*** 子育ち12章 ***
 

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「第 38-13 章」


『子育ては 育ちの指針 見定めて』


【徳目 38-13:子どもが純潔でいられるよう導きましょう!】

 ■子育ち12徳目■
『子育ち第13徳目』
〜修正力が純潔へ導く〜

 《コメント》
 フランクリンの13徳目では,「5.純潔:性の営みは健康,または子孫のためにのみこれを行って,決してそれにふけって頭の働きを鈍らせたり,身体を衰弱させたり,自分自身,または他人の平和な生活や信用を損なわないこと」となっています。子どもに対しては性教育ならいざ知らず,性の営みについては少し早いようです。そこで,ここでは心の純潔と考えることにします。陰でコソコソするのではなく,日の当たる表道を歩くためには,心が曇らないようにしておくことです。

 《純潔でいる》
 純潔とは汚れていないことです。汚れとはどういうことでしょう? 妬みや嫉み,恨みなどといった誰もが自分の中に持ち合わせている気持ちにまみれることもあるでしょう。そこから,人を陥れたり,蔑んだり,貶めたりして,自分を慰撫しようとする弱さも現れてきます。子どもは自分の中の汚れに気付くことができないまま,周りの人を見る目が汚れて,信頼できるはずの関係までを自ら壊してしまうことになります。真面目な子をからかったりいじめたりする弱さに気付かせないと,汚れは染みこんでいきます。

 《見習わせる》
 男の子はお父さんのように,女の子はお母さんのようになりたいと思うでしょう。家庭では大人は本音で暮らしていますが,その暮らしぶりが信頼に満ちたものでありたいものです。人前と家での姿が違うのは仕方がないとしても,もしも極端な陰日向があると,子どもは陰の姿を見習うことになります。子どもの前では,多少気をつかった方がいいでしょう。明るく曇りのない家族であれば,心は真っ直ぐに汚れのない状態を保つようになり,社会の汚れに対する抵抗力がついていくはずです。少しでも汚れていると汚れることに対する忌避をしなくなりがちです。

 《正させる》
 親は子どもの気持ちが汚されないように気配りをしていますが,守りきれません。少しばかり汚れてしまうことがあります。そのときに汚れに気付かせることが大事です。汚れたと気がつけば,正すことができます。汚れた経験があれば,何が汚れかを判断することができます。純真無垢のままでは,汚れとはどんなものか分からないので,正す時機を失して,深みにはまっていくようになります。子ども同士の付き合いの中には,心の汚れも噴き出してきます。見逃さずにきちんと修正することを教えてやりましょう。

 《公明性が育つ》
 社会生活では,公明正大であることがなによりの信頼の元です。心に汚れがあると,それを秘することに余計なエネルギーを使い,こそこそし始め,結局のところ,綻びが繕いきれなくなり,破綻という結末に至ります。子どものうちに,心の土台を純潔な状態にしておけば,その上に組み上げる生活は誰に憚ることもない公明正大なものになります。子どもが持っている素直さや澄んだまなざしは,公明正大に生きるための学びを充実させてくれます。人の話を聞くという態度も,実のところ,心が純粋であるから可能になります。

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※この版では,フランクリンの13徳目になぞらえて,子どもの育ちに期待される徳目を考えてきました。徳目というと,古くて堅苦しいもののように感じますが,社会,世間で生きていく上では,現在も不可欠なものです。古いから捨ててしまうということだけをして,代わりになるものを取り入れてこなかった放縦さが,今の社会のそこここに見られる人間関係の軋みを産み出しているような気がしています。人のわがままな欲望を抑制する徳目が,子どもが育って行く先にある社会を維持するに必要な資質であったことを,おさらいしてみました。




 次号からは,第39版に入ります。平成元年に国連総会で「児童の権利に関する条約」が作られ,平成6年に日本はこの条約を結びました。この条約は全40条からなりますが,その中から,この子育て羅針盤では,12の条文を選んで,考えていきたいと思います。参照させていただいた「子どもの権利条約 日本ユニセフ協会抄訳」は,
 http://www.unicef.or.jp/kenri/syouyaku.htm
からご覧になれます。なお,各号のタイトルとして権利名を付していきますが,このマガジンの独断によるものですので,ご了承をお願いしておきます。

★落書き★

 最近,筆記具の主流はボールペンやシャープペンになって,鉛筆は日常では見かけなくなりました。鉛筆の芯を削らずに使い切ると,1本で約50kmの線が書けるそうです。マラソンコースよりも長い距離です。400字詰めの原稿用紙では,2500枚相当で,長編小説が書けてしまいます。ただ実際は,削るときに芯も削るので,あくまでも計算上のことです。因みに,ボールペン1本では,約1.5kmにすぎないということです。鉛筆は長持ちする筆記具なので,芯が折れないように大事に使えば,エコになります。


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