*** 子育ち12章 ***
 

Welcome to Bear's Home-Page
「第 38-09 章」


『子育ては 互いに交わす 誠実さ』


【徳目 38-09:子どもが誠実でいられるよう導きましょう!】

 ■子育ち12徳目■
『子育ち第9徳目』
〜共感力が誠実へ導く〜

 《コメント》
 フランクリンの13徳目では,「7.誠実:策略を用いて人を傷つけないこと。悪意を持たず,公正な判断を下すこと。発言する際も同様」となっています。誠実であることは,ある面では子どもじみていると思われますが,簡単であるようで,実はかなり困難なことでしょう。世間はそんなに甘くはない,うまく立ち回った方が得であるという弱さに取り付かれるからです。ただ,人生という長い時間を考えると,結局のところ収支は,誠意のある方が得になります。単なる損得を離れて,悔いのない人生は誠意に貫かれたものであることは明らかです。

 《誠実である》
 誠実であるためには,例えば,嘘をつかないといったことがあります。自身のことで一度嘘をつくと,必ず嘘を重ねることになり,身動きできなくなります。人を巻き込んだ嘘は,いずれ必ず暴かれてしまいます。人の噂話も,気をつけていないと,知らないうちに嘘を交えて面白くしようという誘惑に負けてしまいます。それが講じると,いじめにつながっていきます。あるいは,わがままが過ぎてトラブルになりかけたら,ごめんなさいという言葉が出れば,お互いに傷つかずに済みます。誠実とは,自分と同じに相手を大事にすることです。

 《直面させる》
 手伝いを頼むと,嫌な顔をします。それには気付かないふりをして,とにかくやらせます。した後のフォローが大事です。してもらったら,必ず笑顔でありがとうを言って,労をねぎらいます。それで終わりではありません。後で,団らんの際などに,○○ちゃんが手伝ってくれたのでとても助かった,と家族に紹介します。嫌々したのに喜んでもらえた,自分のしたことが認められたという経験に直面していくと,やがて嫌々という気持ちが薄れていきます。誠実な手伝いに変わっていきます。誠実とは,人の喜びを我が喜びとすることです。

 《共感させる》
 赤ちゃんはいろんな表情をします。そのうち,ある表情をすると,皆が喜んでくれることを知り,笑顔を覚えていきます。子どもは自分の行動のあり方を,周りの反応によって確認しながら整えていきます。テレビで育つ子どもは,テレビからの反応がないので,表情が鈍くなり,行動の洗練がなされにくくなります。家族が笑っていると,訳も分からず笑顔になるように,人の中で共感し合うことで,お互いの温もりを作り出す術を身につけていきます。自分だけの世界には,誠実さは必要ありません。私たちという世界を知ったとき,子どもは誠実になっていきます。

 《共生感が育つ》
 誠実さには誠実さで応えるのが自然です。たまには,不誠実さで返されることもありますが,その時は付き合いリストから外すのが凡人の知恵です。あくまでも誠実さを押し通す寛大な意志は後に残しておけばいいでしょう。誠実さを軸に行動をしていれば,堂々と表の世界で生きていくことができます。誠実さを失うと,人の目が怖くなり,コソコソとしたり,ふてくされたり,気持ちがささくれ立っていきます。社会を成り立たせているのは誠実さの交換という信頼です。その信頼が共に生きる喜びを産み出しているのです。生きていてよかった,その喜びは孤独にはあり得ません。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
※子どもは何かと不始末をしでかします。そんなとき,自分をかばおうとします。例えば,オモチャが壊れたと言います。壊したとは言いません。あるいは,壊したオモチャを隠してしまうことがあります。叱られないことを避けているのですが,それでは不始末のけりがつかず,抱え込んでしまい,心のトゲになります。早くけりをつけるためには,自分の不始末に誠実に向き合い,謝り,後始末することを覚えさせなければなりません。不始末を隠したり逃げたりする癖がつくと,卑怯な育ちに曲がっていきます。誠実さは健全な育ちの道標です。




 自然児は野放図で,協働を旨とする社会では異端の存在になります。粗野で卑劣な振る舞いが現れるようになります。気に入らないと暴れたり,勝手な行動をしたり,傍迷惑になります。優しさや思いやり,感謝といった基本的な心情とは無縁になっていきます。洗練された振る舞いを身につけるためには,適度な抑制を加える必要があります。身体の育ちにはカロリーの控えめが必要なように,精神の育ちには本能の控えめが必要になります。謙譲の美徳という言葉があったことを思い起こしておきましょう。

★落書き★

 子どもの好きなクマさんは,冬になると冬眠します。ところで,動物園にいるクマさんが冬眠していると聞いたことはありません。どうなっているのでしょう。自然界では,冬になると餌が無くなります。そこで,クマさんは冬が近づくと,木の実や川魚や小動物をたくさん食べて,皮下脂肪を厚くします。この皮下脂肪がつくと冬眠します。動物園では,餌の量が一定なので皮下脂肪がつかず,冬眠しないということです。当然,冬にも餌が与えられます。住む環境に応じて,生態が変わるのです。因みに,クマさんは本当は怖いということを,欧州では教えているそうです。


「子育ち12章」:インデックスに進みます
「子育ち12章」:第38-08章に戻ります
「子育ち12章」:第38-10章に進みます