『子育ては 考えさせて 決めさせて』
【徳目 38-01:子どもが決断をできるように導きましょう!】
■子育ち12徳目■
『子育ち第1徳目』
〜考える力が決断へ導く〜
《コメント》
フランクリンの13徳目では,「4.決断:やるべきことを実行する決心をすること。決心したことは必ず実行すること」となっています。やるべきことがあるときに,実行しなければけりが付きません。育ちの場合にも,やらなければならないことがあります。子どもは自覚していないこともあるので,親がやらせることになります。親から言われてやっても,嫌々という気持ちがつきまとい,やることが中途半端になります。育ちは自分が決めてすることです。決断するということができないと,育ちは子どものものになりません。
《決断する》
自分の行動を人に指図されたり,ましてや命令されるのは,嫌なものです。自分のことは自分で決める,それは最低限の自分らしさです。子どもにも人格があり,親の私物ではないと言われることがありますが,それはもう一人の子どもが自分のことを決めるということです。お母さんが言うから,そのときもう一人の子どもの出番がありません。もう一人の子どもが自分のことを決めていないと,もう一人の子どもは育つことを諦めてしまいます。依存しなければ生きられなくなります。決断することでもう一人の子どもは自分を動かす力を育てようとしています。
《選ばせる》
やるべきことをするかしないか,その選択が最も身近な決断となります。例えば,朝起きるか起きないか,子どもに決めさせます。「起きなさい」という命令は避けて,声を掛けるにしても,どうするか任せてみるようにします。起きようと子どもが決めるような形を作ってやります。子どもの判断に任せられないようなことには,選択肢を与えて,「どっちにする?」と尋ねるのもいいでしょう。親が決めなければならないこともありますが,子どもに決めさせてもいいことは結構あるはずです。自分が選んだ,そういう機会を与えましょう。
《考えさせる》
親が選ばせようとすると,子どもは考えざるを得なくなります。この自分で考えるということが重要です。指示や命令を受けてばかりいると,考えなくなります。それは従属させるしつけになります。子どもの考えることは十分ではないでしょうが,考える癖をつけてやらなければなりません。考えても分からないことがあるでしょう。分からないという自覚を持てば,大人に何を教わればいいかがはっきりします。子どもがよく口にする「何を聞けばいいのか分からない」というのは,尋ねる前に自分で考えていないからです。人は考える生き物です。
《自信が育つ》
自信とは,もう一人の自分が自分を信じることです。もう一人の子どもとは,自分を客観的に眺める者です。自分が好きと言っているのがもう一人の自分です。自分で自分が嫌になるというときのもう一人の自分です。自分は何をやるべきか,それを考えて決断するのはもう一人の自分です。決断している子どもは,自分をしっかり把握しているので,自分を信じることができるようになります。考えていない子ども,決断していない子どもは,自分を見つめることをしないので,自信は育ちません。自分を見ていないと,育ちはできません。
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※情報社会の中で育つ子どもは,考える機会が少なくなっていると思わなくてはなりません。知っているということは,コピーした文章と同じで,自分の知恵にはなりません。情報というのは考える素材です。考えるという調理を施さなければ,知恵という糧にはなりません。優しいという言葉を知っていても,どうすれば優しい行動になるか考えて,実行するという決心を伴わなければ,無意味になります。テレビからの情報を聞いて覚えても,「それで?」と問われたとき,自分にとって必要な情報であったかを思い知らされます。考えるというプロセスを抜いているためです。
人は自分勝手な欲望を抱え込んでいます。自然特に地球に向けられた結果,かつては公害,今は温暖化という結果を招いています。動物に向けられるとき,絶滅危惧種を産み出しました。同じ人類に向けられるとき,戦争や紛争に至ります。身近な社会に向けられると,食品偽装やいじめといった反社会的事件になります。人はお互いを助け合う社会の中で生きていく道を選んできました。一人ひとりは,社会性という生き方のパターンを身につけることが必至です。子育ての中に,子どもの社会性の育ちを促す意図を持ち込まなければなりません。
★落書き★
さかなは,「酒+な」が語源だそうです。「な」とは,魚や惣菜の意味でおかずのことです。酒のおかずということになります。水中を泳いでいるのは,「うお」といいます。魚市場はうおいちばと読み,さかないちばとは言いませんね。生きているのはうおで,料理をして食卓に上げるときはさかなになります。因みに,まな板のまなも,真+なであり,真のおかずを調理する板という意味ということです。子どもの健康な育ちのために,肉料理に片寄らず,魚料理も上手に取り入れてください。
あけましておめでとうございます。
子育て羅針盤第38版第1号をお届けします。今年もよろしく。
皆様にとって,本年も幸多い年でありますことをお祈りいたします。