*** 子育ち12章 ***
 

Welcome to Bear's Home-Page
「第 41-02 章」


『子育ちは みんなの中に 自分見て』


【公式 41-02:子育ち第2式】

 ■子育ち12公式■
『子育ち第2式』
〜社会性=もう一人の自分×(自尊+他尊)〜

《解説》
 親離れして,もう一人の子どもが誕生すると,ママとの一体感を失ったことに気がついて,不安になります。自分は何かを確かめていきます。名前は○○である。男である,女である。3歳である。強い子である。優しい子である。こうして自分のイメージをつくっていくと,当然のこととして,周りの他者を相対化して分かっていくようになります。僕は兄だが,妹がいる。私は子どもで,パパは大人。もう一人の子どもは自分を元にして,周りにいる他者とのつながりの世界を理解していきます。

《事例:人見知り》
 ママがいつも嬉しそうに話しているから,パパは安心できる人。いつも同じ家でいっしょに暮らしているから,きょうだいは味方。自分の周りにいる人の品定めをしていきます。よその人は頼っていいのかどうか分かりません。不安ですから怖がります。普段家族以外の人との付き合いがない暮らしに慣れていると,警戒の度合いが増してくるでしょう。もう一人の自分は他者を自分にとって味方かどうかを見極めようとします。

《事例:共存権》
 きょうだいや子ども同士の世界の中では,それぞれが自分中心の世界を持ち寄ってくるので,関係が成立しません。それを認めたくないからトラブルになります。悪いのはすべて相手だからです。他を責めあって膠着状況になると,共倒れです。そこで社会的な知恵が必要になります。例えば,順番にする,貸し借りをする,ジャンケンをするなどで,分担,分割,分配する次善の方策を取り入れます。全部ではないけど,無いよりはまし。妥協することで共存できる現実から,お互いに対等な存在であることに気付きます。

《事例:思いやり》
 人間関係を保つには思いやりが必要です。思いやりは自分のことのように思って,その思いを共有することです。今夜の夕食は煮魚。身をほぐして食べさせていると、2歳の娘が「イターイ!」と。以前、骨が刺さったことがあったので心配すると、「オサカナさん、おくちがイタイって」。ん??大丈夫、お魚さんは痛くはないから…。自分が痛い思いをしているとき,ママが痛いねと言いながら寄り添ってくれたから,もう一人の子どもがママの真似をすることができます。

《事例:見なし》
 子どもはヒーロー・ヒロインになりきります。もう一人の自分が自分をヒーローに見なします。絵本の世界に入ることができるのは,もう一人の子どもです。1才2ヶ月の息子に動物の絵本を見せて、「"ニャーオ、ニャーオ"と鳴くのはどれ?」と鳴きまねをして聞いてみると、無言で私を指差した…。1歳の子どもにはまだもう一人の子どもは誕生していません。だから,ママの鳴き真似を絵本の中の猫につないで見なすことは不可能です。本の世界に親しむことがもう一人の子どもの育ちにはとても有効です。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
※もう一人の子どもが自分を大事にすると同時に,そばにいる他者も大切に思うことができたら,社会に踏み込む準備ができたことになります。もしも,もう一人の子どもの代わりを親が務めている場合は,自分に気付かないばかりか,他者がお互い様の間柄であることにも気付きません。結果として,聞き分けのないわがままに据え置かれます。分別がつくということは,もう一人の自分が自分と他者を公平に見ることができることです。




 人は誰かとつながっていないと寂しいものです。自分のことを気に掛けてくれる人が誰もいないなら,それはとても辛いことでしょう。誰からも当てにされていない,それも悲しいことです。人は人とつながっていてこそ,心穏やかに生きていくことができます。親離れをした子どもは,密着していた親との関係が距離を置くようになったので,かなり不安な状態に追い込まれます。心を落ち着かせてやらなければ,育ちどころではなくなります。家族という居場所をつくってやりましょう。

★落書き★

 パパと坊やが瓜二つ。それがよいことかどうかは,それぞれでしょう。ところで,似ているものを表現するのに,どうして瓜二つなんでしょう。瓜はどれを持ってきても似ているということではないそうです。瓜を二つに割ってみると,その切り口の模様や形がそっくりということです。元々は一つなので,そっくりで当たり前です。ただ,それなら瓜ではなくて,リンゴや梨でも何でも同じですが,瓜の似ようが印象深かったのでしょうか。


「子育ち12章」:インデックスに進みます
「子育ち12章」:第41-01章に戻ります
「子育ち12章」:第41-03章に進みます