*** 子育ち12章 ***
 

Welcome to Bear's Home-Page
「第 39-09 章」


『子育ては 自分を守る 守られて』


【権利 39-09:保護される権利!】

 ■子育ち12権利■
『子育ち第9権利』
〜守られる権利〜

 《コメント》
 子どもの権利条約・ユニセフ抄訳では,「第32条:経済的搾取・有害な労働からの保護:子どもは,むりやり働かされたり.そのために教育を受けられなくなったり,心やからだによくない仕事をさせられたりしないように守られる権利があります」とあります。子どもに仕事や働くことをさせてはいけないということではありません。過度になったり不健全だったりしないように気をつけておけば,働くことは育ちには不可欠なことです。保護することが何もさせないということになっては,困ります。

 《甘えないこと》
 子どもは親や大人から保護を受けています。例えば,家の手伝いなど,したくないことはしなくていいと思っているとしたら,生きる力の学びを欠席することになります。また,朝起こしてくれなかったから遅刻しそうだというのは甘えです。自分でできることは自分でするようにしなければなりません。保護されることは,自分にできないところだけです。自分でしなければいけないことをしなくても誰かがしてくれると思っていると,それは周りの人に迷惑をかけていることです。甘えてばかりいると,育ちから逃げることにもなります。

 《肯定させる》
 子どもたちはそれぞれ違った家庭環境の中で育っているので,育ち方にばらつきがあります。得意なことや苦手なことがそれぞれです。もちろん,年齢による差もあります。そんな子どもたちが一緒にいると,自分にはできないこと,弱いところがあると気がつきます。そこに分かれ目があります。一つは,できない自分を「駄目な私」と否定することです。その道は行き止まりです。もう一つは,今はできなくていいと「現実の私」を肯定することです。子どもは育ち続けることができます。子どものありのままを認めてやること,それが子育ての場面で子どもを保護することです。

 《努力させる》
 子どもは成長途上にあるという意味で,弱い存在です。その弱さを認めることで,次の育ちが可能になります。だめ出しをされ続けると,育ちへの意欲は水をかけられます。育ちは少しずつ目に見えない速さですすみます。駄目だと諦めるのではなく,少しでも自分でなんとかしてみようという気概を持たせることも大切な保護になります。守るだけではなく,背中を押してやることです。人は努力という行為によって成長するものです。継続は力なりといわれますが,くじけずに続ける努力が能力を呼び寄せる方法なのです。努力しているところが育ちの最前線です。

 《継続性が育つ》
 よちよち歩きの子どもがいつの間にか走り回ります。補助輪つきの自転車から,補助輪なしに変わっていきます。そこにあるのは継続していることです。慣れてくるというプロセスが育ちの道筋であることを理解すれば,子どもはあらゆる育ちを信じることができます。何かを練習しているとき,思うようには上手になれないことがあります。そのようなとき諦めようと思うことがあるかもしれませんが,継続する体験を身につけていれば,知らず知らず継続していくことができます。子どもは自覚していないかもしれませんので,継続の大切さを教えてやって下さい。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
※もう一人の子どもが,子ども自身を大丈夫と守る必要があります。自分は弱虫だ,いない方がいい人間だと見放すことがあるととても危険です。親や周りの人から守られているという確信があれば,もう一人の子どもは自分を守ることができます。身近な人が自分をどのように守ってくれているか,それを学ぶことで,もう一人の子どもは自分の守り方を覚えていきます。大丈夫だからというメッセージを送りながら,どのように守っているのか,しっかりと見せてやって下さい。自分を守ることのできる子どもを育てて下さい。




 大きくなりたい。この簡単で素直な思いを持つ限り,子どもは自ら育っていきます。親にとやかく言われなくても,ということです。ところが,保護が過ぎて,甘え癖が付くと,今が一番いいと,大きくなることを避けようとします。大人になってもいいことはないと見限ることがあれば,成長は止まります。親元を離れようとせず居座って,いつまでも保護され続ける自分を思い描きます。お父さんのような大人になりたい,お母さんのような大人になりたい,そう思わせることができたらいいのですが・・・。

★落書き★

 毎日のテレビで,なんとなく見ている番組は,天気予報でしょう。そのほとんどが,雨が降るか降らないかという関心です。ところで,晴れと曇りの境目はどうなっていると思われますか? 空をぐるっと見回して,雲で覆われている割合が1割までを快晴といいます。その雲量の割合が2割から8割までを晴れといい,9割以上になれば曇りといいます。晴れ間が2割しかないほど雲がほとんどの空は曇りと思いたくなりますが,天気の基準では晴れなのです。雨は雲量とは関係なく,降れば雨で,分かりやすいですね。


「子育ち12章」:インデックスに進みます
「子育ち12章」:第39-08章に戻ります
「子育ち12章」:第39-10章に進みます