*** 子育ち12章 ***
 

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「第 47-12 章」


『子育ては できる目標 見つけさせ』


■子育て12チェック■

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『子育て第12チェック』

【学習させていますか?】

●失敗は成功の元と言われています。発端が失敗であるということです。それでは成功までの道筋はどうなっているのでしょうか? 失敗するだけでは成功は覚束ないはずです。失敗を成功に育て上げるプロセスがあるはずです。子どもたちは失敗するとさっさとあきらめています。力には根っこがあることを教えられていないようです。向上心とか探求心を備えたひたむきな姿勢が育ちの姿のはずです。溌剌とした子ども,冒険する子ども,前向きな子ども,そんな子どもを育てましょう。

●子どもは失敗しなければなりません。その失敗に対しての評価をどうするかということです。失敗をいけないこととと考えると,失敗を許さなくなります。普通は失敗に対して罰があります。叱るというのも同じで,失敗を子どもから取り上げてしまいます。そこで0点の登場です。0点とはどのような失敗をしても,それをマイナス評価しないという覚悟です。失敗しても水に流して,なかったことにするということです。0とは無いという意味でしたよね。子育てにおいては,決してマイナス評価はあり得ないのです。

●励ますといったとき,どうしていますか? 励ますとは,子どもが失敗をしたときに「気にしなくていい」という言葉をかけてやることです。0点だからいいんだという考え方です。そして,少しでもできたらプラス評価できるので,「できたね」とほめてやることができます。もちろん,0点のままでは育っていないので,留まることがあってはいけません。プラスに向かって階段を上ろうとすることが必要です。そのステップが「反省」なのです。失敗したことを子ども自身,つまりもう一人の子どもが反省するのです。

●ところで,しまったと思うことが反省ではありません。反省とは何処で何を失敗したかを見極めることです。間違いを直視する勇気が必要になります。失敗を人のせいにしたり,言い訳をしたり,運が悪かったと逃げたり,あげくは隠してしまったりすれば,せっかくの失敗が無駄になります。自分の失敗をちゃんと失敗として認め検証できることが,反省するということです。潔くあることです。失敗を0点にしてやれば,子どもは逃げなくなるはずです。

●自分の行為・行動を順序よく再現し,失敗したところを確認します。失敗と成功の分かれ道が見つかるわけです。分かれ道があることに気付くという意味で失敗は大事なのです。ここに気をつけなさいというサインを知ったら二度と同じ失敗はしなくなります。分かれ道に立てば,別の正しい道を見つけなければなりません。それが「学習」です。最も基本的な学びは真似ることです。学びは真似るから生まれました。上手にやり遂げている人を見て,そのマネをすることが学びであり,子育ちの重要なステップになります。

●分かれ道に立ち止まって周りを見ると,上手にこなしている人に目が向きます。「あんなにすればいいんだ」,と別の道が見つかります。こうして学習ができていきます。もちろん,ただマネをしただけではすぐにできないこともあるでしょう。それでも,「ちゃんとやれるんだ」ということが確認できることは大切です。人ができることは自分もできるはずだと信じることができるからです。信じるからできるようになります。ちゃんと反省すれば学習する体勢に入れます。

●子どもはいろんなことを経験していきます。似たことはしたことがあるという大筋のやり方が分かっていれば,失敗の後,何処を修正すればいいかを考えることができます。そのためには,こうすればこうなるという理屈を弁えておかなければなりません。子どもに何かを教えているとき,親が何を言っているのか分からないといった風でキョトンとしていることがあります。「そうか!」と納得をさせるためには,子どもが持っている知恵にはすき間があることを前提にして,そのすき間を的確に埋めてやればいいのです。

●テーブルの上に3個のミカンがあります。それを見て子どもは「あっ,ミカンがある」と思います。一方で,「1個足りないな」と判断したとします。家族が4人いたら,1個足りません。これが考えるということの基本です。ミカンを家族揃って食べるという目標が立てられたときに,一個不足という意味が分かります。失敗したとき,そこには必ずこうしたいという目標があるはずです。間違いの場所を反省し,どうやり直せばいいかという学習をするときに,目標がはっきりしていると考える筋道ができるはずです。

●自転車に乗れるようになりたいから練習します。それが目標です。何のために自転車に乗るのか,その答えが目的のはずですが,かなり曖昧でしょう。勉強できるようになりたいという目標が持てたら,勉強も苦にはなりません。でも,何のために勉強するのかという目的を考えはじめると,その答えは明確には得られません。目標とは今すぐに目指すことができるものです。それが達成できたら次の目標が現れます。子育ちは失敗・反省・学習・挑戦というサイクルであり,その挑戦すべきこと,それが目標です。

●自信とは,それならやれると思うことです。はじめてのことでも,ちょっとした高みにある目標なら今までも何とかやって来られたという実績が,自分の力への信頼になります。できることが新たなできることを誘い込んでくれます。どうせやっても無理と自分を見限るのは,目標の設定が高すぎるのです。できるかもという程度のものでいいです。わずかでも育てば,それを繰り返しているうちにちゃんと育っていきます。

●なりたいという夢は目的ですが,そこに向かって上る階段の一つ一つが目標になります。何になりたいかという夢に届くためには,自分には何ができるかという達成してきた目標の高さが問題になります。挑戦とは,簡単にはできなそうもない最終目的に向かうことではありません。それは無謀といいます。できるかもしれないと思う目標に向かうのが挑戦です。夢に向かって小さな目標をどれほど積み上げてきたかという実績が大事です。継続は力なりという言葉の継続とは,小さな挑戦の継続なのです。

●学び方とは,できることを見つけてやってみようとすることです。試験という簡単な例を持ち出してみましょう。問題を読んだだけでは答えは分かりません。答えを出すことは取りあえず後回しにして,自分にできることをやってみます。そうすれば問題の整理が一歩進みます。そこであらためてできることを探してやってみます。その繰り返しをするうちに,問題は自然に解けていきます。与えられた一つの問題を自分にできる小さな問題に順序よく分けていくのです。分けることが分かることです。

●山に登ろうとするとき,今いる位置から近い登山道を見つけて登りはじめます。それができることです。ところが,その道は遠回りであったり,険しいかもしれません。そこで,楽に短時間で登れる道を探そうとします。それは山に詳しくなってはじめて分かることです。子ども時代に小さな山をたくさん登った経験が,成長して目指す高い山の登り方を楽にしてくれます。育ちの山道,本人未踏の目標は,自分にできることをやろうと挑戦しない限り登ることはできません。



 子育ては,子どもに知情意の育ちを保障することです。知は学校,情は家庭,意は地域という環境が主たる役割を負っていました。この3つの環境の養育力がバランスを欠いていることから,子どもたちの育ちはひ弱になってきたようです。家庭の養育力,地域の養育力というものがどこにあるのかを,再確認しておく必要があります。結論を言えば,家庭生活,地域生活の中の子どもの存在が保障されていないということです。生活の外に置かれた子どもに対して,養育力が機能するはずがないのです。

★落書き★

 地震が起こると,津波警報が出されます。津波は海岸に押し寄せる波長の長い高波です。波というより水の山といった形で迫ってくる津波の恐ろしさは,記憶に鮮明に刻み込まれました。ところで,津波の津とはどういう意味なのでしょうか。津とは港を意味します。水のうねりが高くなって港に押し寄せ,港を襲います。港の波という意味になります。港が入江の奥にあり,そこには水のうねりが増幅されて襲ってくるという恐怖の体験が生んだ言葉なのでしょう。


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