*** 子育ち12章 ***
 

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「第 52-12 章」


『子育ちは 余計な助け 脇に置き』


■子育ち12疑問■

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『子育ち第12疑問』

【親が補助するが,子どもは邪魔されるとは?】

《まえがき》
 この子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの視点と2つの領域から理解することを目指しています。6つの視点とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問に沿うものです。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を想定しています。6つの視点にそれぞれ2つの領域を重ねると,12の論点が生じます。これが版の構成となります。
 第1の誰が育つのかという問には,鏡に映っている自分を見ているもう一人の自分が育つと考えます。しっかりしろと自分を励ましているもう一人の自分が育たなければならないのです。これまでの子育て羅針盤の形式に添って,奇数章では,もう一人の自分の育ちを考えていきます。偶数章では,人は社会生活が必至なので,自分は他者と対等な関係を持つことができるように育つと考えていきます。他の5つの視点についても,同様とします。
 この版では,大人と子どものすれ違いを題材にして,「子育て」と「子育ち」という対照について考えてみようと思っています。

《補助》
 子どもがチャンとはできないことを,親は補助してやっています。「ごはんですよ」。子どもは,食生活とはただ食べることである,と思い込んでしまいます。そのまま育っていくと,結婚とは好きな人と食卓に向かうことと思うはずです。でも,実際の結婚生活は,台所のゴミの山なのです。食生活とは,買い物から料理,配膳,食事,後片付け,廃棄までの一つながりの過程なのです。一緒に買い物,一緒に調理など,子どもにできることを関わらせてやらなければ,生きることを学ぶ機会を奪っていることになります。
 「宿題は?」。子どもは,勉強とは言われてはじめるものであると覚えていきます。そのまま育っていくと,出題すると言われていない問題はできなくて当たり前と先生に訴えてくるようになります。自分が知りたい,分かりたいということを学ぼうとすることが勉強であるはずです。ここは大事ですよと教えてくれないと,覚えようとしない子どもたちが増えています。自分が分からなかったことはこれだった,そういう出会いをしたことこそが,自分にとって大事なことなのです。

《邪魔》
 子どもは,経験していないことはできません。そこで,さまざまな体験活動が用意されています。季節の行事に絡ませた活動もあります。大方の活動で,子どもは最後の出来上がりの部分を体験します。例えば,餅つき体験では,杵でつく,餅を丸める,餅を食べる,といったことです。準備段階での,餅米はごはんのお米とは違うもの,ごはんは炊くが餅米は蒸す,さらには,臼や杵はどこから持ってくればいいのか,学ぶべき肝心の所がばっさりと抜け落ちています。餅つきを体験したことにはなりません。
 ケータイやゲームという機器が,子どもの暮らしの補助として与えられています。子どもが使う機器はごっこであるべきですが,大人用の本物を与えられているために持て余して,依存症に陥っています。すぐ返事を返さなければどう思われるか分からないと不信感にかられる一方で,すぐ返事が来なければ嫌われているからだと誤認したり,自分も他人も信じることができなくなっているようです。過ぎたるは及ばざるがごとしですが,過ぎた補助器具は,子どもの心を壊しているのです。信頼という力を育ててやりましょう。



 イクジをしないパパはイクジなし(育児をしないパパは意気地なし)。イクメンという言葉も現れて,父親の育児が推奨されています。父親の育児参画に関する要請は今に始まったことではないのですが,少しずつ,浸透してきたのでしょうか? ただし,育児というとき,母親と同じ育児を交代で引き受けるという意味で認識されると,子どもには不都合になります。お母さんが2人いるということになるからです。母親の育児と父親の育児は違うのです。父親でなければできない育児をする,それが父親の役目なのですが?

★落書き★

 秋空には星が瞬きます。ところで,空高くから見る星は光ったままになっています。星は太陽のような恒星ですから,光ったままで瞬くはずはありません。でも見上げる星は瞬いて見えます。蜃気楼がゆらゆらと見えるのは,空気が揺らいでいるために,光が曲げられるためです。同じように地上と星の間には空気の層があり,空気は常に揺らいでいることから,星からの光もゆらゆらして,瞬いているように見えるのです。


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