*** 子育ち12章 ***
 

Welcome to Bear's Home-Page
「第 37-01 章」


『子育ては 決めるチャンスを 子に与え』


【支援 37-01:子どもの自我の確立を促していますか?】

 ■子育て12支援■
『子育て第1支援』
〜育つのはもう一人の子ども〜

 《WHO-01》
 この号は,一体誰(WHO)が育っているのかという問に対する解答になっています。単純に考えれば,ただ子どもが育っているということになりますが,それは「ご飯をたくさん食べて大きくなって」というときの子どもです。子育てが願っているのは,目の前にいる子どもではなく,子どもの中にいるもう一人の子どもの成長です。辛いときにがんばれと自分を励まし,がんばった自分をほめるのが,もう一人の自分です。物心ついてきたころに,もう一人の子どもが誕生します。

 《自我の確立》
 自分を大切に! 誰が大切にするのでしょうか? もう一人の自分が自分を大切にします。鏡に映っている自分を,自分だと認識できるとき,そこにもう一人の自分が育っています。教育=education とは可能性を引き出すことですが,引き出すのは親でもなければ先生でもありません。子ども自身,すなわちもう一人の子どもなのです。自我=もう一人の自分の育ちが子育ちであるというイメージが,この子育て羅針盤の基本的な考え方です。

 《決める》
 自分のことは自分で決めるというとき,決めているのがもう一人の自分です。「早くしなさい」と親に言われたとき,「しようと思っている」のがもう一人の子どもです。親が先回りしてあれこれ指図していると,決めようというもう一人の子どもの出番を奪ってしまいます。それがいつものことであると,お母さんがいないと「何をすればいいか分からない」ということになります。できるだけ口出しを抑えて,決めるきっかけを子どもに与えましょう。

 《考える》
 「晩ご飯は何が食べたい?」。お母さんに尋ねられたら,「ハンバーグ」。あっさり「ダメ」と却下です。自分が何を食べたいかを,もう一人の子どもが考えます。あれこれ浮かびますが,ダメと言われないものは何かを思い巡らします。何かを決めようとすると,いろいろなことを考えなければなりません。暮らしの中で考えるという癖をつけておかないと,考えることが面倒だと思うようになります。「どうしようかな?」,そのときがもう一人の子どもの育ちのときです。

 《指導と干渉》
 大人は子どもの育ちによかれと思って,何やかやと指導をします。そのことは良いことなのですが,気をつけておかないと余計なお世話,干渉になることがあります。指導が干渉に転換する分岐点は,指導を受け入れる決定権を子どもが持つかどうかです。言うことを聞かせようと無理強いするとき,子どもの決定権を剥奪しようとします。指導に従わなくても仕方がないという気長さが必要になります。繰り返したり,手を変え品を換えという手管が指導には求められます。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
※子どもに考えさせる,決めさせるといっても,子どものわがままに任せるということではありません。もちろんのこととして,保護者として決めて従わせなければならないこともあります。子どもの身の丈にあった事柄に対して,考えたり決めたりする機会を与えることが大切です。子どもが迷ったとき,どうすればいいか大人にすぐに尋ねて解決を急ごうとします。グズグズする子どもを見かねて教えてしまうこともあるでしょう。もう一人の子どもが考える時間を与えてください。




 もう一人の子どもが誕生しても,その育ちが一つの脱皮を経ることがなければ,人間らしさに向かう育ちの道筋に入り損ねます。つまり,いつまでも幼児的なわがままの状態に止まることになります。脱皮を促す契機,それが母親離れです。母親と一心同体であると思っている間は,もう一人の子どもは母親付きの自分を見ています。ところが,母親が自分とは離れている存在であると感じるようになったとき,裸の自分と向き合わされることになり,一方で他人という存在に気付かされます。

★落書き★

 トランプの数字について。13×4=52枚。絵柄が4種類は春夏秋冬を表し,13枚は季節が13週であること,さらに,すべての数字を合計すると364となり,ジョーカーを1として加算すると365,1年の日数になります。トランプは元々タロットカードという占いに使われていたことから,このような一致が込められているということです。お子さんと七並べなどをして,考える遊びを一緒に楽しんでみませんか?


「子育ち12章」:インデックスに進みます
「子育ち12章」:第36-13章に戻ります
「子育ち12章」:第37-02章に進みます