*** 子育ち12章 ***
 

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「第 38-08 章」


『子育ては お互い様に 育てられ』


【徳目 38-08:子どもが正義を行えるように導きましょう!】

 ■子育ち12徳目■
『子育ち第8徳目』
〜信じる力が正義へ導く〜

 《コメント》
 フランクリンの13徳目では,「8.正義:他人の利益を損なったり,与えるべきものを与えないで,他人に損害を及ぼさないこと」となっています。具体的な説明部分は,損得のバランスを正常に保つことですが,ここではもう少し広げて,社会的な筋道といった理念を考えておくことにします。手元の辞書では,正義とは,道理に適っていて,正しいこととあります。義とは,羊と我との合字で,おのれの正しい威儀の意味だそうです。自分の行動が道理に適っているためには,社会的な道理を身につけておかなければなりません。人として生きていく上での指針が必要です。

 《正義を行う》
 消防士や看護士さんになる人は,長男や長女である人が多いと聞いたことがあります。子ども時代に幼い弟や妹の世話をしているうちに,人を守るという正義の根幹を身につけていくのでしょう。そうしなければならないという理屈ではなく,守りたいという気持ちが育つから,迷わずに生きていく道を選択しています。お金を儲けたいとか,楽をしたいという気持ちしか育たないとしたら,それは自分の世界にのみ拘ることになり,社会に適応できなくなります。周りの人のことを気遣う気持ちを発揮できるように,子どもの暮らしを整えましょう。

 《比べさせる》
 子どもはあれやこれやの世話を受けて育ちますが,その際に「ありがとうございます」という言葉をしつけられます。ありがとうという言葉は,プレゼントをもらったときのように,極端に言えば,自分に得があるときに出てくる言葉です。ありがとうしか言えないと,自分の得ばかり願うようになって,誰もしてくれないという嘆きを引き連れてくるようになります。ちょっと損をするけど,誰かにしてやると,ありがとうと言われます。ありがとうと言われるときのうれしさを,ありがとうと言うときのうれしさと,比べる機会をたくさん作ってやってください。

 《信じさせる》
 社会はありがとうではなく,どうぞという人がいるから成り立っています。いま,どうぞという立場を自分が引き受けることは夢にも思わず,もっぱら他人にのみ押しつけようとしている傾向があります。してくれないという立場に閉じこもっている自分に気がついていないようです。例えば,地域のことは人任せ,子どものことも学校任せに傾いています。どうぞとありがとうという言葉を普段から同じ程度に使うことで,お互い様の世界ができると信じさせましょう。お互いを生かし合っていこうという気持ちが,正義という理念に昇華していきます。

 《価値観が育つ》
 価値観が多様化しているといわれていますが,価値観とはいえないものも紛れ込んでいます。例えば,自由という価値観はなんでもありということではなく,他者に対する迷惑を掛けない範囲という制限があります。個性尊重も,傍迷惑ではない範囲でのことです。守るべき人がいる人の生き方はしっかり筋が通っていますが,それは自分独りの世界に閉じこもっていないからです。自分たちという世界の中に住んでいるから,博愛という理念をベースにした自由や平等という価値を実現することができます。道理の道は,自分独りの道ではないことをきちんと意識するようにしましょう。

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※男の子が好きな戦隊もののコンセプトは,「正義と友情と勇気」です。仲間や同胞の危機を救うために,悪に立ち向かっていく勇気に,心躍らせています。その経験が,悪を憎み善を愛する感情的な基盤を作り上げていきます。理屈で学ぶことは,理屈でひっくり返ります。感情という根っこがないからです。人が好き,仲間が好き,家族が好き,大好きだから守りたい,そういう育ちの階段を用意してやることが大事です。人を出し抜いて生きていく麻薬を覚えたら,心のがん細胞になることでしょう。自分のために生きる,大事ですがほどほどにすることで,何かが見えてくるはずです。




 虐待を受けている子どもは,親を悪いと思わない,憎まないと言われます。周りの人に訴えてくれれば,助けてやることができるのにと,いつも残念に思うばかりです。親を信じ切っている心根が切なくなります。子ども心の誠実さが裏切られているのは,人として悲しくなります。虐待が親子間で連鎖するとも言われます。子どもの愛し方を間違えたまま,それがそのまま体験として残っていくのでしょう。虐待を受けた仕返しをしているとは,思いたくありません。子どもの心を汚さないように育てたいものです。

★落書き★

 コタツでうたた寝をすると気持ちのいいものですが,風邪を引きやすいと言われています。温かいから風邪を引くという逆説があります。足が温められると,そこで温められた血液が身体を巡ります。脳がそのことを検知して,体温が上がりすぎないように,体温を下げる信号を出します。上半身は寒い状態になっているのに,さらに体温が放出されるということになります。眠るとかなりの時間その状態を維持するので,風邪を引きやすくなるというわけです。何かを身体に掛けてやりましょう。


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