*** 子育ち12章 ***
 

Welcome to Bear's Home-Page
「第 48-07 章」


『子育ちは できないことが できるよう』


■子育ち12習慣■

∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
『子育ち第7習慣』

【目標の達成に努力する】

●はじめに,目的と目標の違いを確認しておかなければなりません。目的とは,その成就に関して運とでも言うしかない不確定な要素を含むもので,少し遠くにあるものです。矢が的に当たるためには,人の制御を離れた矢が風任せに飛んでいく区間があるということです。一方で目標とは,人の成す営為の中で可能となることであり,運が入る余地はないものです。つまり,努力すれば実現できることです。努力目標といいますが,努力目的とはいわないことを,想起してください。頑張ればできることが目標なのです。

●例えば,お金持ちになりたいという目標は有り得るでしょうか? 目標にしたいのであれば,子どもの場合,この1年で10万円蓄えるということが,合理的な目標の設定の仕方です。お金持ちになるという目標はあり得ません。それは夢というべきかもしれません。実のところ,お金持ちになるのは他の目的のための手段でしかありません。正しい目標とは,その実現が可能であり,成就が確認できる形でなければなりません。次の試験では80点を取るといった,努力できる目標を立てるようにすればやる気が出てきます。

●子育ちにおける目標は,さまざまな能力の獲得です。○○することができるようになるという目標が設定されます。言葉を覚えることが先行するので,言うだけのことはできます。しかし,言ったことを実践できなければ能力にはなりません。子どももそのことは知っていて,したつもりになります。しかし,積もりが実現しない状況に直面してしまうと,泣き出したり壊したり八つ当たりしたりします。その自分の弱い現実から逃げずに向き合う根性を養うようにしましょう。くじけないように,励ますことが大事です。

●目標の達成に必要なことは,ひたすら努力することしかありません。諦めないこと,我慢すること,焦らないことなど,子どもの状況に応じて相応しいアドバイスがなされますが,子どもに求められることは「継続する」ということです。練習という努力を続けることでしか能力を得る方策はありません。何もせずに無為に過ごしていては,身につくものは無駄な贅肉でしかありません。授業中にぼんやり過ごすという癖がつくと,積み重ねた時間の中に詰まっていたはずの努力が失われていきます。後悔しても取り返せません。

●かっこよくありたい,楽をしたいといった偽りの目標をもつことがあるかもしれません。しかし,それが達成されたとしても,幸せが保証されることはありません。このような非本質的な疑似目標は本当に幸せをもたらしてくれる,より重要な本質的な目標の妨げになることがあります。道に迷うことになるので,子どもが何を目指しているのかを,本質的な目標は年齢や資質によって異なりますが,大人はきちんと見届けてやらなければなりません。

●今私たちの暮らしは,時間の面で,とてもせっかちになっています。時間に追われているという感覚さえ失っています。特に子どもは「今でなければいや」という気持ちが強く出てきます。待つということをしつける必要があります。ただ,待つといえば,何もせずに待つというイメージが強くありますが,今している行動がたっぷり時間を掛けないと結果が出ないという,何かをし続けながら待つということを教えることが大事です。今していることを積み上げていくプロセスがある,それが努力であると悟らせましょう。



 夏休みの計画が想定通りに進んでいるでしょうか? 計画は目標の一覧表です。計画を立てたら,それですべてが出来上がった気になっていないでしょうか。それは有言不実行です。計画も目標である以上,その実現を目指して努力を継続しなければ,計画倒れに終わります。目標は誰でもない自分に対してもう一人の自分が強制力を発揮すべきことなのです。自分を甘やかしていると,その付けを背負うのは自分になるので,後悔しないように,側にいる大人が努力をサポートしてやらなければなりません。

★落書き★

 アメリカは諸州の連合なので,アメリカ合州国と書くべきではないかといった気がします。「合衆」とは,元首が君主ではなく民衆の中から選ばれる共和制若しくは民主主義を表す古い訳語だそうです。幕末の人にとっては,民衆から選ばれる元首というのは,とても想定外の驚きであったのでしょう。合衆という訳語に,その心情が込められていると感じます。そこで,幕末以来アメリカ合衆国と表記されてきました。


「子育ち12章」:インデックスに進みます
「子育ち12章」:第48-06章に戻ります
「子育ち12章」:第48-08章に進みます