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「第 46-12 章」 |
『子育ちは 不足補う 仲間いて』
■有能化12秘訣■
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『有能化第12秘訣』
【調整力を育てよう】
●《順序》物事には段取りがあります。幼い行動では,手当たり次第にやっても何とかなります。少しまとまったことをするときは,手順書が必要になります。いわゆるマニュアルです。例えば,早起きをしようとすれば,目覚まし時計をセットすればいいのですが,その他に早寝をするという準備も必要になります。自分に合った作業工程を想定できるようにならなければ,行動を確実に実行できる信頼性が保証されません。間違いなく実行できる,一連の作業の流れ,順序を調整できる力が必要です。
●《経過》物事は人の都合で動いてくれるとは限りません。世の中のことは,自分の都合とは別のペースで動いていきます。例えば,移動しようとすれば,バスや電車の運行時間に合わせて待たなければなりません。調理をすれば煮炊きの時間,作物は生長期間,レジではチェック作業など,相手の都合に合わせるための経過を想定しなければなりません。能力にしても練習という経過がなければ開花できません。コツコツと取り組むという経過を予定できると,計画的にことが運ぶようになります。
●《仲介》自分の能力を発揮して,何事かをやり遂げることができれば,ひとまずは生きる力を備えていることになります。一方で,人は独りでは生きていけないという現実があるように,自分の力が及ばないこともたくさんあります。人はそれぞれが持ち味を持っているので,能力を持ち寄ることができれば,力の合体が可能です。力をどのように組み合わせればよいのか,適切な仲介が肝要です。化学物質の配合が大切なこととと似ています。掛け声に合わせて,ソーレ! 力の出番を打ち合わせるのも仲介です。
●《補充》社会的な活動は,チームワークです。例えば,野球はピッチャーだけではできませんし,4番バッターだけでは成り立ちません。守備範囲の違う選手が揃った時にチームとなります。チームを維持する上で備えておくことは,多様な人材と交代できる補欠の存在です。それぞれの持ち味を生かすシステムが効率よく機能します。人の手配だけではなく,必要な材料や機材の調達や補給も大切です。チーム行動をするとき,チーム全体を率いていく経験をさせるようにすれば,リーダーを育てることができます。
●《検証》集団の力は,構成する人の組み合わせ・配置によって変幻自在です。昨日までの集団構成のままで,今日も通用するかどうか分かりません。常に状況に対する自分や集団の力が整合しているかの検証をしなければなりません。調整力はチームの監督に必要な資質と同質なものですので,団体競技を観ているときには,いろんな局面での采配を見習うようにすれば,学びになります。たとえ一選手であっても,指示されて動くのではなく,全体の動きを想定しながら動くことが大事です。
この46版では,子どもの育ちに関する12指標が,大人になるための12指標につながっていることを見てきました。大人の力ですから,それぞれがいくつかの要素の組み合わせとなるので,分かりづらかった面があったことはおわびをします。もちろん,子どものうちに,この有能化秘訣をしつけるのは早すぎるでしょうが,子育ち12指標の行き先が行き止まりではなくて,ちゃんと大人の12指標につながっていることを分かっていただきたいと思って,先走った話をしました。ついでに,もう一回のお付き合いをお願いします。
★落書き★
子どもは無茶な行動をするので,気をつけておかないといけません。ところで,無茶という言葉は,どういうことでしょう。常識外れ,考えられないといった意味ですが,お茶との関係は? 日本人の習慣として,お客が来たらお茶を出して接待するのが常識です。そこで,用件に紛れてお茶を出さないと,「茶も出さない」と非常識を咎められます。そこから,常識はずれたことを無茶というようになったということです。無茶から,滅茶とか苦茶とかに派生していったそうです。
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