『子育ちは 経験の質 反映し』
■非行化12秘訣■
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『非行化第00秘訣』
【油断すればひどい目に会わされると教えよ】
※油断すればひどい目に会わされると教えよ。
(信頼関係の否定)。
●ノートを少しの間置きっぱなしにしていると,いたずらされてしまいます。油断大敵です。いたずらする方はほんの軽い気持ちでの悪ふざけでしょうが,いたずらされた方は軽く受け流すわけにはいきません。相手が一人や二人なら気の付けようもありますが,不特定多数となるとお手上げです。完全防備のバリアを張っておかなければなりません。望まない関わりに悩まされることがなくなるかわりに,こちらから周りへの必要な関わりを持ちにくくなり,孤立していきます。
・・・・・《子どもは周りからの関わりにより育ちが促されるのです!》
●曲がり角で出会い頭に自転車とぶつかって押し倒された友達をみて,大声で笑っています。痛かったろうな,怪我をしていないかなという心配は皆無で,人の無様な様子を反射的に笑う習性が付いています。コンビニに行ったとき,入口で躓いて転びました。店内にいた人が物音に誘われて一斉に見ています。あざけり笑われている自分を感じて,慌てて起き上がり出ていきます。ちょっとした油断から恥をかく破目になったことが腹立たしく,そこにいた人を嫌いになることで慰めを得ようとします。
・・・・・《子どもは自分の至らなさを他者に投影するものです!》
○子どもは無邪気ですが,それは素直さとは違っていて,しらーっとずる賢く振る舞います。若いおばさんが,3歳の姪と遊んでいました。「まーくん(おばさんのこと),じゃんけんしよう。まーくんはグーを出してね」と言ってきたので応じました。ただ,「パーを出すはずだから,チョキを出そう」と意地悪なことを思い,じゃんけんをしました。ところが,姪が出したのはグーです。3歳児にはめられて唖然とする私に,姪は勝ち誇った笑顔でした。大人を見透かします。侮れません。
・・・・・《大人は真似される行動をして見せる立場です!》
●順番に並んで待っています。これからというときになると,どやどやと割り込んできます。当たり前のような顔をしているのが,むかつきます。誰も咎めないというのは,そうしてもいいということです。それなら,割り込んだ方が得です。ぼんやりと待っているのではなく,注意深く割り込めるところを探し当てて,機を逃さずに突進です。世間は聖人君子の世界とは違います。鵜の目鷹の目でつけ入ろうとする人がうようよしています。負けてはいられません。
・・・・・《子どもは一人の無礼を世間一般と推し量ります!》
●年かさの子どもは,幼い子どもをカモにします。大人の目が外れると,理不尽なことを仕掛けてきたり,モノをかすめ取ったりします。無くして叱られると,どうしてそんなことになるのか理解できません。やがて,自分がされたことに気付くようになると,下の子に対してされた程度以上に同じことをするようになります。元を取り返さなくては,という思いはエスカレートします。されるよりも,する方に回れば,油断することはなくなります。
・・・・・《子どもはされたことを過大に覚えていきます!》
今号で「子育て羅針盤:第45版」は完結します。子育ての裏の世界を覗くという思いで,《非行化12秘訣》というテーマを考えてきました。書きながら悪になりきれずに,中途半端な内容になりました。おそらく読みづらかったことでしょう。ただ子育ては紙一重で裏に寝返ることがあるということを感じ取っていただけたら幸いです。
2012年1月2日配信の次号から始まる新版では,表世界に戻ります。読んで明るくなるようなものにしていきたいと思います。全体のコンセプトを《有能化》としました。才能が優れた「できる人」ではなく,人として頼れる「できた人」になる育ちを目指してみようと考えました。思惑通りに運ぶか,新たな挑戦を応援して下さい。
★落書き★
いろんな所で行われる表彰式のバックに,定番として流れる音楽があります。「チャーン・チャーチャ・チャーン・チャーン・チャラララ・チャン・チャン・チャーン・・・・」というものです。楽聖ヘンデルが作曲したオラトリオ「マカベウスのユダ」の中にある「見よ,勇者は帰る」という曲です。イギリスの王位継承争いで勝利したウィリアム公を祝うために作曲されたものです。誰がこの曲を表彰式で採用したのかは定かではありません。
☆☆☆ 皆様がよき新年をお迎えになりますようにお祈りいたします ☆☆☆