『子育ては できない子どもが できるよう』
【支援 37-12:子どもの学習の実践を促していますか?】
■子育て12支援■
『子育て第12支援』
〜できそうなことを真似ながら〜
《HOW-02》
この号は,子どもがどのように(HOW)育とうとしているのかという問に対する第2の解答になっています。解答は,できそうなことを見習ってやってみようと挑戦することです。失敗することで自分の実力の壁に直面したとき,どうすればいいか分からずに立ち往生します。子どもがかんしゃくを起こすのはそんなときです。真似をすることを知っていれば,年上の子どもがどうしているかをじっと見て,同じようにすればいいという道が拓けます。真似をすることが学ぶことなのです。
《学習の実践》
スポーツで上手になるためには練習が必須です。練習は何のためにしているのでしょう。できることを確実にできるようにという基本の他に,できないところを見つけて,どうすればできるようになるか上手な人を見習ったりコーチをしてもらいながら,できるようになろうとすることです。自分の弱点を知らなければ,どこを学べばいいのか分かりません。勉強も同じで,予習をして分からないところを予め見つけておけば,授業で学ぶことが楽しくなるはずです。
《真似る》
子どもはどんなことができるか分かっていません。人がしていることを見て,あんなことができるんだと知ります。とりあえず真似をしてみます。できることもあれば、できないこともあります。じっとしていてできるように育つことはできません。他人のできることが見えるとき,育ちの目標が意識できて,育ちたいという意欲が湧いてきます。同年齢の中だけで育っていると,育ちの目標である自分の可能性が見づらくなり,育とうとしなくなります。見よう見まねが大事な育ちです。
《挑む》
したことがないことに対しては,臆病になるものです。しかしながら,しなければならない状況になれば,何とかやり遂げなければと挑戦します。任されるという状況もその一つです。はじめはぎごちなくても,やり続けるうちに様になってくるものです。育ちが進むまでには,時間が掛かります。育ちを見守るというのは,待つことからはじまります。待てずに親がしてしまうと,自分がしなくてもと気を抜いてしまい,挑戦しなくなります。自分がしなくては,その環境を与えましょう。
《補助と邪魔》
子育ちへの親のかかわりを整理しておきます。先ず目の前でしてみせることです。見ているだけでは形だけです。言葉で説明して,もう一人の子どもに理解させる必要があります。子どもにさせてみます。途中までであっても,できたことをほめてやります。これ以上は無理だというところは,明日の育ちに残して,代わりにしてやります。以上が,子育ちの補助です。一方で,子どもができないところを取り上げて全部やってしまうのが邪魔となります。育ちへの挑戦を摘んでしまいます。
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※育ちのステップは,先ず失敗をして,失敗から逃げずに原因を反省し,次はどうすればいいかと学習し,もう一度挑戦するという流れです。子どもを見ていると,ハラハラする挑戦をしています。どうしてなのでしょうか? 育ちのエネルギーにあふれているからです。そうせずにはいられない,それが子どもの生きようとする願いの表れです。危ないことは阻止するのは当然として,失敗することをきちんと見届けて,応援してやってください。親の見守りがあれば,元気よく育ちます。
子どもの育ちは,発達の年齢毎に相応しい要件があります。年相応に必要な育ちをしていかなければ,育ちの全体がぐらついていきます。だからといって,何歳ではこれができるはずという課題に過度にこだわることは禁物です。育ちのペースはそれぞれです。どの子も一斉に同じように育つわけではありません。その子に相応しい育ちを見極めて,今必要な育ちを促すようにすることが大切です。順序通りに育てようとせずに,適時の育ちを促すようにしましょう。
★落書き★
金魚すくいで取ってきた金魚を水槽で飼っているお家もあるでしょう。金魚が水面に上がってきて,口をパクパクさせることがあります。空気を吸っているように見えます。金魚には肺がないので,空気を吸うことはできません。水面の水は空気中の酸素が溶け込んでいるので酸素の濃度が高くなっています。金魚はその水面の水から酸素を補給しています。口をパクパクさせるのは,水面を揺らして空気との接触を増やすことで溶け込む酸素の量を増やしているのです。