*** 子育ち12章 ***
 

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「第 37-02 章」


『子育ては 人のつながり 大切に』


【支援 37-02:子どもの自他の認知を促していますか?】

 ■子育て12支援■
『子育て第2支援』
〜社会性は自分と他者ともう一人〜

 《WHO-02》
 この号は,誰(WHO)が育っているのかという問に対する第二の解答になっています。育っているのはもう一人の子どもですが,子ども自身と分離しなければ,もう一人という立場になれません。そのためには,他者という存在を認知することが必要です。もう一人の自分がいったん他者の立場に立って,自分を見るという経験をすることによって,自分を相対化することができるようになります。その上で,自分と他者を同時に見ることのできる社会性が獲得されます。

 《自他の認知》
 母親との分離に直面した子どもは,母親が父親との接触を好んでいる現実に気付かされます。もう一人の子どもは,母親とは違う自分を見るだけではなく,同時に母親に対する自分と父親という三角関係を見ることになります。この三角関係が社会性の基本になります。父親と自分が同等の立場であるという体験が,他者を自分と対等に意識する原点となります。母親の子離れをもたらし,子どもの母離れを促す,それが父親としての最も重要な子育て役割となります。

 《認める》
 見られるのが恥ずかしいという自意識は,もう一人の自分が他者の存在を自分に向けるときに発生します。KY,空気を読めないというのも,もう一人の自分が他者の中で自分をどのように処すかという問題です。人目を意識することは大人にとってはごく当たり前にできることですが,自分以外の他者の存在を自分と同列に意識できるように育つことは簡単ではありません。傍若無人な振る舞いをして平気な大人がいることからもうかがえます。

 《思いやる》
 「自分だったらどうなのだろう」と,相手の立場への移動を可能にするのが,もう一人の自分の得意技です。相手のことを思いやるというのは,もう一人の自分が相手の立場にシフトしてみることです。「自分がされて嫌なことは他人に向かってしない」という対人関係の基本は,相手も自分と同じように嫌な思いをするはずだというもう一人の自分の気付きがあればこそ守られます。広い世間では自分は特別な人間ではなく,皆と同じ普通の人間である,その認識が育ちの土台になります。

 《区別と比較》
 他者との関係を持つことによって,もう一人の子どもは自分に対するイメージを作っていくことができます。例えば,同じ家族でも大人である親と区別して,自分は子どもであるということ,同じ兄弟の中で自分は兄である,姉であること,同じ子どもの中で自分は小学3年生であることなどです。ところで,同じ3年生でも自分はできない子という比較をされると,育ちにとってマイナスの影響が出ることもあるので,要注意です。自他の認知が優劣に傾きすぎないことが肝心です。

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※もう一人の子どもが相手のことを思いやることができたとしても,もう一つのステップがあります。相手を選んでしまうことがあるということです。友達には思いやりを示すことができても,友達ではない人には気配りをしないことがあります。知らない人は,自分と同じ存在であると思わないということです。あかの他人のことなど知らないという線引きをすると,反社会的な行動をするようになります。袖振り合うも多生の縁という意識を失っていることが,現代社会の問題なのです。




 誰もいない部屋に帰ってくると,寂しくなります。明かりをつけて,次にはテレビのスイッチを入れます。誰かと一緒にいるような錯覚に浸ろうとします。あるいは,イヌなどの生き物を飼うことで紛らせようとします。会社でも皆でうるさく活気のある中にいるとやる気が出ますが,一人ぽつんと離れているとため息ばかり出てきます。一人になりたいときもありますが,孤独になると,元気がなくなります。子どもをひとりぽっちにしないように気をつけましょう。

★落書き★

 幼児は少しもじっとせずちょろちょろと動き回ります。全く落ち着きがありません。しかし,じっとしている方が不自然なのです。幼児の心臓や血管の働きはまだ完成していないので,心臓が送り出す血液は身体の末端まで届きません。そこで,身体を動かして筋肉を収縮させて,その際に血管が圧迫されて,血液の流れを促しているのです。下半身は心臓から遠いので,動き回ることが必要になります。


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