*** 子育ち12章 ***
 

Welcome to Bear's Home-Page
「第 38-03 章」


『子育ては 心を支え 落ち着かせ』


【徳目 38-03:子どもが平静になれるように導きましょう!】

 ■子育ち12徳目■
『子育ち第3徳目』
〜安心する力が平静へ導く〜

 《コメント》
 フランクリンの13徳目では,「11.平静:小さなこと,つまり,日常茶飯事や,避けがたい出来事で心を乱さないこと」となっています。気にも留めない些細なことであれば,平静を保っていられるはずです。ところが,その小さな事がペースを乱すようになると,イライラしてきます。特に忙しい最中に,子どもが余計な手間を取らせたりすると,平静さを失い,邪険な扱いをしてしまうことがあるでしょう。忙という字は心を亡くすという形をしています。つまり平常心を亡くしていることになります。子育ちを焦ると,子どもは平静さを失いかねません。

 《平静になる》
 お腹が空いていると,気持ちが不安定になります。お腹をいっぱいにすると,気持ちがゆったりとしてきます。同じように心が満たされないと,些細なことでキレることがあります。心が満たされていると,平静さがあふれてきます。子どもは,心をお母さんの愛情でいっぱいにしたいと願っています。優しいの優の字は人偏に憂いと書きます。迷いや憂いのある子どものそばにいてやる人,それが優しさの基本形です。「お母さん」という言葉は,子どもにとって最も頼りになる言葉ですので,しっかりと受け止めてやってください。子どもの気持ちは平静になれます。

 《表現させる》
 子どもは自分の気持ちを上手に扱うことはできません。そのことと加えて,自分の気持ちを上手に表現することができません。赤ちゃんの気持ちは単純なので泣き声で大方の見当が付くでしょうが,子どもになると複雑な気持ちになってくるので,詳しく聞き取る必要があります。時間を掛けて,ゆっくりと話をさせましょう。こうでしょうと決めつけずに,それで?と聞く姿勢を保てば,子どもは話してくれます。その際に,何を聞いても動じないという態度を装ってください。親がアタフタするところを見ると,子どもは話せなくなります。

 《安心させる》
 子どもはいろんな不安や恐れを感じます。大丈夫と抱きしめてもらえば,落ち着きます。たとえ親がそばにいなくても,親の笑顔に包まれていると思うことができれば,安心することができます。子どもが失敗して傷ついたときなど,母親は痛みを気遣い,父親は悔しさを労るという二重の包み込みをしてやれば十分です。親が不安などを聞いてくれるとき,分かってもらえるように話そうとすることによって,自分の気持ちを整理することができます。きちんと聞くことで,子どもに心をつかませることができて,安心させることができます。

 《積極性が育つ》
 気持ちが乱れていては,することが手に付かず,集中することができません。グズグズしていると見える状態です。気持ちが平静であると,態度が落ち着き,一心に物事に取り組むことができます。地に足が付いていると見える状態です。不安や悩みを抱え込んでいると,それに耐えることに集中して,気持ちは内向きになります。そんなときに,ただ闇雲に背中を押すことは子どもには辛いことになります。大丈夫というメッセージによって不安や悩みを吸い取って,気持ちを平静にしてやることが先です。親との温かいつながりが積極性を育てます。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
※ここ一番の本番前には,緊張がめいっぱいに高まります。気持ちを落ち着かせようと焦ると,逆効果です。本番に強くなるためには,方法は1つです。十分な練習量です。とはいえ,練習をしていない人はいないでしょう。練習の仕方が鍵になります。練習だからと気を抜いていては,練習にはなりません。常にここ一番という気持ちを込めて,真剣に打ち込むことが大切です。真面目に練習をすれば,ミスを少なくすることができます。それが自信につながり,本番に望んでも平静さを保つ支えになります。




 ディジタルの世界には,0と1しかありません。試験の点数でいえば,0点か100点だけです。言葉で表せば,有るか無いか,できるかできないか,するかしないか,好きか嫌いか,食べるか食べないか,ハイかイイエか,いくつでも出てきます。この単純な判定を人間関係に持ち込んでいくと,敵か味方かという類別しかできなくなります。暮らしの世界はディジタルではありません。冬は寒く夏は暑い,でも春や秋は暑くも寒くもない季節であり,そのときが住み心地の良い時期になります。中庸という居場所を考えてみましょう。

★落書き★

 江戸時代の初期の頃,万福寺の住職であった鉄眼禅師は,大蔵経という経本を刊行することを思い立ち,25年を掛けて6万枚の印刷用の木版を彫り上げました。1681年に刊行できたということです。そんな古いことがどうしたのと思われるかもしれません。そのときの木版は20字×20行であり,今の原稿用紙の見本になっているのです。さらに,鉄眼禅師が彫った書体は今の明朝体の元になっているそうです。子どもたちの作文の形は,先人の技を受け継いでいることになります。


「子育ち12章」:インデックスに進みます
「子育ち12章」:第38-02章に戻ります
「子育ち12章」:第38-04章に進みます