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「第 39-07 章」 |
『子育ては できる能力 見届けて』
【権利 39-07:活動をする権利!】
■子育ち12権利■
『子育ち第7権利』
〜してみる権利〜
《コメント》
子どもの権利条約・ユニセフ抄訳では,「第31条:休み,遊ぶ権利:子どもは,休んだり,遊んだり,文化・芸術活動に参加する権利があります」とあります。子どもは動き回ります。少しもじっとしていないのは,活動することが楽しいからです。機能快という言葉があります。機能を使うことが快感になるといった意味です。もう一人の子どもがこうしたいと思って,その通りに自分の身体が動くことができたらうれしい,その繰り返しによって子どもは育っていくことができます。何でもしてみよう,その気持ちを見守ってやってください。
《身体を使うこと》
きつい,汚い,危険という3Kが嫌われるようになって久しくなります。危険は論外ですが,きついから嫌だ,汚れることはしたくないと思っていると,大切な能力の発育はできません。例えば,勉強の面で,書くのがきついからと手を使わずに済ませていると,覚えは悪いままになります。手を使って書くから,覚えられるのです。面倒なことをするから,手が器用に動くようになり,手の動きを支配している脳が機能を高めていきます。また,手に限らず全身を使うようにすることで,現実世界に根を下ろした知能を獲得することができます。
《実行させる》
子どもは見たり聞いたりして,いろんなことを知っていきます。気をつけておかないと,知っているという段階で止まることが多くなります。例えば,絵を描くということはどうすることか,知っています。でも,実際に絵を描かせると,思うようにはいきません。してみることによって,見たり聞いたりしたこととの違いに気がつき,見えていなかったことを身体で覚えることができます。知っているからといってできることとにはならないこと,したことのないことはできないということ,経験することが育ちであることを忘れないでください。
《用意させる》
登園や登校の前に,「忘れ物はないね」と念を押しているでしょう。いろんなことに対して対応できるように,事前に用意をしておくことが大切です。子ども向けの行事等で,お膳立てを大人が済ませて,子どもは途中から関わるパターンが普通でしょう。子どもはどのような準備が必要であるかを経験することができません。何かをするときには,材料や道具などを予め準備しなければ始まりません。この始まりから,つまり0からの出発がとても大事な経験になります。それをしていないと,あれがない,これがないと人頼みになってしまいます。
《創造性が育つ》
「何が食べたい?」と尋ねられて,夕食でごちそうを食べています。食べたいものが食べられます。ごちそうは買い物,調理,配膳,後片付けといった一連の作業をすることによって,可能になります。たまには,その一連の作業に子どもを付き合わせてみてください。食べるという部分だけではなく,全体を経験することで,多くのことを学ぶことができるはずです。あり合わせのものでごちそうを作ることができる日もあるでしょう。食事を作る過程を経験すれば,他の物事全般の創造をすることに生かすことができるようになります。
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※もう一人の子どもは,言葉を覚えることで育ちます。言葉はイメージですから,もう一人の子どもは現実世界にはいません。現実の世界にいるのは,子どもです。もう一人の子どもと子どもがつながるためには,もう一人の子どもが思ったり考えたりした通りに,子どもができる能力を身につける必要があります。子どもにできないことを,もう一人の子どもはできないことと修正をすることになります。その修正が整ったときに,言行一致となります。口で言うのは簡単ですが,実際にできなければ能力とは言いません。
人は人のつながりの中で生きています。お互い様という関係が保たれる限り,平穏な毎日であるはずです。一人ひとりができる能力を発揮して,自分だけではなく周りの人も一緒に包み込むようにすれば,気の置けない温かさが醸し出されます。自分だけが楽をしよう,うまく立ち回ろうといったさもしさが出ると,人間関係は冷えたものになります。一人ができることは限られています。それぞれが自分にできることを持ち寄るから,大きなことができるようになります。人間関係は各人の能力を増幅しますが,その機能が働くために必要な条件について考えます。
★落書き★
ヒヨコは卵から孵ります。卵は固い殻に包まれています。孵る前の卵の中にいるヒヨコは息苦しくはないのでしょうか? そんなことを考えたことはありませんか? 実は,卵の殻にはたくさんの穴が空いています。卵1個あたり7,000〜17,000個の気孔があるそうです。その穴を通して酸素が供給され炭酸ガスが排出され,ヒヨコは呼吸をしています。この気孔は気体は通しますが,細菌は通しません。また卵殻膜が細菌の侵入を防いで,ヒヨコを守っています。命を守るシステムはすごいものですね。
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