*** 子育ち12章 ***
 

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「第 37-06 章」


『子育ては 言葉をつなぎ 分かるよう』


【支援 37-06:子どもの概念の構築を促していますか?】

 ■子育て12支援■
『子育て第6支援』
〜単語表現から概念表現へ〜

 《WHEN-02》
 この号は,子どもがいつ(WHEN)育っているのかという問に対する第2の解答になっています。言葉という母語を覚えていくときに,もう一人の子どもは確実に育っていきます。しかし,ただ言葉を覚えるだけでは知恵にはなりません。幼い子どもがポケモンのキャラクターの名前をすべて覚えても,あるいは駅名をスラスラ言えるようになっても,それだけのことです。言葉を使って概念を描き出すことが,知恵になります。母乳で体力が育つように,母語によって知力が育まれるのです。

 《概念の構築》
 自己紹介をするとき,住所,氏名,学校名,学年のほか,特技や趣味などを並べます。いろいろな人物構成要素を説明することで,私という人間のイメージを構築しようとします。何かについて語るとき,言葉を精選して配置することで,素晴らしいイメージを書き上げることができます。言葉を適材適所で使いこなす文章力が,人の知性を豊かにする要件となります。豊かな知性とは,独りよがりではなく,他者にきちんと伝えようとする姿勢から醸し出されてきます。

 《合わせる》
 子どもたちが学校で国語,算数,理科,社会などの科目を学習しています。分かるために分けてあるのは,教育・学習の便法に過ぎません。総合学習という手法も採用されたように,実際の生活では,どの科目と限定された知識で間に合うのではありません。使うためにはすべてを合わせる力が必要になります。ところで,どの科目にも共通しているのが言葉であり,それ故に言葉を介して,あらゆる知識が総動員可能になっています。もちろん,音楽や美術も大事な科目です。

 《並べる》
 物事には順序があり,作業には流れがあります。道理に適った手順や,因果関係という向きに逆らうことはできません。物事を理解するためには,順序に沿って言葉を配列しなければなりません。簡単に言えば,論理的な文章であり,筋の通ったつながりのある文章です。論理に則った文章を使えるようになれば,行動が円滑につながっていきます。「だから言ったじゃないの」という言葉は,子どもの行動の順序が整っていないときに出てきます。先ず言葉を並べる教えが基本です。

 《整理と混乱》
 子どもが話していると,要領を得ないことがあります。そうでなくても,大人は物わかりよく話の途中で引き取ってしまいます。ところが,子どもは最後まで聞いてほしいと言っています。なぜなら,早とちりされて,本当に言いたいことが伝えられなくなるからです。子どもの話を整理しているつもりで,混乱させてしまっています。違うのにと思いながら,言い出せなくなります。聞く耳を傾けてやらないと,子どもは言葉が伝わる喜びを経験できなくなります。

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※「ちゃんとしなさい」という言葉が,それと意識してなくて出てはいませんか? 「きちんとしなさい」。子どもは何をどうすればいいのか,分かりません。言葉が具体的ではないからです。片付ける,という言葉があります。散らかっている物を入れ物に詰め込みさえすればいいのでしょうか? 片付いた状態の中で暮らしていれば,散らかると落ち着かなくなります。どうすればいいのかゴールを知っているので,片付けることができます。言葉は生活の中で生きているものです。




 子どもは年上の子どもや大人の真似をして,何でもしてみようとします。ときには,とうてい無理と思われることもあります。するというからさせてみるとできません。できないのははじめから分かっているのに! 子どもはしてみることが経験です。できない経験も大事です。できなかったら,できるようになろうという思いが植え付けられます。もう一人の子どもがどうせできないからと自分を見限る癖をつけないように,温かく見守ってやってください。

★落書き★

 ご飯をよく噛んで食べましょう。どうして? よく噛むと,消化にいいし,あごや歯が強くなるし,食べ物の美味しさが引き出され,頭も良くなるから! 唾液にはペルオキシターゼなどの酵素が含まれており,食品添加物や焼け焦げなどほとんどの発がん性物質に対して毒消し作用を持っているそうです。その唾液がよく出てくるのは食物を口に入れて30秒後からです。30回以上噛むとよいとされています。急いては事をし損じるです。お大事に。


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