『子育ては 子どもが決める 機会持ち』
【権利 39-01:私が生きる権利!】
■子育ち12権利■
『子育ち第1権利』
〜生きる権利・育つ権利〜
《コメント》
子どもの権利条約・ユニセフ抄訳では,「第6条:生きる権利・育つ権利:すべての子どもは,生きる権利を持っています。国はその権利を守るために,できる限りのことをしなければなりません」とあります。条約ですから国が登場しますが,子どもに直接に関わる親・大人もきちんと認識しておかなければなりません。親の生きる権利のために,子どもの生きる権利をないがしろにしてはいけないということです。子どもが健やかに育っていくことを保障する義務を親・大人は負っているのです。
《私であること》
自分では何もできない幼児は,生きるために親に依存しています。あなた任せの状態に置かれていると,自分で決める機会がありません。あれやこれやを指図されてばかりいると,自分で考えることをしなくなります。私はこう考えてこうすると決めていくことが,私が生きるということです。もちろん,周りの親や大人の立場からは,子どもの考えは未熟であったりわがままであったりして,必ずしも受け入れられないものが多いでしょう。それでも,成長に合わせて,子どもが自分の裁量に任されることがあると感じることは,大切なのです。
《名を意識させる》
子どもの権利条約第7条は,名前・国籍を持つ権利となっています。子どもが私を意識できるためには,「私は誰々である」と,自分を名前で認識することが不可欠です。それができたときに,もう一人の子どもが誕生します。人見知りや恥ずかしさといった感情を持つようになるとき,私という自意識が育まれます。固有の名前があると知ることによって,他者と違う私という意識を持てるようになります。「あなたは」という呼びかけではなく,「○○ちゃんは」と語りかけるようにしてみてはいかがでしょう。
《決めさせる》
子どもに私が生きていると思わせるためには,子どもに考えさせて決めさせることがなにより近道です。何もかも指図されていては,私はいないのも同然です。子どもに考えさせるといっても,考える材料を持ち合わせていないので,いきなりは無理です。そこで,「どちらにする?」という形で選ばせるようにします。こちらを選んだのは私であるという状況を与えるようにします。選ぶという行為は,最も簡単な決定行使になります。「今日は何が食べたい?」,そんな他愛のない会話もいいでしょう。
《私意識が育つ》
自己紹介をするとき,私はこういう人間ですと説明をします。自分について語ることができるのは,もう一人の自分がいるからです。もう一人の自分が,「私は太郎である,男の子である,10歳である,3人兄弟の兄である,希望小学校の生徒である,性格は明るい・・・」と,自分を特徴付けていくことで,自意識が育まれていきます。我を忘れるという状況は,もう一人の自分がいなくなることと考えることができます。私が生きるためには,もう一人の自分が私を生かすという手続きを踏むことが不可欠になります。
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※母子密着状態は,乳幼児時期には大事ですが,やがては親離れという脱皮をする必要があります。母親と一体であったのに,いつしか母親は自分の一部ではないと思うようになって,もう一人の子どもが誕生してきます。母子分離の不安が,独立した自分という存在を否応なく気付かせてくれます。母親とは違う私,そのことの発見がもう一人の子どもの誕生の瞬間となります。物心がついたということです。その母子分離を促すのが父親の出番です。母親を連れ合いとして子どもから奪うという役目です。父母と子どもの健全な三角関係です。
私意識を持つといっても,わがままや自堕落,あるいはすねてしまうような私意識では困ります。生きていく,育っていくためには,開かれた私意識を持つようにしたいものです。しっかりとした自分意識です。独りでは生きてはいけない中で,周りの人とのつながりは不可欠です。ところが,つながりは当然のこととしてお互いの自分意識がぶつかり合うことになります。自分意識のすり合わせを余儀なくされます。もしも相手に巻き込まれてしまったら,自分意識は消えてしまいます。自分を守るという決意が育たなくてはなりません。
★落書き★
味噌の原料の大豆は,健康にいいことずくめです。ところが,何でもそうですが,食べ過ぎはよくありません。大豆には甲状腺異常を招く物質が含まれています。日本人は大豆食品をたくさん食べていますが,甲状腺異常は少ないそうです。実は,この物質はヨウ素と一緒に摂取すると消されてしまいます。そこで,ワカメの味噌汁が良いバランスになっています。その他,煮豆にコンブ,大豆とヒジキ,湯豆腐のコンブといった組み合わせが健康によいということです。定番になっている食事の配合は,身体によいのです。
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