*** 子育ち12章 ***
 

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「第 47-03 章」


『子育ては 生きてほしいと 思い寄せ』


■子育て12チェック■

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『子育て第3チェック』

【安心させていますか?】

●植物の種は,部屋に転がしておいたら,いつまでも種です。スイカの種はスイカの中にある間は決して芽を出しません。種は大地に蒔かれたときに,育ちの活動に入れます。その大地はどんな大地でもいいというわけではありません。乾燥した砂の大地では育ちは望めません。豊穣な土地でなければならないのです。育ちに適当な環境の条件を探しておくことが大事です。

●どうしてなのか逆らうことの多い子どもがいます。反抗するのは自立の現れであるのですが,そうとばかりは言い切れない場合もあります。下の子が生まれたときに,急に甘えん坊になったり,言うことを聞かなくなったりすることもあります。そんな目立った変化が見られないときは,おねしょといった形で吹き出してくることもあります。いずれにしても,子どもは親の気を引こうとしています。目を向けて欲しいというサインです。

●子どもは大人といっしょに暮らす中で,自分にはできないことや分からないことがあることを思い知らされています。もう一人の子どもは自分の未熟さを不安な思いで抱え込んでいます。支えが必要なのです。見守られていたい,見てもらっていれば安心できます。そばに頼れる人がいる,それはママにとっても同じように,心丈夫なものです。種が芽を出すとき根を大地にしっかりと張って,支えられているから大空に向かって伸びていくことができます。

●子どもを子どものために子ども部屋に押し込めるのは,子どもを孤独に閉じこめることです。自分だけ外されるのです。本来,子ども部屋とは寝室です。勉強などの活動をする場所は,ファミリールームです。家族がそれぞれに活動をしているから,自分も勉強しよう,それが自然なのです。子ども部屋に隔離された子どもは,家族が何をしているか気になってしようがありません。傍にいれば,気配で分かりますから,安心できるのです。

●誰もいない家に帰ってくると,落ち着きませんね。おそらくテレビをつけるでしょう。人の話し声が聞こえていると安心するものです。子守歌を聴かせると子どもは眠ります。体をそっと調子よく叩いてやると,スヤスヤと寝息を立てますね。傍に誰かがいることが伝わっていると,安心できるからです。子育ちに相応しい環境,ホームである条件は,家族の存在がお互いに伝わるということです。ママが呼ぶ声が全員に聞こえるということです。

●忙しいパパは子どもと遊んでやれません。悪いなと思いながら,仕事だからと泣く泣く自らを弁護しています。そんな親の苦労も知らずに勝手なことを言う子どもに,つい「だれのお陰で育ったと思っているんだ,お前たちのために苦労しているんだぞ」と声を荒げます。親としての逆鱗に触れるからです。中学生くらいになると,「そんなことを頼んだ覚えはない」と言い返します。「何だ,その言いぐさは」とエスカレートしていきます。

●子どもは,親の苦労は分かっています。しかし,それが自分のためだと言われると辛いのです。自分がいるばっかりに父親が苦労する,父親にとって自分は余計なお荷物と宣告されているからです。子どもにとっては最も聞きたくない言葉です。だから,頼んではいないのです。それだけは言わないでという願いなのです。

●パパが泊まりがけの出張から帰宅します。「お帰りなさい」と子どもが元気よく迎えます。パパの手から鞄を受け取って奥に入ります。パパは玄関に置き去りです。どうやら鞄を待っていたようです。鞄を開けて探していますが,やがて「あった」と取り出しました。おみやげです。遅れて入ってきたパパに「パパ,アリガトウ」と言いながら,手はおみやげの包みを開けていきます。

●子どもの喜ぶ様子を見ながら,パパは疲れを癒していきます。数日すると,そのおみやげが部屋の隅に転がっています。せっかく買ってきてやったおみやげは,忘れられています。ママはパパの目に触れないように,そっとしまい込みます。飽きっぽいと診断し,ものを大事にするように言い聞かせるチャンスと考えて,子どもに注意をします。子どもはなぜ叱られているのか,分からないかもしれません。

●あんなに喜んでいたのに,どうしてでしょう。子どもって,そんなに飽きっぽいのでしょうか? そんなことが続くと,親はやがておみやげを買ってくるのを止めるようになります。子どもにとって,おみやげとはどんな意味があるのか,考え直してみませんか。

●おみやげを買うとき,家で待っている子どものことを思い出しています。何を喜ぶかなと,子どものために気を遣っています。おみやげを手にした子どもは,「パパはお仕事で家を離れていても,ちゃんとボクのことを気に掛けていてくれた」というメッセージを受け取っているのです。おみやげはその証拠に過ぎません。「あった」という喜びは,それを確認できたうれしさに他なりません。証拠品は用が済めば,要らないのです。

●あなたのことを気に掛けていますよ,そのメッセージを伝えるように工夫をして下さい。いくら心でそう思っているといっても,子どもは具体的な表現でなければ受け取れません。いっしょに遊んでくれるのを喜ぶのも,親の気持ちが子どもに向かっているからです。冷蔵庫を開けたら自分の皿にケーキが載っているとか,自分のために作ってくれたママの手料理,そんなちょっとした手間を掛けてやることが,子どもを安心させるのです。



 子育ちは安心する場であることが前提であり,したがって,子育ては子どもを安心させる必要があります。安心させるというのは,言い換えると,子どもを独りぼっちにしないことです。そばについてくれていると思わせるようにします。その次にすることは,人を信頼することです。その土台として親がすべきことは,子どもに信頼させること,子どもから信頼されることです。人は基本的に信頼してよいという思いを育ててやらないと,社会を信頼できなくなります。

★落書き★

 子どもの頃,大人はどうしてこんなに苦いものを美味しいというのだろうと思ったことがありませんか? 大人と子どもの味覚は同じではありません。子どもの味覚神経は,舌だけではなく,上あご,頬の内側,のどと口の中全体に張り巡らされているので,口当たりのよい,刺激の少ないものを好みます。大人は感覚が鈍くなっているので,刺激の強いものを美味しいと感じてしまうのです。


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