*** 子育ち12章 ***
 

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「第 37-05 章」


『子育ては 心を込めた 語りかけ』


【支援 37-05:子どもの言語の獲得を促していますか?】

 ■子育て12支援■
『子育て第5支援』
〜母の言葉が母乳ならぬ母語です〜

 《WHEN-01》
 この号は,子どもがいつ(WHEN)育っているのかという問に対する解答になっています。「雑草も名前分かると抜きにくい」という川柳がありました。名前がない草は存在を認知してもらえません。もう一人の自分が自分の名前を言えるようになったとき,自分の存在を認知できるようになります。同時に,ママ,パパという呼称によって自分と他者の識別ができるようになります。もう一人の子どもは,言葉を摂取するときに育っていると考えることにします。言葉は第2の母乳なのです。

 《言語の獲得》
 見知らぬ人を見たとき「あの人は誰?」という問が自然に出てきます。分かろうとしています。名前が分かれば,次は自分との関わりがどうなっているのかに関心が移ります。例えば,「○○ちゃんのお母さん?」というように,自分が知っている世界に関連づけていきます。また,子どもが「あれは何?」と問いたがるのは,名前を知ることによってその存在を識別し認知することができることに気がついたからです。「始めに言葉ありき」という有名な言葉は,人になる道しるべです。

 《覚える》
 子どもが発揮する好奇心は自分と周りの関係を理解しようとすることです。そのために五感を通じて獲得できる体験を整理しなければなりません。記憶の引き出しに分類するためには,ラベルをつけておかなければなりません。家計簿と同じように,電気代は光熱費の中に,お菓子代は食費にというように,モノやコトに名付けをすることで分けることができます。分けることが分かることの基本です。例えば,リンゴ=手に乗る大きさの赤い果物のイメージを思い出すことができます。

 《表す》
 人は感情を持っています。何かしらもやもやした気分であるとき,落ち着かなくなります。例えば,今自分は「恋をしている」と表現できると,気持ちの整理をすることができます。お腹が痛くなったとき,自分はトイレに行きたいんだと表現できると,行動に移すことができます。むかつくとしか表現できないと,むかつきは解消できません。言われたあの言葉が嫌だった,と具体的に表すことができたら,気持ちのトゲが見つかるので,後は抜けばいいのです。

 《対話と指示》
 「お母さん,あのね」という言葉が,普段の親子の間で使われていますか? 子どもの話を聞こうとする待ちの姿勢があれば,子どもとの対話ができるはずです。もしも「だって」と言わせているようでは,少し気をつけた方がよいですよ。親の方から一方的に話しかけ,それも指導ならぬ指示する言葉になっているので,子どもは「だって」と守りの体制を取らざるを得なくなっています。押しつけがましい言葉は,子どもにとっては酸っぱい言葉になって忌避されます。

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※教科書を読んでも,何が書いてあるか分からない。その言語力では,どんな説明を聞いても分かるはずがありません。確かに分からない部分はあるでしょう。でも,大方は分かるけど,この部分が今ひとつ分かりにくい,その段階まで自分の言語力でたどり着くことができなければ,教わることは無理です。一から十まで教わることは不可能なのです。学ぶとは言葉を知ることから始まります。ギャグにおぼれて豊かな言語生活をしていないと,落ちこぼれていきます。




 「水」。そう言われて何のことか分かりますか? 夏の日外で遊んでいた子どもが,「水」。のどが渇いたから,水を欲しがっているのかな? 庭の水道の蛇口がしっかりとしまっていなくて,水が流しっぱなしになっているのかもしれません。道路にイヌが流したおしっこの水を見かけたのかもしれません。いつどこでどんな水なのかという文章表現をしなくては,はっきりとしたイメージになりません。「お腹空いた」。それで? ちゃんと話しなさい!

★落書き★

 毎日食べるご飯は米を炊いたものですが,小麦は炊いて食べられないのでしょうか? そんなことを考えたことはありませんか? 小麦は粉にしてパンやうどんなどに加工して食べるのが普通です。そうせざるを得ないわけがあります。小麦は深い溝があり,外皮を剥くのはやっかいです。また,もろくて割れやすいという特徴もあります。そこで,精白して粒状にすることができません。粉にしてふるいに掛けて外皮を除く方法がとられているのです。


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