『子育ては 周りの人の 違い見せ』
【権利 39-02:誇りを守る権利!】
■子育ち12権利■
『子育ち第2権利』
〜プライバシーを守る権利〜
《コメント》
子どもの権利条約・ユニセフ抄訳では,「第16条:プライバシー・名誉は守られる権利:子どもは,自分のこと,家族のくらし,住んでいるところ,電話や手紙など,人に知られたくないときは,それを守ることができます。また,他人からほこりを傷つけられない権利があります」とあります。家族の中では開けっぴろげな状態でいいのですが,外の社会ではそうはいきません。人はそれぞれ独立して違っています。違いは誤解や憶測,妬みや違和感など,様々な不調和をもたらすことがあります。社会生活において身を守るためには,特定されることを避けなければなりません。
《秘密を守ること》
お母さんは私のことを私以上に何でも知っている。幼い子どもはそう感じています。それは安心感をもたらしますが,一方で,もう一人の子どもは自分を掴まえていない不安も感じます。支配されているという感じです。親も知らない内緒事が自分にはある,もう一人の自分しか知らないことがある,そうなったとき,もう一人の子どもは自分とぴったり寄り添うことができます。ただし,隠し事というマイナスのことは早く吐き出しておかないと,心の重荷になって苦しむことになります。
《口をつぐませる》
幼い子どもは家の内外の区別をしていません。家の中のあれこれを経験しているのですが,理解はしていません。よその家との違いに出会ったとき,はじめて自分の家のことに気がつきます。家ではこうこうであると口にすることで,理解を深めようとします。そのことが,よその人に家のことをぺらぺら話し回っていることになってしまいます。「○○ちゃんちではね,こうなんだよ」と,子どもが違いを見つけて話してきたときは,きちんと聞いてあげましょう。よそを知ることで,自分の家のことを理解しようとしているのです。家で十分に話せれば,よそで話す必要がなくなります。
《目をつぶらせる》
社会生活では,見てはいけないことがあります。見ても見なかったことにすることがあります。のぞき見することははしたないことです。それは単なるマナーではなく,プライバシーをお互いに守る大事な決めごとです。子どもはたいがいのところで無礼講的な立場ですから,他人のあれこれをあけすけに見てしまうことがあります。見たことを口に出したとき,口にしないように封印することを教えなければなりません。胸の中に納めておくという,他人に対する心配りを育てておかないと,爪弾きされかねません。
《自尊心が育つ》
もう一人の子どもが自他の違いに気付き理解するようになると,皆の中の自分という意識によって,社会に向けた育ちを始めることができるようになります。自分を大事にすることと同じように,周りの人を大切にすることによって,わがままというアク抜きをすることができます。他人には知られたくないプライバシーを自分は持っている,周りの人も自分とは違う内容のプライバシーを持っている,その了解をすれば,そこから自尊心が生まれ,自分に対する誇りを意識できるようになります。
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※親離れした子どもは不安になります。子離れした母親を捜します。母親は父親のそばにいます。大好きな母親はどうしてあの人のそばにいるの? 母親にとって,自分とあの人はどう違うのかと感じ始めたとき,もう一人の子どもが誕生して,自分とあの人を相対的に比べる能力を発揮しようとします。分離不安は,もう一人の子どもの誕生の陣痛のようなものです。自分は○○ちゃん,母親はママ,あの人はパパ,お互いの呼び名を理解することで,もう一人の子どもは家族の中の自分意識を持ち始めます。
母親は自分と必ずしも一体ではない,その分離不安を解消しなければなりません。家族という一体感を与えることが必要になります。子どもにとって最も基本的な社会は家族関係です。社会性の土台は家族によって培われます。家族の一員であるという確信があれば,不安が消滅するだけではなく,安心が育まれます。子どもが育つ場所,それは家庭であり,地域であり,学校であると言われることがありますが,具体的な場所として考えるのではなく,安心できる場が育ちの場と理解しておくことが肝要です。
★落書き★
鳥の歩き方を見ると,2通りあります。スズメのようにピョンピョン歩くもの,ハトのようによちよちと2足歩行をするものです。カラスは両方の歩きをするようですね。ピョンピョン歩きをする鳥は,元々樹上で枝から枝へ移動する生活しており,地上の虫や落ちた木の実を食べるときだけ降りてきますが,跳ねるようにしか動けません。ハトは樹木に止まっているものの,餌は地上で探すので,移動しやすい2足歩行をします。水鳥も2足歩行ですね。生きていくための適応性が,歩き方に現れているのです。
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