたそうです。夕食前に甘いお菓子を食べさせて,ごはんを食べなくしていませんか?


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