『子育ては 時間をつかむ コツ教え』
【徳目 38-05:子どもが勤勉になれるように導きましょう!】
■子育ち12徳目■
『子育ち第5徳目』
〜仕遂げる力が勤勉へ導く〜
《コメント》
フランクリンの13徳目では,「6.勤勉:時間を無駄にしないこと。有益な仕事に常に従事すること。必要のない行為はすべて切り捨てること」となっています。後半に述べてある有益であるかどうかという点については別の号で考えることとして,ここでは,時間の過ごし方に焦点を当てることにします。暇つぶしに時間を盗まれないようにしないと,育ちの時間配分に空白ができます。あのときしておけばよかったという後悔は,時間を自分のものにしていないことから生じます。今やるべきことを今しておく,それが充実した時間を過ごすことなのです。
《勤勉である》
勤勉とは,「自分の都合で休んだりしないで,時間の限り一所懸命働くこと」と辞書にあります。反対語は「怠惰」です。暇つぶしにテレビを見たりゲームをしたりすることを控えます。生活が不規則になると,悪い育ちをすると言われます。夏休みの注意として,規則正しい生活をするように指導がされます。生活が夜型にシフトしてしまうのは,一所懸命に育ちに励んでいるのではなく,自分の都合で時間を浪費しようとしているせいです。受験勉強で夜遅くまで過ごしているのとは全く違っています。早寝早起きという生活を維持することが,子どもの育ちの条件なのです。
《定めさせる》
夏休みにこだわって考えると,一日の過ごし方という時間割を作らされているでしょう。大人は生活も仕事も時間に沿って動いています。時間割を持つことによって,人は流れていく時間を捕まえることができるからです。時間を長く捕まえようとすると,計画を立てなければなりません。工事などの作業では工程表に沿って,時間や月日を生かすことができます。無計画に事を進めていると,時間は素通りしていきます。夏休みの終わりに,失った時間の重さを後悔することになるという経験は,一度で終わりにしましょう。子どもに,時間割,計画を定めさせてください。
《仕遂げさせる》
時間割の役割は,行動を起こすスタートをきっちりとできることです。時間を失う最大の理由は,ことの始まりをつかみ損ねることなのです。ズルズルと後回しにする癖がつくようになります。次の課題はけりをつけることです。予定の時間が来たとき,きりのいいところまでやり遂げることです。時間が来たからと途中で放り出せば,次のステップの始まりが上手くつながりません。一応であっても何らかの形でやり遂げておくという経験を重ねると,自分のペースをつかむことができるようになり,実効的な計画を立てることができるようになります。
《自発性が育つ》
きちんと時間通りに始めることができて,一段落するところまでやり遂げようとすることによって,自発性が育ちます。時間が来たから止めてもいいけれども,きりのいいところまでやっておこう,その思いが湧いてくれば,それが自発性を育んでくれます。きりのいいところ,それを見極めるようにしているうちに,自分がしていることの全体のイメージを持つことができるようになります。昨日はここまでやった,今日はここから始めればいい。自分のやるべきことが明確に意識できるようになります。何をしているか自覚できないままであれば,自発性は育つことができません。
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※子どもたちは忙しいという状況もあります。学校以外に塾やクラブやお稽古事と休む間がないそうです。このような状況は時間の無駄をせずに勤勉であると言えるのでしょうか? 子どもの立場から見ると,追い立てられていることになり,もう一人の子どもが自分は勤勉であると自覚することはできないでしょう。自分の都合の中で一所懸命ではないからです。例えば,掃除の時間。してる振りをして時間を過ごします。掃除をきちんとできなくて,勤勉であるとは言えません。何事であれ,その時間のやるべきことに一所懸命になる,そこから逃げては育ちが手抜きになります。
物事について考える道具は,言葉です。言葉を知らなければ,考えることはできません。考えたことや感じたことを伝える道具も言葉です。言葉を交わすことで,共感や理解がお互いに可能になり,社会生活を維持することができます。ところで,言葉はかなりアバウトな特徴を持っています。例えば,誠意を示せと言われても,内容ははっきりしません。ムカツクと言っても,周りはよく理解できません。曖昧な言葉遣いをしていると,物事がゆがむことがあります。言葉を使うためには,よく考えて言葉を選び,組み立てる必要があります。
★落書き★
子どもが楽しみにしている節句,3月3日,5月5日,7月7日は,同じ数字の月日になっています。それぞれ昔からのいわれがある伝統行事です。さて,この3つの月日は,毎年同じ曜日になるということです。今年は,水曜日です。昨年は,火曜日でした。来年は,木曜日です。たとえ閏年であっても,3つとも2月以降なので,関係ありません。同じ曜日だからといってどうということはないのですが,行事日程を考えるときには参考になるかも? もう2月です。年度末はあれこれありますね。