*** 子育ち12章 ***
 

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「第 47-07 章」


『子育ては よいことをさせ ほめてやり』


■子育て12チェック■

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『子育て第7チェック』

【善行させていますか?】

●少年が事件を起こしたとき,どんな子どもだったかと,生い立ちが問われます。「会えばきちんと挨拶するし,アリガトウも素直に言えるいい子なんですが,信じられませんね」。「いや,普通の子ですよ。そんな悪さをする子にはとても見えません」という声が多いですね。「あの子だったら,やりかねないと思います」といった言葉はあまり聞かれません。普通の子,アリガトウが素直に言えるいい子,そんな子どもが悪さをしでかすのはなぜでしょう?

●親はいい子に育って欲しいと願っていて,周りからもそう思われるほどちゃんと育っているのに,どうしたことでしょう? このわけをはっきりしておかないと,親としては不安です。なぜなら,何かが欠けているに違いないからです。何かが足りないから,育ち間違っているのです。子どもが不始末をしたとき,「そんな子に育てた覚えはない」という親の嘆きが出てきます。でも,実のところ,育て忘れがあるのです。

●青少年犯罪では盗みが急増し,ひったくりなどが横行しています。ちょっと前は子どもたちが被害に遭う事件が起こり,大人たちは子どもを守ることに神経を尖らせました。「子ども110番」というステッカーがあちこちに見られる地域もあります。子どもを守るという気運は高まりました。でも,それで万全でしょうか? ここで,育て忘れに気付かなければなりません。男の子に与えておく指針は「弱い者に手を挙げるのは,男として最も恥ずべき行為である」という性根です。これは父親の子育て項目です。

●親が我が子を見失うことがあります。うちの子は何を考えているか分からない? また,子どもの評価に際して,マイナス部分はいくらでもあげられるのに,プラス部分は見つからないといった経験をしたはずです。見えない子どもとは「ふつうの子ども」なのです。親は我が子しか見ていないのですが,よい子かわるい子か,としか見ていないので,ふつうの子が見えなくなります。このふつうの子を見落とすミスが,親による評価を狂わせるのです。

●結論を言うと,「よいことをしない子は普通の子。わるい子ではない。わるいことをしない子はよい子ではなく普通の子」です。例えば,お手伝いをする子はよい子です。ところが,お手伝いをしない子はわるい子ではなく,普通の子です。何もわるいことはしていないのですから。嘘をつく子はわるい子です。でも,嘘をつかない子はよい子ではなくて,普通の子です。よいことをしているわけではありません。

●普通の子がいて,ときどきよいことをし,ときどきわるいことをしているのです。ですから,お手伝いをしない子をわるい子だと思って叱るのは,間違っています。よい子でないといけないという窮屈な考え方です。お手伝いは,したときにほめるのです。よいことをしたのですから。叱るというのは,わるいことをしたときに叱るのです。叱られるからよいことをする,それは子どもに誤った指針を与えます。

●よいこととはほめられること,わるいこととは叱られること,きっちりと分けておかなければなりません。普通にしていればほめられもせず叱られもしない,そんな平凡な場所を持たしておかないと,親子ともども息苦しくなります。大人だって,普通に暮らしているでしょう。いつもよいことをしないといけないとは思っていないはずです。たまにするから,よいことなんです。

●普段しないことをするから,良いことも悪いことも目立ちます。だから,見えるのです。逆に良いことも悪いこともしない普通の子は,目立たずに見えなくなります。親は子どもが見えていないと不安になるから,良いことをしない子どもを悪い子ども扱いしてしまいます。良いことと悪いことの指針を別にしないと,子どもは混乱します。なにより,よいことをしても,親はして当たり前と思っていてほめることをしないので,本当によいことが何かをしつけられないままに育っていきます。

●ギブアンドテイクという関係は,社会人として身につけておかなければならないルールです。子どもたちの非行,ひったくり,万引き,自転車乗り逃げ,恐喝などは,いずれも盗ること,取ること,テイクすることです。「オイ,お金をよこせ」と脅して手にするときに,アリガトウと一応言うはずです。アリガトウと素直に言える子どもが悪さをしでかすのは,何の不思議もありません。このようにテイクをしようとすると悪いことになるのは,テイク優先で正しい順序をしつけていないからです。

●ギブが先でなければなりません。ギブするときに言う言葉,それは「ドウゾ」です。英語でプリーズと言いますが,意味は相手を喜ばせることです。ドウゾと力を貸す,ものを分け与える,譲る,助ける,思いやることなどは,全て良いことです。暮らしの場で良いことをしようと願うなら,ドウゾという言葉から生まれ出てきます。先にドウゾがあるから,アリガトウが言えるのです。

●豊かな時代に育っている子どもたちは,豊かな心を失ってきました。物が豊かであるとは,好きなものが好きなだけ手にはいることであり,「アリガトウ」の言葉を覚えます。テイクする豊かさは,歯止めが効かないので,豊かさが実感できません。そこで編み出したキーワードが「心の豊かさ」です。しかし,それが何か,どうすれば手に入れられるのか,迷っているようです。大事なしつけは,ギブが先,つまり,ドウゾを喜ばなければならないということです。

●ドウゾのしつけをするためには,親がアリガトウを言わなければなりません。子どもの世話は親からドウゾと言うことですから,子どもはアリガトウの立場です。これを逆転するためには,親がアリガトウと言えるチャンスを作らねばなりません。「してくれると,助かるんだけど?」と,水を向けるのです。してくれたらアリガトウと言えます。「手伝いなさい」と命令してはいけません。親が命令して子どもがやってくれても,して当たり前ですからアリガトウは言えません。ドウゾにならないのです。



 人が生きていく上で大事にしなければならないものとして,絆というものが再確認されています。本当に大事なものは,普段から自覚されないものです。例えば,心臓の動きを普段は意識していません。絆に気づいたからといって,唱えるだけで絆が結ばれるわけではありません。絆とはドウゾとアリガトウの円滑な関係です。その理屈を知っているからといっても,それは必要なことですが十分ではありません。ドウゾと言いたくなるという感性の支援がなければ,定着しないでしょう。

★落書き★

 これから暖かい季節になると,細菌が気になります。電子レンジは強い殺菌力があるそうです。殺菌力は熱によるものではなく,マイクロウェーブが直接に細菌の細胞を攻撃して絶滅させます。ふきんに850万個の生菌がいたとしたら,30秒で3万6千個,1分で2千6百個,2分で1千3百個に減ります。大腸菌なら2分でゼロになるということです。殺菌に使うということは想定外かもしれません。ただ,十分に気をつけて。


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