*** 子育ち12章 ***
 

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「第 44-03 章」


『子育ちは 信じる人に 囲まれて』


■子育ち12表裏■

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『子育て第3表裏』

【表の育ち:何事も信じ行動する】

●信じていいかどうかが分からないときには,心を閉ざすようになります。帰宅した父親が娘に「ママは?」と聞くと,娘は「ん?ママは父ちゃんのこと嫌いだから出て行ったよ」。そこで,父ちゃんは「おぉ、そうか…」と受け止めています。3歳2ヶ月の娘は、父親のことはパパではなく「父ちゃん」と呼びます。父ちゃんへの対応はとても冷めています。そのまま放置せずに,母親が父ちゃんと仲良くしてみせて,父ちゃんは信じていい人と保証してやらなければなりません。

○子どもは無条件に親を信じています。生まれたときから一心同体と思い込んでいるので,信じる以前の状態です。母子分離を経て,母親を信じるという状態に入ることになります。母親が仲良くしている父親やきょうだいを信じてよい人と認知し,信頼関係に依存する家族としての暮らしを受け入れていきます。人見知りをする時期は,信じてよいかどうか判断する情報が不足しているために,保留しているのです。家族の知り合いという友達の輪が広がる過程を通して,信じる世界が広がっていきます。

○自分が周りの人から信じてもらえるかという心配があります。ただ,相手の心情を思い通りに動かすことはできないので,自分が相手を信じるということしかできません。信じられていたら,それに応えて信じて返すのが普通の人情です。もちろん,程度の差や例外もありますが,世間は信頼関係が原則であることは間違いありません。子どもであっても,社会的な生活が広がり深まっていく中で,もしも信頼関係が壊れることがあれば,居場所を失うことになります。信じ合えるという世界は,それぞれが努力して創っていくものです。

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【裏の育ち:不信感で行動できず】

●自分は保護されていると信じることができたら,安心していろんな行動をすることができます。逆に,保護されていると信じられない場合は,不安になって行動することができなくなります。不安は気持ちを内向きにし外に向かう行動を封じ込めるように働きます。ある親が娘を保育園の一時保育に預けてみました。帰宅した2歳の娘に「どう?楽しかった?」と感想を聞いたら,「保育園は疲れるからもうイヤ」という返事です。連絡帳には「何もしませんでした」と書いてありました。不安に耐えた,それを精神的に疲れた?といいます。

○人のあら探しをしていると,嫌な気分になってきます。人は自分がしていることを他人も同じようにすると思っています。周りの人も自分をあら探しの目で見ているだろうと思うと,人の目が怖くなり,信じられなくなります。自分が道を行き交う人に危害を加えようなどとは思ってもいないので,同じように人を信じることができて,人混みの中を平気で歩いて行くことができます。不信感を持つ事柄の中には,自分の不信感を反映している部分もあります。子どもが抱えた不信の根源をじっくりと聞いてやって下さい。

○どのような行動も自己完結はしません。食材は誰かの手によって作られ届けられ,母親の手で調理されて,子ども自身ができる飲食の行動を経て,残り物は廃棄物としてまた誰かの世話になります。見ず知らずの人の手を信じていないと,とても生きていくことができません。間接的に関わっている人がどれほど多く,さらに信じるにたる人たちのお陰で暮らしていることを学ぶことが大切です。たとえ身近に信じられない人がいるとしても,たくさんの人の中で例外的であると思うことができます。



 全く無防備に信じることは避けなければなりません。車が近づいてきたとき,避けてくれると運転者を信じるのが普通ですが,時々避けてくれないこともあると用心して,自分の方から避けるように気をつけることが肝心です。自分が正しくても,痛い目に会うのは自分なのですから。自転車に乗る子どもは曲がり角から無防備に飛び出します。危険があると用心をすることは,信じないということとは次元が違います。信じてよいことを見極めるためには,経験を重ねなければなりません。

★落書き★

 アサリやハマグリは海底を移動しますが,どういう風に動くのでしょう。お吸い物に入っているアサリやハマグリを開くと,2本の管とベロのような部分があります。この管から水を噴出させた反動力を使ってピョンと跳んでいくのでしょうか? 実は管は海水を吸い込んで酸素や餌を取り,もう一方から吐き出している働きをしています。残るベロのような部分が足になります。これを突き立てて移動していきます。足があるんですね!


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