『子育ちは 間違い許す 余裕持ち』
【心得 43-11:子育て第11心得】
■子育て12心得■
『子育て第11心得』
〜親は間違いを訂正させなさい〜
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
○モンテッソーリ教育:No.8
大人が思っている以上に子どもはプライドが高く,傷つきやすい心を持っています。そのため,直接的に訂正せずに,自分で間違いに気付き,自分で訂正できるように配慮したいものです。
また,大人の親切により間違わないように仕向ける必要はありません。子どもは間違うことによって学んでいくのです。
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
○間違いというのは,本人は気付きにくいものです。特に聞き間違いは,自分の辞書に照合しているので,正しいと思いやすいものです。ある日の夜のことです。寝室から7歳になる男の子が「ママー!何してるのー?早く寝るよー」。ホームベーカリーで翌日のパンの仕込みをしていたママは,「今、パン作ってるのー。先に寝ててー」と答えました。すると男の子は「えー!ママ,パンツ食ってるんだってー!」と4歳の妹に報告していました。そんなはずはないという常識力はまだ弱いのです。
子どもの話が証言にはならないというのは,うそとまことがない交ぜになっているという経験によります。子ども自身は本当のこととして話していますが,つじつまの合わないことが紛れ込んでいることがあります。いきなり「うそを言うな」と怒鳴りつけるのも大人げないことです。疑問を挟んで,もう一度言い直すチャンスを与えてやることもいいでしょう。自慢話をしているときは,破目を外してほら話になりやすいものです。そんなときには,笑い飛ばしてやるという手も使えます。
目的を持った行動の場合は,間違えば即座に分かります。走っていて転んだとか,運んでいて落としたとか,ボールを捕ろうとして逸らすとか,きりがないほど例を数え挙げることができます。このようなしくじりは本人も周りも分かっているので,両手で持ちなさいとか,よそ見をしないで,といったそれぞれに適ったアドバイスをしてやるようにします。しくじりを叱ることが多いと思いますが,しくじりを怖がらせると,子どもはしくじりをしないために手を出さなくなってしまいます。練習が閉ざされてしまうことになります。
忘れ物のように,すぐには気がつかない間違いがあります。後になって気がついても,間に合いません。そこで「忘れ物はないね」というお節介がなされます。忘れ物というのは今は要らないけど後で要りようなものです。後の予定を思い出せば,気がつくはずです。これからの予定,その確認をする癖が付けば,忘れ物はしなくなります。忘れ物をしてしまって,慌てたり困ったりといった経験をすれば,確認をしなければという気付きに至ります。親の注意に頼っていると,忘れたときに注意しなかった親のせいにしてきます。
答案が返ってきます。いくつかの問題に丸が付いていません。テストの最中は間違いないと思っていたものが,間違っていたのです。間違ったことに気付かされるのですが,その次の行動で学力に差が出てきます。間違ったところを自分の手で修正しようとするかどうかという分かれ道があります。同じ問題は2度は間違えないというフォローができれば,テストが役に立ってきます。自分の弱点を見つけるためにテストがあります。間違えているところが能力の最前線なのです。そこを伸ばすのが学習です。
肉体的な行動では,間違いは分かりやすいでしょう。知的行動では,間違いは正しいものと比較検討できるまでは分かりません。正しいものがあるかさえも分からないこともあります。うまい設け話などです。心的な行動では,間違いは一層はっきりしなくなります。例えばたった一言で親しい関係が壊れてしまうこともあれば,そうでないこともあります。間違っていたと思っていても,結果としてよかったということもあります。間違えないようにしようと気を遣いすぎるよりも,後のフォローを大事にする方が現実的です。
無理強いしないという言葉から,親の思惑通りにならない子どもに,しつけと称して虐待をする事例が連想される時勢は悲しいことです。しつけはある程度の無理を含むものです。どんなことにも程度があるということです。子どもも楽をしたいと思うので,何か行動させようとすると,その気持ちを押しのける程度の強制を必要とします。「始めよう」というきっかけとなる号令を掛けるようなことです。その後は励ますように見守りを続けておけばいいでしょう。声を掛けただけで後は見もしないというのでは,子どもは怠けて逃げます。
★落書き★
ドーナツの原型は,オランダの小麦粉・砂糖・卵で作った生地を酵母で発酵させ,ラードで揚げたボール状のオリーボルという菓子だとされています。当時は揚げたボール状の菓子にクルミが載ったものであり,祭典用の菓子だったそうです。ドーナツの名前の由来は,ドウ(生地)の上にナッツが載ったものという意味から来ています。リングドーナツの形に至った経緯は,1847年アメリカのハンソン・グレゴリーという船乗りが,子ども時代に生焼けのドーナツを食べたことから,中までしっかりと火が通るように真ん中に穴を開けるよう母親に勧めたことからとされています。